11月2日、渋谷駅近くにあるcafe 1886 at BoschにおいてBosch eBike Systems の記者発表会が開催された。午後からは代々木公園に移動して体験試乗会も。新しくプレミアムな電動アシストサイクルの数々を披露。それらは従来のイメージを変える魅力を発揮した。(REPORT:近田茂)
簡単に復習しておくと電動アシストサイクルとは、モーターの動力が人力を補助してペダリングを楽にしてくれる。電チャリとも呼び親しまれ、今や自転車出荷台数の3~4割近くをそれが占めるに至っている。ポイントは人がペダルを漕がなければ走らない。それゆえ自転車と同じ扱いが許容され大きな人気を獲得した。発端は1993年に登場したヤマハのPAS 。他企業の参入も呼び、ヤマハのユニットは世界中にOEM 供給されている。日本における電チャリを振り返るとママチャリの普及と共に歩んで来た歴史がある。今では子供を乗せられる低くて長い車両タイプが目立つが、あくまで実用的な移動道具として人気を獲得してきたわけだ。ヤマハPAS に対して同社がYPJ ブランドを立ち上げたのと同様、今電チャリの世界にも変革の波が訪れている。簡単に言うと実用車ではなく、スポーツ感覚で走りや移動を楽しむ事へ、オシャレなライフスタイルへの提案が既に多く芽吹きだした。今回発表されたボッシュのe-Bike戦略もまさに、従来の電チャリとは異なる走りの気持ちよさと新たな自転車ライフを提案する上で新風を巻き起こそうとしているのだ。発表会の質疑応答でも、既存の電チャリと何が違うのか?と言う、報道陣の質問に対して「ともかく試乗してみて下さい」と回答。そこには従来の電チャリとは異なるパフォーマンスと楽しさを秘める自信の程を伺わせる口振りが印象的だった。また発表会に同席したのはTREK、Bianchi、 corratec、ternの4社。世界の有名ブランドが顔を揃えボッシュから供給を受けるe-Bike Systems搭載の日本向け新製品を披露した。e-Bike Systems搭載車の価格帯はざっくり20万円以上。電チャリの実勢価格は10万円前後、高級タイプでも14万円程度だから、2~3倍のプレミアム商品で勝負に出る戦略。電チャリに限らず、自転車に対する価値観はまさに人それぞれ。マニアから見れば高くはないのかもしれない。いずれにせよ、新しいカテゴリーの投入で、日本の電チャリ市場が一気に華やぐことは間違いなさそうだ。
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