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無意味な区分けが邪魔をして大きくできない! 日本の小型車がさいなまれる「5ナンバーの呪縛」

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無意味な区分けが邪魔をして大きくできない! 日本の小型車がさいなまれる「5ナンバーの呪縛」

 この記事をまとめると

■かつては5ナンバーだったモデルが新型車で3ナンバー化している

乗るたびに惚れ直す! けっして高額じゃないのに内装がオシャレすぎる軽&コンパクトカー5選

■グローバルでの販売面でも衝突安全基準の面でもボディをワイド化したほうが有利になる

■小型車規格改正から50年以上が経過しており、5ナンバーの規格改正をしてもいい頃合いだ

 50年以上前の規定に合わせてボディサイズが制限されている

 トヨタ・ノア&ヴォクシーの次期型が2022年1月13日に正式発売されたが、次期型は現行型の一部車種に設定されていた3ナンバー仕様より全幅が5mm狭くなるものの、全車3ナンバーサイズとなる。2022年1月7日にジャパンプレミアされる次期ホンダ・ステップワゴンも全車3ナンバーサイズになるとのこと。トヨタ・カローラも、現行型ではセダンやステーションワゴン(ツーリング)は、3ナンバーワイドボディをシリーズ初採用している(スポーツも3ナンバーサイズ)。

 日本では5ナンバーと3ナンバーがあるのに、いまや5ナンバーサイズ車はマイノリティ化してしまっている。そこで筆者としては、軽自動車が度重なる規格拡大を行ってきたように、全幅を現状の1700mm未満から1750mm未満へ規格拡大させてみてはどうかと考える。

 いまどき「5」だの「3」だのとナンバーの数字を気にする人はいないと思う人もいるかもしれないが、「えっ3ナンバーなの?」と購入に二の足を踏む人もいまだに少なくないはず。折しも、メインシリーズは5ナンバーサイズとなるものの、3ナンバーワイドボディを採用する派生モデルとなるオーラの人気も高いコンパクトハッチバックの日産ノートシリーズが、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでコンパクトカーも注目されていることもあるし、5ナンバーの規格改定を是非とも行ってみてはいかがだろうか?

 1955年1月に純国産乗用車として初代クラウンがデビューしているが、デビュー当初は1.5リッター4気筒エンジンを搭載していた。これは当時の規格では搭載エンジンが1.5リッターを超えると3ナンバーとなっていたため。その後、1960年に小型車の規格変更が行われ、5ナンバーの上限排気量が2リッター以下となり、ボディ寸法も全長4300mm未満×全幅1600mm未満×全高2000mm未満から、全長4700mm未満×全幅1700mm未満×全高2000mm未満へ拡大され、初代クラウンもボディサイズの拡大と排気量も1900ccへアップされている。

 つまり、1960年に改正されるまでは、いまではボディサイズを満たしていれば5ナンバーとなる1.6リッターや1.8リッターなどのエンジン搭載車であっても3ナンバー車となっていたのである。

 グローバルで販売されるモデルのボディワイド化は必須

 別に単にゴージャスに見せるために3ナンバーサイズ化しているわけではない。衝突安全基準などを満たすのに必要なボディ設計をすると、全幅は1700mm以上あったほうがいいということでワイド化しているのである。それなのに、スズキ・スイフトはスイフトスポーツを除けば、国内仕様だけ5ナンバーサイズとなっているし、カローラセダンとツーリングは、3ナンバーボディには変わりはないのだが、日本仕様はグローバルボディに比べるとナローボディになっている。

 たかが50mm程度の全幅アップで何が変わるのかという話もあるかもしれないが、クルマの世界での50mm差というのはかなり大きい。仮に全幅が拡大すれば、走行安定性が高まり、より安全運転も可能となり、疲労も少なくなる。ボディサイズアップによるメリットも大きいはずであるし、日本のコンパクトカーが海外でいまひとつ精彩を欠くのは、「5ナンバーという呪縛」のようなものが邪魔しているように見えてならない。

 今回、ノア&ヴォクシーやステップワゴンがモデルチェンジにより、本格3ナンバーサイズ化するのは、日本だけでなく海外市場も重視してのものと考えている。

 欧州ではスライドドアを採用する背の高い、ボックス型ミニバン(とくにアジア的押し出しの強い顔つきを持つモデル)はなかなか受け入れられないし、ミニバン発祥国ともされるアメリカでは、いまやミニバンは生活臭が強すぎるとして敬遠されがちとなっている。

 しかし、東南アジアや中国など、アジアをメインとした新興国やロシアなどでは人気が高いので(一部地域では、一部車種が正規販売されているが、日本から中古車として輸出されるほど人気が高い)、より本格的に世界で販売していくためもあり、3ナンバーサイズを採用する流れは自然なものともいえるのである。

 そもそも小型車の規格改正から、50年以上そのまま放置されているのもおかしい。規格改正したくないというならば、以前の韓国のようにナンバープレートサイズの変更(欧州規格の横長なものなど)も含め抜本的に改めれば、新車販売市場への良い刺激(新しいサイズのナンバープレートのついた新車に乗りたいと、ある意味特需が起きる)になるだろう。それでも、消費者メリットを考えると、5ナンバー車規格改正のほうが、筆者としては「イチ押し」と考えている。

 とにかく、このまま5ナンバーと3ナンバーの区分を形骸化させていくのは、何かもったいない気がしてならない。

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みんなのコメント

236件
  • オバちゃんが狭い道に入り込んだら身動き取れなくなるのを予め防止するために車幅限界として5ナンバーは拡大しないほうが良いと思う。
  • ウチみたいな狭いスペースのガレージでは、その50mmが大きいんよなぁ…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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