次世代のフィアット主力車種か
フィアットが先日、ジュネーブ・モーターショーで発表した「チェントヴェンティ・コンセプト」。もっぱらフィアット・パンダの後継モデルになると騒がれている。
フィアットトップのオリヴィエール・フランソワがこの計画を最初に知ったのは4年前。当時は「CC4(=シティー・カー、第4世代目)」というコードネームが付与されていた。
ミニマリズムなデザインに基づきながらもシティーカーとしてクールなルックスを保ちつつ、厳しい排ガス規制に適合できない場合の罰金を避けるためにFCAグループが打ち出した電動化計画にそったモデルだ。
「フィアット特有のエッセンスを実現すると同時に、排ガス規制に課せられる罰金を回避し、電動化計画の一旦を担うことがこのクルマを後押ししています」とフランソワは語る。
「このクルマが情熱を持って開発されたのを知っているため、わたしはエッセンスを優先したいと考えています」
フィアット創立120周年を記念して名付けられたコンセプト・チェントヴェンティは、FCAグループが新たに開発したEV専用プラットフォームを用いて開発されるだろう。
来年のジュネーブ・モーターショーでの発表が予定されている次期500の電気自動車版はこのプラットフォームを採用するとみられる。フランソワもこれら2車種がプラットフォームを共有することはあり得るが、確定ではないと話した。
5分で装着可 追加バッテリー
全長3680mm、全高1527mm、全幅1846mmのチェントヴェンティはカスタマイズ性やアップグレード性を重視するとみられる。ベースとなる形は約100kmの航続距離を持つバッテリーを搭載することをフィアットは提案している。
床下には3つ、運転席の真下には1つ搭載できるバッテリーを追加で購入、またはレンタル利用することが可能で、航続距離を最大で約500kmまで伸ばすことができる。これらバッテリーの搭載はガレージ内で行なったとして、たったの5分で可能だとしている。
通常のシートに加え、ベビーシートやラップトップ用テーブルなどの内装のオプションも展示されていた。内蔵されている10インチのディスプレイに加え、スマートフォンやタブレットを接続して併用することが想定されているが、従来的な20インチのデジタルダッシュボードも選択可能。
内装のみならず、4色のルーフやバンパー、ホイールキャップ、ラッピングなども用意し、カスタム性も非常に優れている。ルーフは脱着式で、そこからサンルーフやソフトトップ、ラゲッジラックなどの多種多様なオプションに変えることが可能となっている。
リアゲート下に装着されているディスプレイ用に50Wの電力を発電するソーラーパネルも搭載可能なオプションとして用意される。そのディスプレイはSNS経由で受け取ったメッセージや広告などを表示できるとしているが、停車時のみ表示する設計だという。
FCAグループ全体のパーツを担当するモパーも114種類のアクセサリーの生産を担当する。フィアットによれば、このクルマ自体がEコマースをベースとした新たなビジネスモデルになり得ると期待している。
最も安価なBEVへ
フランソワは、今回のコンセプトが量産まで90%の完成度に来ていると説明する。観音開きのドアはコストや重量などの問題で、より一般的なデザインに戻される可能性は否定できない。
このコンセプトの市販モデルが「市場で最も安いバッテリー搭載EV」になると話した。低価格を実現できたのも、航続距離を短くしたバッテリーをモジュール化したおかげだという。
現行のパンダは2011年のジュネーブ・モーターショーで披露された。だが、昨年12月にユーロNCAPで評価の星を1つも獲得できなかったなど、悪いニュースが目立っていた。
だがパンダは依然としてフィアットのベストセラー車種であり、イタリアでは特に人気だ。欧州では昨年だけで17万台も販売され、今年1月の登録台数も昨年比で上昇している。
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