■取り付け工賃も桁違いの「競技者向けGRパーツ」
トヨタ新型「GRヤリス」は、トヨタのスポーツカーブランドである「GR」が送り出す渾身のスポーツモデルです。「セリカGT-FOUR」以来、同社として約20年ぶりの本格4WDスポーツに位置づけられ、ボディやパワートレインに「やりすぎ」と思えるほどのこだわりが詰め込まれています。
【画像】新型「GRヤリス」の純正ロールバーを内外装とあわせて見る(15枚)
そして、スポーツ走行も想定して開発されたGRヤリスには、ロールケージをはじめ競技車両レベルの装備がメーカー純正のディーラーオプションとして設定されていますが、それらをすべて装着したGRヤリスはいったいいくらになるのでしょうか。取り付け工賃も考慮した価格を見ていきます。
まず、新型GRヤリスのグレード展開(価格はすべて消費税込、以下同様)は、1.5リッター自然吸気エンジン+CVT、そして2WDのみ設定される「RS」(265万円)、1.6リッターターボエンジン+6速MTを搭載し、さらににスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」が奢られた「RZ」(396万円)、そしてRZをベースに専用タイヤや専用チューニングのサスペンションが与えられて限界性能が向上した「RZ“High performance”」(456万円)となっています。
このほかに、パワートレインはRZと共通でモータースポーツベース車として装備の簡略化がおこなわれた「RC」(330万円)の設定もあるのが特徴です。
そのうえで、「競技者向けGRパーツ」と呼ばれるトヨタ純正用品が用意されます(RSは装着不可)。メーカーの純正用品として競技車両レベルのパーツが設定されることは珍しいですが、価格はそれぞれ数十万円級となります。
まず、競技中にクラッシュした際の乗員保護や車体の剛性アップに役立つ「GRロールバー」は、サイドバー無しの仕様が24万6400円、サイドバー有りの仕様が27万3900円です。
そして片側のタイヤが空転しても駆動力を適切に路面へ伝達できる「GR機械式LSD」は、グラベル(未舗装路)用とターマック(舗装路)用をそれぞれ用意。価格はそれぞれ37万7497万円となります。
優れた耐熱性を発揮する「GR強化メタルクラッチ&クラッチカバーセット」は15万5760円、路面からボディ底面を保護する「GRアンダーガードセット」は27万600円です。
紹介したパーツは、「GRロールバー」と「GRアンダーガードセット」のセット、「GR機械式LSD」と「GR強化メタルクラッチ&クラッチカバーセット」のセット装着でも取り扱われます(GRガレージ限定)。
セット価格によって価格が割り引かれることはありませんが、取り付け時間の短縮により工賃がお得になります。
では、それぞれの取り付け工賃はいくらになるのでしょうか。
トヨタ販売店に聞いたところ、販売店ごとに工賃は異なるものの、「GRロールバー」と「GRアンダーガードセット」のセットは約20万円から約30万円、「GR機械式LSD」と「GR強化メタルクラッチ&クラッチカバーセット」のセットは約15万円から20万円という結果となりました。
トヨタの販売店スタッフは、「競技者向けGRパーツの場合、例えばGRロールバーでは内装を剥がしたりするなど、かなり大掛かりな改造になります。
作業スタッフの稼働時間や定休日などを考慮すると装着に1週間程度はかかると見ていただきたいディーラーオプションになります」と話します。
※ ※ ※
2020年9月現在ラインナップされている競技者向けGRパーツをすべて装着したGRヤリスを製作するといくらになるのか、RZ“High performance”で見ていくと次のような結果になります。
●車両価格
・RZ“High performance”(456万円)
●ディーラーオプション(総額108万7757円+工賃)
・GRロールバー&GRアンダーガードセット サイドバー付き(54万4500円)
・GRロールバー&GRアンダーガードセットの取り付け工賃(約20万円から約30万円、販売店によって異なる)
・GR機械式LSD&GR強化メタルクラッチ&クラッチカバーセット(54万3257円)
・GR機械式LSD&GR強化メタルクラッチ&クラッチカバーセットの取り付け工賃(約15万円から約20万円、販売店によって異なる)
これらの「競技者向けGRパーツ」を装着したGRヤリス RZ“High performance”は、取り付け工賃の差によって変動するものの、約600万円から約615万円となります。トヨタの高級ミニバン「アルファード」や「ヴェルファイア」にも並ぶ価格帯です。
また、予防安全パッケージ(24万9700円)をはじめとしたメーカーオプションや、ディーラーオプションを追加すると、さらに価格は向上します。
ディーラーオプションには、フロアマット(GRフロアマット アドバンスド:3万3000円)やETC車載機(ETC2.0ユニット ビルトイン ボイスタイプ:3万4100円)などの定番品もあるほか、一般ユーザー向けのGRパーツも各種ラインナップ。
剛性アップに寄与する「GRストラットタワーバー」(3万3594円)といった機能パーツも用意されています。
※ ※ ※
競技者向けGRパーツは、競技に参加しない一般のGRヤリスオーナーにとっては縁遠い存在かもしれません。
しかし、競技者向けパーツがメーカーから用意されること自体、GRヤリスがモータースポーツ直系のクルマであることの証ともいえ、誇らしい気持ちになるオーナーも少なくないのではないでしょうか。
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みんなのコメント
普通の人が普通+αで乗るにはRZで十分だし、そうするとオプション+諸費用入れても450万が現実的。