■大人がしっかり座れて、荷物が積める機能的なコンパクトハッチバック
2019年の10月に、フォルクスワーゲンは第8世代となる新型「ゴルフ」を発表した。
新しいゴルフは、Car2X(クルマとインフラ施設や他車などとの通信)機能を備え、パワートレーンに5種類ものハイブリッドを用意。デジタル、コネクテッド、インテリジェントをキーワードに最新テクノロジーを数多く採用しているという。
そんな新型ゴルフの日本導入は、どうやら来年の2021年になると噂される。そこで、今回は、これまでのゴルフの歴史を振り返りつつ、ゴルフがなぜ、セグメントリーダーやベンチマークなどと呼ばれることになったのかを考えていきたい。
初代ゴルフが誕生したのは1974年のこと。いまに続くゴルフの伝統となる、ハッチバック(当時は「2ボックス」と呼ばれていた)のボディに水冷エンジンを搭載したフロントエンジン・フロント駆動(FF)を採用。ジウジアーロ率いるイタルデザインによる直線的なデザインは、当時としては非常に斬新なものであった。
ちなみにフォルクスワーゲンがゴルフを投入する前に主力としていたのは、空冷エンジンによるリアエンジン・リア駆動(RR)のキュートな「タイプ1」、通称ビートル。ビートルからゴルフという世代交代は、空冷から水冷、RRからFF、丸いデザインから直線基調へと劇的な変化となった。
そして、この初代ゴルフはすぐにヒットモデルとなる。デビューわずか22か月で累計販売台数50万台を記録し、その7か月後には100万台を突破。その後も順調に販売を伸ばし、現代に続くフォルクスワーゲンの大黒柱に成長することになったのだ。
では、最初のゴルフは何が素晴らしかったのだろうか。
まず、いえるのがパッケージングの良さだ。大人4人から5人が乗車し、荷物がしっかりと載りつつも、コンパクトと呼べるサイズに納めた。このサイズ感が絶妙に良かったのだ。
当時、欧州ではすでにハッチバックのFF車は、いくつもライバルとして存在していた。ただし、フランス車や英国車のハッチバックは、ゴルフよりも小さなモデルが中心であった。大柄なドイツ人としては、狭いと感じたはずだ。
一方、メルセデス・ベンツやBMW、オペルといったドイツ・ブランドは、当時FRのセダンが中心で、それらはゴルフよりも明らかに大きい。そういう意味で、ゴルフはちょうどよいサイズ感を持っていたのだ。
■高性能モデル「ゴルフGTI」の存在も大きかった
また、初代ゴルフは、1976年に高性能バージョンとなる「ゴルフGTI」を発表する。
この高性能モデルは当時、「ドイツのアウトバーンの追い越し車線を走ることのできる唯一のコンパクトカー」と呼ばれることになる。
当時のコンパクトなハッチバック車へといえば「廉価なのだから、走行性能もそこそこ」というのが常識だった。それをゴルフGTIは吹き飛ばしたのだ。
さらに1977年にはゴルフに1.5リッターのディーゼル・エンジンを搭載するモデルを追加した。これもディーゼル・エンジン搭載車イコール大型車といった当時の常識を覆すものであった。
このディーゼル・エンジンの採用で、ゴルフは高い経済性というイメージも獲得する。使ってよく(優れたパッケージング)、走ってもよく(ゴルフGTIの存在)、それでいてお財布も優しい(経済性の良いディーゼル・エンジン)というクルマになったのだ。
つまり、ゴルフは初代モデルで、優れたパッケージングと走行性能、革新的な技術の採用などを通し、「同じセグメント内のリーダー」「同クラスの目標となるベンチマーク的な存在」というポジションを獲得したのだ。
※ ※ ※
そうした新しい技術やクラストップの性能は、その後のVWゴルフの伝統となってゆく。
第2世代「ゴルフII」ではABSを採用。第3世代「ゴルフIII」ではリサイクルへの積極的な取り組みを実施。第4世代「ゴルフIV」以降も、ESPやエアバッグ、そしてダウンサイジング・ターボエンジン「TSI」など、時代時代の最新技術やトレンドを常に先取りし、世代を重ねつつもセグメントリーダーというポジショニングを守り続けたのだ。
そして、そうした偉業を続けてこられた理由のひとつが、ゴルフがフォルクスワーゲンという世界屈指の大メーカーの看板モデルであることだ。
大メーカーならではの優れた技術力と巨大な資本力という背景があったからこそ、歴代ゴルフの挑戦が可能となったのだろう。
また、プレミアム・ブランドではなく、あくまでも大衆車であったことも重要なポイントだ。裕福な限られた人だけのクルマではなく、広い人々の手に届く存在であったからこそ、ゴルフはセグメントリーダーとして認められたのだ。
そして、新世代となる「ゴルフVIII」の日本上陸も間近だ。最新のゴルフもセグメントリーダーにふさわしい内容を守り続けているのかに注目したい。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント