レクサスが旗艦サルーン「LS」の商品改良を図って発売。フラッグシップとしてのたゆまぬ進化に最新の高度運転支援技術「Advanced Drive」の採用などを敢行
トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは11月19日、フラッグシップセダンの「LS」をマイナーチェンジし、同日より発売した。なお、高速道路などの自動車専用道路での運転において車載システムが車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを支援する高度運転支援技術「Advanced Drive」搭載車は2021年のリリースを予定する。
レクサスISがマイナーチェンジ。Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする世界各地で走り込み、走行性能を徹底的に鍛え上げる
車種展開は以下の通り。
■LS500
LS500“I package”:2WD1073万円/AWD1114万円
LS500“F SPORT”:2WD1234万円/AWD1244万円
LS500“version L”:2WD1345万円/AWD1386万円
LS500“EXECUTIVE” :2WD1539万円/AWD1580万円
■LS500h
LS500h“I package”:2WD1219万円/AWD1260万円
LS500h“F SPORT”:2WD1351万円/AWD1392万円
LS500h“version L”:2WD1493万円/AWD1534万円
LS500h“EXECUTIVE” :2WD1687万円/AWD1728万円
今回の商品改良は、レクサス独自の乗り味である“Lexus Driving Signature”の深化を目指し、DNAである静粛性と乗り心地の大幅な向上を追求。具体的には、パワートレインやサスペンションの改良から、“月の道”という神秘的な情景をモチーフに据えた内外装の演出など、細部に至るまで徹底的な作り込みを実施し、合わせて人の感性に寄り添った最新の高度運転支援技術「Lexus Teammate」を採用したことが特徴である。
まずエクステリアでは、ハイライトの美しい輝きと奥行きを感じさせる深い陰影感を持ったシルバーの外板色「銀影(ぎんえい)ラスター」を新規に開発したことがトピックだ。光輝材(アルミフレーク)を含んだ塗料の体積を凝縮させる「ソニック工法」を応用し、アルミ蒸着を高密度で敷き詰める最新の塗装技術を導入。鏡面のように粒子感をほとんど感じさせない滑らかな質感で、周囲の僅かな光も繊細にとらえ、時の移ろいや変化に呼応して様々な表情を見せる特別なシルバーに仕上げる。さらに、希少金属のイリジウムからインスピレーションを得た、普遍的な金属質感の美しさを追求した高輝度シルバーのソニックイリジウムも新規に設定した。
外装パーツの一部変更も図り、縦基調のキャラクターラインを配したフロントバンパーコーナー部やメッキモールがサイドまで回り込むフロントバンパー下端、新意匠の小型3眼ランプユニットとL字を際立たせたクリアランスランプおよびその下に配置したブレードスキャンAHS(アダプティブハイビームシステム)、内部のメッキモールをピアノブラックに変更した新リアコンビネーションランプなどを採用する。また、“F SPORT”はサブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることでワイドなスタンスを強調し、合わせて専用色のスピンドルグリルや新造形の20インチアルミホイール(ブラックスパッタリング塗装)などを組み込んでスポーティなイメージをいっそう際立たせた。
内包するインテリアは、オーナメントに西陣&プラチナ箔を新規設定し、西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きにより月明りに照らされた波の揺らぎによる「月の道」を表現したことが訴求点となる。また、ステアリングとセンターコンソールのスイッチ類を黒で統一し、視認性を向上させるとともに端正な印象を演出。さらに、使用頻度の高いシートヒーターやステアリングヒーターの操作画面を表示するスイッチをセンターコンソールに追加することで、操作性を向上させた。マルチメディアシステムも進化し、新たにタッチディスプレイを採用するとともに、SmartDeviceLinkおよびApple CarPlay/Android Autoに対応させる。また、iPhoneやAndroidスマートフォンを12.3インチタッチワイドディスプレイに連携することで、画面操作や音声操作が可能になるなど利便性をいっそう高めた。一方、シートについては表皮の縫い位置をより深い位置に変更するとともに、ウレタンパッドに低反発素材を新採用。振動吸収と柔らかな座り心地により、快適性をさらに向上させた。
パワーユニットに関しては、LS500に搭載するV35A-FTS型3444cc・V型6気筒DOHC・D-4STインタークーラー付ツインターボエンジンに改良を施す。まず、電動駆動方式で過給圧を制御するウェイストゲートバルブのバルブ開度を緻密に制御し、アクセル操作に対して発生するエンジントルクの精度を高めて加速レスポンスを向上。また、燃焼室形状の最適化により燃焼効率を高め、さらにコンロッド形状の最適化やクランクシャフトのクランクピン径を拡大することで軽量化と剛性向上による優れた静粛性を両立させた。可変バルブタイミング機構(VVT)を油圧制御化して軽量化を図るとともに、オイルコントロールバルブをVVT内部に配置するセンタースプール構造で油路を短縮することで、応答性の引き上げを果たしたこともアピールポイントである。スペック面では最高出力422ps/6000rpm、最大トルク61.2kg・m/1600~4800rpmを発生し、トランスミッションにはギア段を維持したまま加速できる領域を拡げることでシフトダウン頻度を低減した改良版のDirect Shift-10AT(電子制御10速オートマチック)を組み合わせた。一方、LS500hに搭載する8GR-FXS型3456cc・V型6気筒DOHC・D-4Sエンジン(299ps/36.3kg・m)+2NM型モーター(132kW/300Nm)+リチウムイオン電池+マルチステージハイブリッドトランスミッション(電気式無段変速機)は、使用頻度の高い走行領域における加速時のバッテリーアシスト量を増加させることで、より余裕のある加速を実現している。
足回りについては、AVSソレノイドを新規に開発して減衰力を低減するとともに、ランフラットタイヤの縦バネ剛性とスタビライザーバーの剛性を最適化。また、エンジンマウント内のオリフィスを刷新することで減衰特性の変更を行い、室内に伝わる振動を低減させる。さらに、2WD(FR)車のフロントサスペンションの高強度アルミ鍛造アームへの変更や、タイヤの質量低減によるばね下質量の約3.5kgの軽量化などを行い、路面からの入力をボディへ伝わりにくくすることで乗り心地をいっそう向上させた。
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