現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 今秋登場の新型クラウンスポーツは国産ライバルSUVをぶち抜いて王座に君臨できるのか?

ここから本文です

今秋登場の新型クラウンスポーツは国産ライバルSUVをぶち抜いて王座に君臨できるのか?

掲載 94
今秋登場の新型クラウンスポーツは国産ライバルSUVをぶち抜いて王座に君臨できるのか?

 今秋発表とされている新型クラウンスポーツに期待が集まっている。プロトタイプカーのプチ試乗会では、(開発途中だったことや、チョイノリ程度しかできなかったことなどで、すべての性能を味わうことができなかったのだが)そのポテンシャルの片鱗を感じることができたが、ここまでの実力をもつモデルが、「クラウン」というブランドを引っさげて登場するとなると、ライバルにあたるモデルたちは、戦々恐々としていることだろう。

 ただ、それらライバルたちだって実力の程は非常に高い。はたして新型クラウンスポーツは国産ライバルSUVをぶち抜いて王座に君臨できるのか!?? 新型クラウンスポーツのライバルと考えられるモデルを4車種ピックアップし、新型クラウンスポーツとの差を考えてみよう。

今秋登場の新型クラウンスポーツは国産ライバルSUVをぶち抜いて王座に君臨できるのか?

文:吉川賢一
写真:TOYOTA、LEXUS、MAZDA、MITSUBISHI、ベストカー編集部

リアデザインの秀逸ぶりにはうっとり 走りも十分に期待できる!!

 新型クラウンスポーツのデザインで特に印象的なのは、テールランプを中心とした後ろ姿だ。クラウンクロスオーバーよりも40mmワイド化された全幅や、大きく盛り上がった筋肉質なリアフェンダー、横長のテールランプ、左右のエアアウトレット風の縦スリッド、そしてブラックアウトしたリアアンダーディフューザーなど、実物は写真よりも遥かにカッコいい。インテリアは、基本的にはクラウンクロスオーバーと同じだが、艶消しレッドのトリムパーツが施されており(おそらくオプション設定)、色気と艶やかさがクロスオーバーよりもはるかに増している。

 走りの性能については、(冒頭でも触れたように)ショートサーキットをチョイ乗り程度しかしていないので、乗り心地やノイズといった質感などは把握できていないが、クラウンクロスオーバーよりもクイックに曲がる印象が強く、しかもしなやかな足の動きが好印象で、ポテンシャルの高さの片鱗は、しっかりと感じられた。

 ただ、高額となるであろう車両価格は気になるところ。ハイブリッド車は435万~570万円、プラグインハイブリッド車が、ハリアーPHEV(620万円)とレクサスNX PHEV(725万円)の間となる670万円と予測しているが、やはり、上級グレードのほうがクラウンらしさを存分に味わえると思われるため、700万円超は覚悟する必要がある。

新型クラウンスポーツの予想価格は、ハイブリッド車が435万~570万円、プラグインハイブリッド車が、ハリアーPHEV(620万円)とレクサスNX PHEV(725万円)の間となる670万円か

[usedcar-search brand_cd="1010" body_cd="6,11" car_cd="10101004" keyword="クラウン" limit=30]

ライバルとなるのは、ハリアー、NX、CX-60、アウトランダーPHEVか!??

 この新型クラウンスポーツとライバルとなる国産モデルは、ジャンルや価格帯、パワートレインなどを考慮すると、「トヨタ ハリアー」「レクサスNX」「三菱アウトランダーPHEV」「マツダCX-60」あたりだろう。

 ハリアーの強みは、全てが「ちょうどよい上質感」となっていることだ。シンプルながらもエレガントさと逞しさが融合した流麗なクーペフォルムは、まさに日本人好みのデザイン。インテリアの質感も高く、乗り心地も絶妙で、重厚感としなやかさを併せもった乗り味が心地よい。また徹底したNVH対策が施されており、それがまたハリアーの上質感を底上げしている。

 CX-60は、直4ガソリン、直6ディーゼル、直6ディーゼル+48Vマイルドハイブリッド、さらには直4ガソリンPHEVまで揃えているという、トヨタとガチンコ戦う姿勢を見せている点が非常に頼もしい。また、3.3L直6ディーゼルのWLTCモード燃費は19.8km/L(XD 2WD)、直6ディーゼル+48Vマイルドハイブリッドは21.0km/Lにもなるという驚異の燃費性能は、CX-60の最大の魅力。インテリアの質感も、上級グレードのプレミアムとなれば高く、タンカラーとスウェード素材を用いた内装は、特に「映える」仕様だ。

ハリアーのボディサイズは、4740×1855×1660(全長×全幅×全高)mm。ぎりぎり大きすぎない、ちょうどよいサイズ感に収まっていることが魅力のひとつ

CX-60の魅力のひとつが燃費だ。3.3L直6ディーゼルのWLTCモード燃費は19.8km/L(XD 2WD)、直6ディーゼル+48Vマイルドハイブリッドは21.0km/Lにもなる

 レクサスNXは、すべてにおいて完成度が高く、インテリアについては「流石はレクサス!!」と唸りたくなるほど、清潔感に溢れた高品質なデザイン。もちろん走行性能の高さは折り紙付きで、最量販グレードの350hを中心に、多種あるパワートレインどれを取っても魅力的だ。アウトランダーPHEVは走行性能の高さが魅力だ。先代から踏襲するツインモーター4WDに加えて、4駆制御のS-AWCにブレーキ制御も追加されるなど、悪路走破性から一般道のコーナリングシーンも抜群の性能を誇り、「堅牢感」というフレーズが最も似合うモデルだ。

先代NXよりも、ボディサイズは若干大きくなったが、スタイリングはほぼキープコンセプトとなった、現行NX

お馴染みとなったダイナミックシールドのフロントフェイス。広く浸透してはいるが、好き嫌いが分かれるフェイスデザインだけに、マイチェンなどで変更となるのか注目だ

 どのモデルも完成度が高く、欠点を探すのは難しいのだが、強いて挙げるならば、ハリアーは、後席のヘッドスペース周りの閉塞感があり、後席居住性が若干劣るし、NXは、国産ライバルよりもおよそ100万円は高い価格設定が難点。またCX-60は、硬さの目立つ乗り心地がすこし気になるし、アウトランダーPHEVは、国内で三菱ブランドの人気が低いのが弱点といえる。

 価格については、ひときわ高価なNXが、455万円(2.5Lガソリン)~753万円(PHEV)で、その他は、ハリアーが318万円(ガソリン車)~620万円(PHEV)、CX-60が299万円(2.5Lガソリン)~626万円(PHEV)、アウトランダーPHEVが484万円~570万円となる。クラウンスポーツのPHEVは、おそらく670万円程になるはずで、PHEVの比較となれば、アウトランダーPHEVの安さが光る。

新型クラウンスポーツは、今後の国産高級SUV界隈のベンチマークになる!!

 これらライバルたちと新型クラウンスポーツを比較したとき、ハリアーについては、ベーシックなガソリン仕様の出来がよく、400万円前後の予算で手に入れるには最適だ。ただし、上級のPHEVとなると、内装の上質感や走りの余裕といった面で、新型クラウンスポーツに分がある。デザインに関しては、好みで左右されることなので優劣がつけにくいが、「新鮮さ」という意味では、新型クラウンスポーツが勝るだろう。

 CX-60については、国産車には珍しくデザインに威厳があり、加えて内装のしつらえも見事な出来だ。さらには直6+後輪駆動(ベースの4WD)という世界のラグジュアリーSUVの法則に則っている点は、新型クラウンスポーツは敵わない(クラウンスポーツはFFベースのフロント横置き、かつ直4エンジン+モーター)。動力性能や走りに関しては、公道での新型クラウンスポーツ試乗の上で決着をつけたいと思う。

 NXは、レクサスブランドということもあり、外装のデザインや内装の上質さという面で、新型クラウンスポーツはまだ敵わないように見える。ただし、走行性能や動力性能は、両車、似通ったものがあるように思う。前述したようにNXのほうが100万円近く高くなる(PHEV仕様の場合)と考えられるが、近しい動的パフォーマンスであるのならば、新型クラウンスポーツのほうが「買い」といえるのではないだろうか。

 アウトランダーPHEVについては、コスパという面では新型クラウンスポーツは敵わないが、新型クラウンスポーツには、アウトランダーPHEVにはない「歴史や伝統」といったクラウンブランドがある。500万円オーバーの上級PHEVを購入されるような方にとっては、パフォーマンスと同等以上に、こうしたバックボーンにも注目するはずで、新型クラウンスポーツの方を選ぶ方が多いと思われる。

◆     ◆     ◆

 このように、ライバルとの性能比較では一長一短であり、販売台数合戦を予想するのは難しい。ただ新型クラウンスポーツは、走行性能の高さはもちろんのこと、デザインや伝統といった全ての面で、注目される存在となるのは間違いなく、今後の国産高級SUV界隈のベンチマークになっていくことだろう。新型クラウンシリーズ4バリエーションのなかで最量販になるのでは、との声も多い新型クラウンスポーツ。登場が待ちきれない!! 

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE

みんなのコメント

94件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村