筆者(伊丹孝裕)が長年携わっている仕事のひとつに、サーキットにおけるインストラクター業務があります。走行会や試乗会に参加される方々を先導したり、座学講習を受け持ったりするわけですが、その時に「タイヤを換えようと思っているのですが、なにがいいでしょう?」とアドバイスを求められることがしばしば。バイクがなんなのか、どんな走り方なのか、スキルはどれくらいなのか……と、想定すべきことはたくさんあり、本来であれば一概には答えられません。
タイヤそのものの性能もさることながら、ライダーの好みも多種多様ゆえ当然ですが、無条件にオススメできる数少ない例外として、ピレリのハイグリップラジアルがあります。始まりは、2007年に登場した「ディアブロスーパーコルサV1」からでしょう。国産タイヤが圧倒的に優位と思われていた中、イベントレースはもちろん、全日本ロードレースでも着々と好成績を残し、しかも扱いやすいことで瞬く間にシェアを拡大。その後、「ディアブロスーパーコルサV2」、同「V3」へとアップデートされ、今に至ります。
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そんなハイパフォーマンスタイヤが、このほど「ディアブロスーパーコルサV4」へと進化。その性能の一端をフィリップアイランド(オーストラリア)で体感できたため、報告しておきましょう。
今回テストすることができたのは、「ディアブロスーパーコルサV4 SC」(以下、V4 SC)と呼ばれるレーススペックタイヤです。イベントレースでの勝利やベストタイム更新用とも言える性能が与えられ、SC1/SC2/SC3という3種類のコンパウンドをフロントとリアそれぞれにラインナップ。グリップを重視するか、耐久性を重視するかなど、用途やシチュエーションに応じて使い分けられるようになっています。
ピットに用意されていたのは、前後に「V4 SC1」を装着した「BMW S 1000 RR」でした。このコンパウンドはグリップ力が最も高く、またきれいに整った路面で性能を発揮するタイプで、SBK(世界スーパーバイク選手権)やMotoGPも開催されるフィリップアイランドとの相性を踏まえて選択されたもの。もちろん、タイヤウォーマーがしっかり巻かれ、エア圧もきちんと管理された状態で走り出すことができました。
ところで、フィリップアイランドがどういうサーキットか。レース中継でご覧になったことがある読者もいらっしゃるでしょうが、今時ちょっと珍しいくらい、どこもかしこもスロットル開け開けの度胸試しコースになっています。SBKマシンならアベレージスピードが180km/hに達し(鈴鹿サーキットにおけるJSBマシンが160km/h台)、メインストレートの最高速は330km/hを超えるため、初見での全開は避けたいレイアウトながら、「S 1000 RR」に元来備わるスタビリティを「V4 SC1」がさらに引き上げ、路面に張りつくように直進していくのです。
オンザレールという表現がまったく大げさではなく、それでいて1コーナーにアプローチするための微妙なライン修正を許容。安定性と自由度が極めて高いレベルで両立していることが分かり、ペースとリズムを掴むのにそれほど時間を要しませんでした。
歴代の「ディアブロスーパーコルサ」シリーズに一貫しているのは、体に伝わってくる確実な接地感です。不特定多数のライダーにピレリを薦めるのもそれが理由で、タイヤが路面をがっちりと掴んでくれている感触が濃厚なため、どんな場面でも安心してスロットルを開けていけるのが良いところ。グリップ力は高くとも、それが分かりづらいタイヤは決して珍しくないのですが、ピレリにはその希薄さがありません。当たりの柔らかさと、かっちりとした剛性感がバランスし、ひたすら走行ラインに集中することができました。
フィリップアイランドは、200km/h超で飛び込むコーナーがいくつもあり、一度旋回し始めると車体を寝かしっぱなしにする時間も長め。したがって、タイヤからのインフォメーションが少なければとても走れたものじゃないのですが、それを確実にアシストしてくれるのが「V4 SC1」の安心感です。
コーナーの進入からクリッピングまではフロントタイヤのスタビリティが、そこから立ち上がる時はリアタイヤのトラクションがバイクのパフォーマンスを最大限に引き出し、コーナリングスピードがどんどん上昇。タイムもさることながら、なによりライディングの質を高めてくれるタイヤと言えるでしょう。
さて、ここまではサーキットに特化した内容でした。実際、「V4 SC1」(SC2とSC3も含む)は、そうしたステージでタイムを削るために進化を遂げたわけですが、「V4」にはもうひとつのグレードがあります。それが「ディアブロスーパーコルサV4 SP」で、こちらは公道走行も想定し、コンパウンドの配合やそのレイアウト、耐摩耗性を最適化。温度に対する依存度を低くし、走るステージやライダーのスキルに幅を持たせているのが特徴です。
レース参戦やタイムアップを狙うなら「V4 SC1/2/3」シリーズ、公道とサーキットのスポーツ走行の両方を楽しむなら「V4 SP」という棲み分けがなされ、どちらを選択するかはユーザー次第。いずれの場合も高い接地感は保障されていますから、自信を持ってオススメすることができます。
また、このタイヤは排気量1000ccや600ccクラスのスーパースポーツに限ったものではありません。リアタイヤには、140/70ZR17、150/60ZR17といったサイズもラインナップし、250ccや400ccクラスのスポーツバイクにも対応。そのハンドリングを幅広いモデルで体感できるところも魅力です。
ハイグリップラジアルによって、バイクがいかに変わるのか。すでにそれをよく知るライダーも、初めてのライダーも、ぜひこの新しい「ディアブロスーパーコルサV4」をお試しください。
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