この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第40回目は、スポーティセダンとして大きな人気を誇った日産ダットサン・ブルーバードSSSの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
一番「SSS」の称号が似合うスポーティカー
4独サスペンションを生かした高パフォーマンス
SSS(スリーエス)といえばブルーバードの代名詞とも言える。一時期、バイオレットにもSSSグレードが設定されたこともあるが、ブルーバード以外のクルマにSSSの名称はやはりしっくりとこない。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
同様にブルーバードGTというモデルもあったが、これも似合わない。ブルーバードにはやはりSSSがぴったりとくるのだ。ちなみにSSSは「スーパー・スポーツ・セダン」の略である。
SSSが一世を風靡したのはこの510系からだが、「S」の呼称が使われたのは2代目ブルーバード410系の時代で、昭和39(1964)年3月にSUツインの1200SS(スポーツ・セダン)が設定されたのが始まりだった。そして、昭和40(1965)年5月には、やはりSUツインキャブレターを装備した1600SSSがデビューしている。
昭和42(1967)年8月、ブルーバードはFMCで3代目の510系の登場を迎える。スーパーソニックラインと呼ばれた美しいボディラインの510系は、歴代ブルーバードの中でも「名車」の呼び声の高いシリーズであった。
エンジンは1300と1600だが、いずれも前モデルのOHVから新開発のL型SOHCにかわっていた。「視界が悪い」と不評だった三角窓がなくなったのもこの510系ブルーバードからである。
SSSももちろん健在で、410系ブルーバードはピニンファリーナが手がけたスタイリングが不評で、今ひとつパッとしないシリーズであったが、日本的に受け入れられやすいセダンボディにSUツインの高性能エンジンを載せたSSSは「、地味だったブルーバードのイメージを大きく変えた」とも言われた。
エンジンは前モデルの4気筒OHV、1595cc、SUツインキャブで90psのR型から、4気筒SOHC、 1595cc、SUツインで100psのL16型に換装。最高 速 も410系SSSの160km/hか ら165km/hにアップしていた。
サスペンションはこの510型以降、ブルーバードの伝統となる4輪独立懸架で、フロントがストラット、リアはセミトレーリングアーム式だった。ブレーキはフロントにサーボアシスト付のディスクが採用されている。
内外装も精悍なブラックマスクのグリルに、3本スポークのウッドステアリング、タコメーター、砲弾型ミラーなど、スポーティさを感じさせる装備が標準となっていた。
走らせて感じるのは、なんといってもその足回りの良さだった。乗り心地の良さとロードホールディングの高さは、当時の国産車では出色といっていいだろう。ワンランク上の高級車のようなしなやかさを持ちながら、その気になれば他の車種では不可能な領域のコーナリングも見せた。
SUツインキャブの100psエンジンを上まで回し、4速マニュアルを駆使してワインディングを飛ばすのは痛快のひと言。ポルシェタイプ・シンクロのミッションもスパッスパッと決まった。
昭和43(1968)年10月にはシングルキャブで92psの1600ccエンジン搭載車を加えて、1600をブルーバードダイナミックシリーズと命名。これをラインアップの中心に据えてゆく。また同じ年の11月にはセダンのボディをベースにスポーティな2ドアとした1600クーペと1600SSSクーペを新たに設定。
当時、「スポーツモデル=クーペ」というイメージが定着しつつあり、このモデルも人気となった。SSSはセダンとクーペを揃えたことになる。
さらに昭和45(1970)年9月には、同一ボディに4気 筒SOHC、1770cc、SUツ イ ン で115psのL18型ツインキャブのハイスペックエンジンを搭載した1800SSS、1800SSSクーペを追加した。最高速175km/hという文字どおりのスーパースポーツであった。
しかし、SSSの身上は「スポーティさにプラス軽快さ」である。ライバルのコロナとの激しいせり合いが背景にはあるにせよ、エスカレートする排気量アップが逆に本来のSSSの魅力を薄れさせる恐れもないではなかった。実際、1800となったSSSはパワフルで確かに強烈なトルクが感じられたが、クルマはトータルバランスが大切であり、その意味では1600SSSの方がバランスのとれたモデルだった。
510系のブルーバードはモータースポーツでの活躍が顕著だったことも忘れられない。国内のラリーはもちろん1600 SSSは国際ラリーにも積極的に参加している。昭和44(1969)年のサファリ・ラリーではクラス優勝とメーカーチーム優勝を勝ち取り、45年のサファリではついに総合優勝と2位、4位という勝利を収め日本車の評価を上げた。
スーパー・スポーツ・セダンの名に恥じない動力性能と耐久性をいかんなく発揮した快挙であった。 410系ブルーバードの時代に誕生したSSSだが、ブルーバードSSSの人気を定着させたのはやはり510系SSSであった。
その後のSSSも動力性能面ではひけをとらなかったが、510系のブルーバードSSSの印象は特別に鮮烈である。
MOTORSPORT
日産はいち早くラリーに目を付け、サファリ・ラリーに510 ブルーバードを投入している。昭和44(1969)年はクラス優勝(総合3位)とチーム優勝を達成。翌45(1970)年は総合優勝を獲得した。日産の挑戦は『栄光の5000キロ』(主演・石原裕次郎)として映画化されている。その活躍は「世界のブルーバード」たる地位を築き上げ、ベストセラーカーになった。
日産ダットサン・ブルーバードSSS(510型)諸元
●全長×全幅×全高:4120×1560×1400)mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:930kg
●エンジン型式・種類:16型・直4SOHC
●排気量:1595cc
●最高出力:100ps/6000rpm
●最大トルク:13.5kgm/4000rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:5.60-13-4PR
●新車価格:73万5000円
[ アルバム : 日産ダットサン・ブルーバードSSS はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?