■緊急車両の正面に書かれる「反転文字」の意味は「緊急」だから!?
街を走るクルマにはそれぞれ、車名やグレード名のほか、役割や会社名など、様々な文字が記されています。
しかし中には、文字が反転していたり、右から左へ読ませる「逆向き文字」になっていることがあります。
なぜ、そのような読みにくい文字を使うのでしょうか。
【画像】「すぐ読めん!」 「ターャジス」トラックの逆文字が誕生した理由を写真で見る(18枚)
洋の東西を問わず、現場に急行する必要がある救急車やパトカーなどの緊急車両。
その前面やボンネットには、「救急」「AMBULANCE」「市民病院」「POLICE」「川崎市消防局」「救1」など、その車両の用途や所属・車両番号などを見ることができます。
しかも、愛知県名古屋市、一宮市、岩倉市、神奈川県横浜市など一部の自治体によっては、反転した文字を採用しているものも見られます。
反転文字を救急車に記している名古屋市では、公式Webサイト上でその理由を次のように説明しています。
「救急車前面には、左右を反転させた鏡文字で『急救』(実際には文字表記自体も反転)と入っています。
これは前方にいる車両が、後方から近づく救急車をルームミラーなどで見ると、文字が反転した普通の状態に見えるので、接近してきた車両が救急車であることをわかりやすくするためです」
つまり、緊急車両の前を走るクルマのミラーには、正しい文字が映るということになります。
反転文字はかつて、市販される乗用車の前面にも使われていたことがありました。
その代表例が、日産「スカイライン」(5代目・6代目)や三菱「ランサー」(2代目「ランサーEX」)などのターボ搭載グレードや、BMW「2002ターボ」に貼られていた「TURBO(ターボ)」のステッカーです。
その理由は、先ほどの緊急車両と同じでした。
バンパーやグリル、スポイラーに配置したTURBOの反転文字は、前方を走るドライバーからは正しく読めるようになります。
つまりターボの反転文字は、「こちらはターボ付きで速いので、道を譲りなさい」というアピールの意味がありました。
あおり運転が社会問題となっている現代では、ちょっと炎上しかねないエピソードと感じられるかもしれません。
しかし1970年代当時は、ターボエンジンイコール「高性能車」の証しで、ターボの反転文字も憧れの存在として輝いていました。
■「ターャジス!?」 トラックや営業車で見られる「逆向き文字」とは
反転文字のほかに、もうひとつ「読みにくい表記」があります。
それが、トラックや営業車のドアや荷台の「運転席側」のみに記される「逆向き文字」です。
クルマが普及する以前の、明治・大正・昭和初期の日本では、「右から左へ読ませる横書き」が主流だったこともありますが、その習慣がなくなった現在でも、逆向き文字を記したクルマを見ることができます。
逆向き文字のトラックで思い浮かぶのが、コーヒーフレッシュ製品「スジャータ」をはじめとする飲料品などを扱うメーカー「スジャータめいらくグループ」の配送用トラックではないでしょうか。
同社が所有するトラックには、「スジャータ」のほかキャッチコピー「褐色の恋人」、グループ社名の「東京めいらく」などが車体に表記されていますが、かつては車体右側面に「ターャジス」「人恋の色褐」「くらいめ京東」と逆向きで記されていました。
その理由について、以前スジャータめいらくグループの広報部に聞いたところ、次のように説明します。
「走行するトラックを進行方向から見たときに読みやすくなるよう、右側面に関しては逆向き表記になったといわれています。
道端に立って道路を見た場合、右から来たトラックの進行方向は左向きになるので、助手席側は『スジャータ』を順に目で追って読むことができます。
一方、トラックが左から来た場合、進行方向は右向きなので、『スジャータ』と記してあると、最初に目に入ってくる文字が『タ』になります。そこで、『ターャジス』と書くと文字を読みやすくなる、ということになります」
なお同社によると、2015年12月以降、車体にキャラクター(スジャータ坊や)を描いた仕様の導入がスタートしたことに伴い、子どもが見ても読みやすいように、という配慮から、運転席側も「スジャータ」と左から右に読ませるトラックに切り替わっているとのことでした。
そのため2022年9月末現在、ターャジス表記が残るトラックはごくわずかのようですが、いまでもSNSなどに「ターャジス発見!」との目撃情報をみかけることがあります。
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みんなのコメント
あと真っ黒なスモーク貼ってたら物理的に見えないわな