半導体不足により、自動車の生産が大きく遅れている。
トヨタでは、8月に高岡工場(編注:カローラ/カローラツーリングを生産)が、5日間停止した。6月には、トヨタ自動車東日本の岩手工場と宮城大衡工場を、一時停止したばかりだ。
カタログには「尺」が必要ってなに!? ハイエースが職人に指名買いされるワケ
また、新型コロナウイルスの影響で、需要が先細りすると考えられていたが、予想とは逆にマイカー需要は増大。部品不足、需要増で、新車の納期は延びるばかりだ。現在、トヨタ車の納期はどの程度長くなっているのだろうか。人気車種の納期とその動向について解説していく。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA
【画像ギャラリー】受注2万台!! 新型ランドクルーザーの納車はいつ?写真32枚
新型ランクルは4年待ちも? トヨタ人気車の納期はどうなっている?
新型ランドクルーザーの受注台数は、年間生産計画を超える約2万台。単純計算では、納期するまでに4年の歳月を要する
現在、納期が最も長いクルマは、8月2日に発表された新型ランドクルーザーである。メーカー発表で、「納期は1年以上となる見込み」となっており、販売店でも細かな納期を説明できない状況だ。
ランクルは、年間生産計画5000台のところに2万台近くの注文が入った。単純計算では、現在までの注文を捌き終えるのに4年かかる。
トヨタは、新型ランクルへ注文が集中したひとつの要因として、転売目的での購入をあげている。そこで、注文者に対して転売しない旨を記載した誓約書を提出してもらい、誓約書をメーカーが直々に管理するという異例の態勢をとる。
転売ユーザーを洗い出し、一日でも早く、本当にランクルに乗りたい人へクルマが届くようにしたいというメーカーの努力が見える。ランクルの納期については、早期に状況が改善することを祈るばかりだ。
人気モデルの納期概ね順調もヤリスクロスHVなど6か月超
人気SUVのヤリスクロスはガソリン車こそ通常納期(1~2か月程度)だが、ハイブリッドは6か月以上の待ちが発生している模様
傍らで、その他の人気車は、ガソリンモデルを中心に、順調な生産を続けている。
工場出荷まで1~2か月程度の、通常納期を維持しているのは、ルーミー、ヤリスクロス(ガソリン)、アルファード、RAV4(ガソリン)、ライズ、そして新型アクアだ。
ヤリス(ガソリン)、アルファード(エグゼクティブラウンジ)、プリウス、ハリアーなどは3か月程度の時間を要するが、この辺りまでは、人気車の通常納期と言ってもいいだろう。
需要の大きさに対して、供給量が合わず、シエンタ(HV)、RAV4(HV・PHEV)は、工場出荷までに4か月かかる。さらにヤリスとヤリスクロス(両車ともHV)は6か月以上待ちとなる
心配なのは、工場出荷目途まで4か月を超えるクルマだ。シエンタ(ハイブリッド)、RAV4(ハイブリッド・PHV)等が当てはまる。全体的にハイブリッドモデルは、需要の大きさに対して、供給量が合っていない。
そして、ヤリスHVとヤリスクロスHVは、6か月以上待ちとなる。ガソリンモデルとハイブリッドモデルの納期差が大きく、改善の兆しも見えてこない。この先1年程度は、現在の状態が続くであろう。
なぜ不足する? クルマに使われる半導体
エンジンに燃料を送るのはキャブレター、エンジン点火はコイルとデスビが担っていた時代、クルマで半導体が使用される機器は、ごくわずかだった。
しかし現代では、エンジンへの燃料供給や点火時期コントロールは、全てコンピュータがおこなう。そしてカーナビ、ETCなど電装品のほとんどが、半導体のお世話になっているというわけだ。最新の予防安全デバイスには、スマホやパソコンと同様に、最新の半導体が使用されている。
写真は、ヤリスに搭載されている衝突被害軽減ブレーキ。多くのクルマに搭載されている予防安全技術には、スマホやパソコンと同様に最新の半導体が使用されている
しかし、最新の予防安全技術を除けば、クルマに使われる半導体は、旧世代のモノで事足りる。旧式の半導体は、安く手に入るので、コストカットにもつながりやすい。
ここに半導体不足を生む、原因の一端があるのだ。半導体を製造するメーカーからすれば、安く買われる旧式の半導体よりも、最新式の高価な半導体を多く作ったほうが利益になる。利益が少ない自動車用半導体を作ることが後回しになり、供給量が減っている側面もあるのだろう。
流行りのディスプレイオーディオが原因? さらに伸びる新車の納期
販売店オプションであるディスプレイオーディオの「ナビキット」が不足している。それによる納期遅延の影響を受けているは、トヨタ全体で18車種である
トヨタで深刻なのは、販売店オプションを起因とした納期遅延だ。ディスプレイオーディオに、販売店で装着する「ナビキット」が不足している。
ディーラーオプションの取り付けができず、納車が遅れるという状況が、日に日に酷くなっているのだ。販売店の新車プールには、納車待ち(ナビキット待ち)のクルマが多く並ぶ。
現時点で、ナビキット不足の影響を受けている車種は、ランドクルーザー、アクア、プリウス、プリウスPHV、ヤリス、ヤリスクロス、GRヤリス、RAV4、RAV4 PHV、ハリアー、カローラ(ツーリング・スポーツ含む)、カムリ、C-HR、アルファード、ヴェルファイア、グランエースと合計18車種だ。これらの車種では、工場出荷目途よりも、さらに納期が延びる可能性が高い。
ナビキット不足は新車工場出荷目途の長期化よりも、早急に解決するべき問題であろう。販売店の新車プールにも限界がある。メーカーからの配車は予定通りで、販売店からユーザーへの納車だけができない状態では、販売店が体力切れになる日も近い。
筆者の経験上、部品不足(半導体不足)での納期遅延は、供給量が増えた途端に、一気に改善する見込みがある。対して、人気集中による長い納期は、収束するまで時間がかかることが多い。
今の新車には、様々な種類のオプションが準備され、ほぼフルオーダーメイドに近い形で生産が進む。注文から完成までの時間は、年々長くなっている印象だ。ユーザーの皆さんには、長い納期を見越した新車購入活動をおこなってほしい。
【画像ギャラリー】受注2万台!! 新型ランドクルーザーの納車はいつ?写真32枚
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
【悲報】マジかよ!? ホンダ二輪スポンサーのレプソルが2024年限りで契約解消へ
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
特にプリウス、カローラ、CH-R辺りは初期のは2DINナビだったから金型もあるだろうし
普通に社外ナビ付けたい