■流麗フォルムの中身は「“ほぼ”シビック」!?
2023年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」でホンダが発表した「プレリュード コンセプト」は、今後市販化が予定されており、エクステリアデザインはほぼ市販型とのことですが、その他のインテリアやエンジンなどの詳細情報は未発表となっています。
かつては「デートカー」の代表格といわれていたプレリュードの復活ですが、市販版はどのようなキャラクターのクルマに仕上がるのでしょうか。
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開発コンセプトに「アンリミテッド・グライド」を掲げるプレリュード コンセプト(以下、新型プレリュード)は、低くワイドなプロポーションで大空を滑空するグライダーをイメージしているといいます。
主なターゲット層は、40-50代のX世代と、10-20代のZ世代。親世代と子供世代が一緒に移動するスペシャリティとして提案しています。
新型プレリュードのエクステリアで印象的なポイントは、長めのオーバーハングとコンパクトなキャビン、20インチ大径タイヤとブルーのブレンボブレーキです。
左右を繋ぐようなデザインのヘッドライトや、一文字のリアテールライト、その下に刻まれた“HONDA”と“PRELUDE”の文字など、スタイリッシュで非常におしゃれに仕上がっています。
また前後のバンパーには、ブルーの縦ラインがアクセントとして入れられており、電動スポーツカーであることを表しています。
リアトランクエンドには、カーボン柄の小さなリアスポイラーも。さながらスポーツ走行向けのオプションを装着した市販車のような仕上がりです。
2ドアクーペは現在の日本市場では敬遠されがちですが、そのスタイリングの美しさから、北米などの海外市場では今も根強い人気があるカテゴリ。特にホンダが愛されている北米市場では、ヒットしそうな予感です。
駆動方式は未発表ですが、JMS2023の際にホンダの担当者に取材したところ、この車両の開発担当エンジニアは「シビック」の担当者と同じとのこと。
開発ラインが同じということは、シビック同様に前輪駆動である可能性が高いでしょう。シビックの2ドア版といったところでしょうか。
コストを考えれば、パワートレインや内装パーツなどできるだけ共用化したいところであり、おそらく、現行シビックと同じ1.5リッター直4エンジン+モーターのハイブリッド「e:HEV(イーエイチイーブイ)」が用意されるのではないでしょうか。
ホンダは、2030年までに国内で販売するすべての新車を電動車にする方針を打ち出していますが、新型プレリュードが登場するのは2025年内とされており、まだガソリン車も間に合うタイミングともいえます。
もしかしたら、MT車を含む1.5リッター直4ガソリンターボエンジン車が設定される可能性もあるかもしれません。
■高性能版「プレリュード“タイプR」は存在するのか
気になるのが、高性能仕様「プレリュード“タイプR”の可能性」です。
海外のCGデザイナーたちの間では、予想CGも制作されていますが、筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)は「ない」と想像しています。
ホンダは“タイプR”を極めて特別なグレードと位置付けていて、これまでも安易に多くの車種で乱発するようなことはしていません。
現在の「シビック タイプR」を頂点とするスポーツモデルの系譜に、わざわざ横やりを入れるようなことはしないのではないでしょうか。
さしずめ、日産における古典的なFRスポーツ「フェアレディZ」と超本格スーパースポーツ「GT-R」のように、お互い不可侵な関係なのと近いように想像します。
ただ性能を向上させたスポーティバージョンとして、「タイプS」が登場するのは面白いかもしれません。
※ ※ ※
ホンダ関係者は、「(新型プレリュードは)現在は開発の最終段階に近いところに来ています。そう遠くないうちに市販する計画で進めていますので、楽しみにお待ちください」としています。
歴代のプレリュードは、大人の感性を魅了する洗練されたデザインと、卓越した走行性能を持たせたスポーツクーペとして開発されていました。
プレリュードと聞くと「デートカー」というキーワードを思い浮かべる人は多いでしょう。
しかしホンダはプレリュードをデートカーとしてつくったわけではなく、むしろ、そういった「軟派なイメージ」を返上しようと苦労してきた経緯があります。
ただ、新型プレリュードでは、「親と子がドライブに出かけるクルマ」として、デートカーをむしろ積極的に狙っているようにも感じられ、これに対して、市場の反響がどのように出るのかは非常に興味深いところです。
■「タイプR」の特別感は「プレリュード」にも適用できるのか!?
では、その次期プレリュードにタイプRが誕生する可能性はどれくらいあるのでしょうか。
筆者(河馬兎)は、その可能性は低いと考えます。理由はズバリ「シビック タイプRの存在」にあります。
シビック タイプRはここ3世代ほど、世界FF最速モデルの称号を争いながら進化を続けてきました。
その知名度は世界クラスとなり、日本国内はもちろんのこと、北米や欧州、アジア圏でも絶大な人気を誇るようになっています。
そして知名度が上がったことでファンも増え、より高く売れるようになるという、ビジネス的にも「おいしい」存在となりました。
すなわちホンダにとってタイプRの称号は、そうそう簡単には与えられない特別なブランドとなっているため、突然出てきた“新型”プレリュードに対し、いきなりタイプRが与えられることはちょっと考えにくいのです。
仮にスポーツグレードが設定されたとしても、せいぜい過去モデルにも存在した「タイプS」くらいに留まるのではないでしょうか。
ちなみに2024年1月に開催された「東京オートサロン2024」では、「シビック RS」プロトタイプが世界初公開となりました。
明らかにされたのは、6速マニュアルシフトの採用と、2024年秋に発売予定という程度でしたが、タイプRを頂点にしたヒエラルキーは相当高い、といった印象を受けます。
ホンダの広報担当者へ取材したところ、プレリュードコンセプトの開発担当エンジニアはシビックの担当者と同じとのこと。
このことから次期プレリュードは、シビックと同じ前輪駆動のスポーツハイブリッドになることが予測されます。
「プレリュードは現在、開発の最終段階に近いところに来ています。そう遠くないうちに市販する計画で進めていますので、楽しみにお待ちください」とのことでした。
※ ※ ※
日本で新型プレリュードが登場するのは、おそらく、2025年以降になることでしょう。
果たして新型プレリュードはどのような姿で登場するのか。そして、タイプSやRSのような展開はあるのか、今後が非常に楽しみです。
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みんなのコメント
結局何を復活させても「これじゃない」と難癖付けて
買わない(実質は買えない)人達ばかりだよね
このまま復活して350以下なら欲しいなと思うが400は超えるかな