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べントレー コンチネンタル スーパースポーツ コンバーチブルは戦前から続くブランドのDNAを色濃く感じさせた【10年ひと昔の新車】

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べントレー コンチネンタル スーパースポーツ コンバーチブルは戦前から続くブランドのDNAを色濃く感じさせた【10年ひと昔の新車】

2010年2月、べントレー コンチネンタルに4シーターオープンモデル「スーパースポーツ コンバーチブル」が登場した。クーペのGT、ドロップヘッドのGTC、4ドアのフライングスパーに続くシリーズとして誕生したスーパースポーツのオープンモデルに位置づけられる。Motor Magazine誌はさっそく欧州でこの最強のオープンモデルの試乗に成功、今回はその時の模様をお伝えしよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年9月号より)

戦前のスポーツベントレーを彷彿とさせるパフォーマンス
2003年のショーデビュー以来、新生ベントレーの屋台骨を支えてきたコンチネンタルシリーズ。クーペのGTに始まり、4ドアのフライングスパー、そしてドロップヘッドのGTCなど、そのバリエーションを次々と増やし、2007年には年産1万台突破という空前のベントレーブームを巻き起こした立役者である。

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昨年登場したシリーズ最新モデルがスーパースポーツで、戦前のスポーツベントレーを彷彿とさせるパフォーマンスが、英国車党のみならずスーパーカーファンをも驚かせた。

今回レポートするモデルは、そのGTC版、つまりドロップヘッドクーペと考えてもらえばいい。よって、肝となるスペックは、クーペ版スーパースポーツとほぼ同じ。すなわちE85対応630psエンジン、クイックシフトZF社製6速AT、前40:後60配分の4WD専用チューンの足回り、ESP、軽量カーボンインナーシート、軽量ワシマイヤー製鍛造ホイール、市販車最大のカーボンブレーキ、リアトレッド拡大(50mm)、ピレリ20インチ高性能タイヤといったあたりが特別なポイントで、もちろんエクステリアのモディファイもクーペ版のそれを引き継いでいる。

ちなみに日本市場では一般的ではないが、2011年モデルからコンチネンタルシリーズはすべてフレックスフューエルE85対応となった。ノーマルエンジンとの違いは、燃料クオリティセンサーやOリング、ガスケット、シール、パイプ、バルブコーテング、バルブシールなど多岐に及ぶが、ガソリン100%でも、15%のみの混合燃料であっても、当然、発揮される性能はまったく同じである。これによって「ウェルtoホイールでCO2をおよそ7割カットする」というのがベントレーの主張だ。

話をスーパースポーツ コンバーチブルに戻そう。では逆に、クーペ版との数少ない相違点も挙げておくと、もちろんフルオープンになることだが、それに伴って足回りのセッティングもいくぶんライドコンフォート寄りにチューンされている。

また、クーペ版は2シーターがウリだったが、こちらはフル4シーターだ。日本とアメリカ市場の要望でクーペ版でも望めば4シーターを選ぶこともできる(有償オプション)が、その際、カーボンシートは選べなかった。コンバーチブルでは4シーターではあるけれども、スパルコ製軽量カーボンシートが装備される。

いずれも、コンバーチブルモデルであることを意識した仕様設定と言っていい。ちなみに、クーペ版はGTスピード比110kgのダイエットに成功していたが、コンバーチブルでは80kgに留まった。重量の違いもまた、足回りのチューニング設定に影響を与えているのだろう。

変速スピードの違う6速ATで他のコンチ系とは異なる加速感
試乗してのファーストインプレッションは「適度に乗り心地のいいスーパースポーツ」というものだった。とくにクローズド状態で街中を走るといった場面では、クーペと遜色ないしっかり感とアジリティが楽しめ、わずかに乗り心地もクーペ版より勝っている。

結果、ソフトトップであることを物理的/精神的に許せる方で、スポーツ志向があり、割とオールマイティに使いたいならば、ベストチョイスのコンチネンタルだと思った。そういう人がどれだけいるか、定かではないのだけれど。

動き出した瞬間に感知するノーズの動きの俊敏さは、さすがにクーペに劣る。けれども、既存の他のグレードよりははっきりとスポーティ。GTCスピードとは雲泥の差だ。

アジリティそのものはクーペ版と遜色ない。ただ、オープンにしていると、上半身から上の剛性感がどうしても弱まるので、力みが抜けた印象を持つわけだ。実際はクーペ版とほぼ変わらぬハンドリングだろう。

加速フィールもまた、クーペ版より一歩「下がって」いるものの、他グレードを凌駕するものだった。トルクが低回転域から、文字通り溢れ出し、変速スピードの速い6速ATによって他のコンチ系とはまったく違う加速フィールを見せつける。クーペ版ではそれほど気にならなかった変速ショックも、オープン状態ではけっこう厳しく感じるから、やっぱりハードなセッティングだったと再認識。個人的にはコンバーチブルの性格を考えると、もう少しソフトな変速制御でもいいような気がした。

とはいえ、ハードに走らせたときの実力は、ベントレー史上、そして現代のオープンカー(ブガッティの特殊モデルを除く)の中で最速を誇るだけのことはある。サーキットで走らせても、おそらくはクーペ版に遜色ない動きを見せるだろう。そこには古えのベントレースポーツ、すべてオープンだったDNAが、間違いなく宿っていると思った。(文:西川 淳)

べントレー コンチネンタル スーパースポーツ コンバーチブル 主要諸元
●全長×全幅×全高:4804×1945×1388mm
●ホイールベース:2745mm 
●車両重量:2395kg
●エンジン:W12DOHCツインターボ
●排気量:5998cc●最高出力:463kW(630ps)/6000rpm
●最大トルク:800Nm(81.6kgm)/2000-4500rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●最高速:325km/h
●0→100km/h加速:4.2秒
※EU準拠

[ アルバム : べントレー コンチネンタル スーパースポーツ コンバーチブル はオリジナルサイトでご覧ください ]

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