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従来の「給油時間」へ最接近 ポルシェ・タイカン 改良版の試作車へ試乗(2) 2t切りは期待できない

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従来の「給油時間」へ最接近 ポルシェ・タイカン 改良版の試作車へ試乗(2) 2t切りは期待できない

高速走行・高速充電 従来の給油時間へ最も接近

300kW台で充電可能な充電器は、まだ数が少ない。それでも短時間での充電は、長距離ユーザーにとって、大きな変革になることは間違いない。ポルシェ・タイカンのアップデートを率いたケビン・ギーク氏は、所有する訴求力の強化になると指摘する。

【画像】事実上「まったく新しい」 ポルシェ・タイカン 競合クラスのEVサルーンと比較 全149枚

「高速走行・高速充電。これが、お客様にとって自動車を使いやすく便利にする組み合わせだと考えます。内燃エンジン車の給油へ必要な時間と、常に比較されるのです」

充電ステーションへ到着した時の駆動用バッテリーは、残量6%だった。だが14分後に、80%へ回復してみせた。正直なところ、隣のカフェへ立ち寄る暇はなかった。

市場に存在するバッテリーEVの中で、アップデート後のタイカンが、従来の給油時間へ最も接近したことは明らかだろう。いよいよ、内燃エンジン車より目的地まで高速・短時間に移動できる可能性が出てきた。

ポルシェは、充電ステーションのマッピングサービスも改善した。事前に稼働している充電器の数を確かめられたり、付近の写真を確認したり、駆動用バッテリーの温度を最適化することが可能だという。近くにあるレストラン情報も確かめられる。

独自の急速充電ステーション網を展開する、アメリカの自動車メーカーへ影響を受けたのか、とギークへ尋ねる。「テスラが理由ではありません。お客様から、充電器の場所がわかりにくいという声があったのです。それを簡単にすることが目的でした」

軽くない車重という避けられない足かせ

日常的な利便性だけでなく、優れたタイカンは、優れたポルシェであるべき。使い勝手の良いバッテリーEVなだけでなく、魅力的なスポーツカーとしての期待にも応える必要がある。

心配は不要かもしれない。新しいタイカン・ターボSは、最高出力が開放されるオーバーブースト・モード時に952psを発揮。リマックも焦らせる、0-100km/h加速2.4秒がうたわれる。

ニュルブルクリンクのラップタイムを更新した、一層高性能なターボGTも控えている。こちらは1000馬力を軽く超えるらしい。猛烈なスタートダッシュに悶える様子の動画が、ユーチューブへ無数にアップされる日も遠くない。

上質な乗り心地を求めて、アップデート後のタイカンにはエアサスペンションが標準装備。旋回時のロールや、加減速時のピッチなどをほぼ打ち消す、アクティブライド・システムもオプションで用意される。

カリフォルニア州の高速道路では、磨かれた動的能力や安定性を、つぶさに確認することはできなかった。しかし、従来のタイカンが最高の操縦性を叶えたバッテリーEVであることは、AUTOCARでは確認済み。期待を裏切る可能性は、極めて低いだろう。

ただし、車重という避けられない足かせを、ギークは認める。「大きなバッテリーを搭載することで、車重は増えます。ポルシェにとって、求める姿とはいえません」

「わたしたちは、機敏なスポーツカーを望んでいます。車重には、批判的な視点を持つことがとても大切だと考えます」

2tを切るタイカンは期待できない

アップデート後のタイカンは、クロスオーバー・ワゴンのクロスツーリスモで約2300kg。航続距離や最高出力、装備水準を高めつつ、15kgも軽量化された。車重へ腐心した結果といえる。

バッテリーEVの設計に対し、ギークが続ける。「1g毎に戦いです。120kWhや150kWhという容量のバッテリーを積んだライバルが、市場に登場しています。長く走れても、重りを載せて運転しているのと同じです」

「車重が増えると、強力なブレーキも必要です。さらに車重が増え、衝突構造も強化しなければならず、悪循環になります」

この事実を踏まえ、2tを切るタイカンは期待できないと、ギークは認める。「現在の技術では不可能です。カーボンファイバーを多用すれば可能でも、それでは一層特別なクルマになってしまいます。上質さの問題も出てきます」

簡素なインテリアだったら、中国市場でスポーティな高級車としての地位は確立できないだろう。他の市場でも。少し内容が膨らんだが、約6時間、こんな会話が続いた。

「最終的には、できないことはないでしょう。しかし、できることがすべて意味を持つとも限りません。慎重に見極める必要があります。今後数年間、その市場が存在するのかどうかも」

ポルシェは、2024年にタイカンを広範囲にアップデートした。だが2019年にも、当時のバッテリーEV市場を正確に読み、需要を予想し、結果へ結びつけてきた。

長く続くモデルラインとして維持する

最後に、仕事が完了したと喜ぶには、まだまだ早いことを強く滲ませた。「長く続くモデルラインとして維持することへ、強い関心を寄せています。911のように。新モデルの導入時は、3年や4年だけの提供を考えてはいません」

数週間以内に、プロトタイプではないアップデート後のタイカンを、AUTOCARでは運転できるだろう。混沌とし競争の激しいカテゴリーで、プレゼンスを維持できる内容なのか、見極められるはず。

期待を膨らませつつ、ロサンゼルスへの帰路へ着く。途中でもう1度充電する必要があるようだが、充電器の近くに評価4.2星の中華レストランがあることを、タイカンは教えてくれた。

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みんなのコメント

28件
  • kz0********
    ポルシェタイカン、重さだけでなく値段も超重量級。
  • dec********
    そりゃ1トン超えの電池積めば燃費悪いエンジンスポーツ車より
    航続距離も勝るだろうよ・・・。
    電気自動車って最新なフリしてるけど何一つ「技術革新」と
    呼べるものを感じないんだよな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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