この記事をまとめると
■車両重量があるEVはタイヤへの負担も大きく、操縦安定性を保つ性能が求められる
■加えて、走行中の静粛性が高いEVは、タイヤによる騒音が大きいと乗員が不快に感じる
■EV用タイヤは、上級車種のような操縦安定性や静粛性を、たとえ軽乗用EVであっても求められる
EVのタイヤに求められる性能とは?
タイヤに求められる性能の第一は、重量を支えることにある。乗用車用では、グリップや転がり抵抗といった性能が注目されがちで、重量を支える重要さについて認識されることは少ない。しかし、車種を問わず、タイヤや車輪は、重さを支えることが第一なのである。
この点で、電気自動車(EV)は、駆動用のリチウムイオンバッテリーを車載するので、エンジン車に比べ車両重量が重くなる。たとえば、軽乗用車の日産デイズは、もっとも軽い車種で850kgだが、EVの日産サクラは1070kgだ。220kgも重いことになる。この重さを支えられることが第一だ。そのうえで、加速したり減速したり、あるいはカーブを曲がったりする際に、よろよろせずにしっかりクルマを支え、操縦安定性を保つ性能が求められる。
さらに、EVは走行中の静粛性が高いため、タイヤ騒音が大きいと乗員が気付きやすく、不快に感じる。そこで、騒音を抑えたタイヤであることが望ましい。
タイヤ騒音には、パターンノイズとロードノイズがある。パターンノイズは、タイヤ接地面が路面と接するとき、タイヤ接地面に溝が刻まれたゴムが路面を叩いて出る騒音だ。基本的に小さく細かいゴム形状で、三角や菱形のようなゴム形状であるほうが騒音は抑えられる。しかし、グリップを上げるにはゴム形状は大きいほうがよく、悩ましいところだ。
操縦安定性・燃費性能・静粛性のすべてを兼ね備えるのは難しい
ロードノイズは、タイヤの上下振動が車体に伝わって起こる騒音なので、サスペンションを含め路面変化や走行姿勢に対して、しなやかにタイヤが上下し、素早く上下動を収められることが望ましい。しかし、重い車体を支えるには、それなりにしっかりしたタイヤの作りであったり、サスペンション設定であったりするので、これも調和を取るのは容易ではない。
それでも、上級の大柄かつ重いSUV(スポーツ多目的車)でも、上質で静粛性に優れ、操縦安定性も高い車種はある。そうした重さのあるクルマの経験をEVに活用すれば、落としどころを見つけられるのではないか。
ほかに、タイヤ内部にスポンジ状の帯を張り付け、これによってタイヤ内部で起きる振動の共鳴音を抑える方法もある。この技術は、静粛性を求める高級車用タイヤで開発されたが、EVに用いればタイヤ騒音を減らす手段のひとつになる。日産アリアは、このタイヤを標準装着している。ただし、タイヤを構成する部品点数が増えるので、価格は上がることになる。
そのほか、確かなグリップにより操縦安定性を確保しながら、逆に転がり抵抗を減らして燃費(EVであれば電力消費)を抑えることを両立させるところは、EVもエンジン車も同様で、これも相反する性能の両立なので、開発を難しくする要因だ。
まとめれば、EV用タイヤは、上級車種のような重量のあるクルマや、静粛性を求める高級車など、高価で付加価値が高い車種にこれまで求められてきたタイヤ性能を、たとえ軽乗用EVであっても求められるようになるということだ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
史上空前の大量発注「軍艦12隻ちょうだい、おまかせで!」同盟国の要請に日本どう応えた?
最大80km/h以上! 海自の最速艦が「宗谷海峡」に急行か 戦車揚陸艦の出現に警戒監視
トヨタ「ちょっと小さな高級ミニバン」に反響多数!? 「渋い」「悪くない」 丁度良い“5ナンバー”ボディ×「アルファードグリル」採用!? 「豪華内装」もイイ「エスクァイア」とは何だったのか
15年ぶり全面刷新! 日産が「新型エルグランド」初公開! 元祖「キングオブミニバン」に史上初の「ハイブリッド」&高性能4WD搭載? 待望の「アルファード対抗馬」2025年度後半デビューへ
GW初日の宿泊予約、「4割」がインバウンド! もはや日本人は泊まれない? 都市観光の異変、誰のためのGWなのか?
ホリエモン、日本のタクシーに喝! 「行き先アプリ指定機能入れて」 ドライバーのミス連発の裏に潜む制度の壁とは?
石破総理が…! ガソリン価格「1リットルあたり10円引き下げ」宣言も…賛否の声多し!?「暫定税率の廃止が先では」とも… 5月22日から、みんなの反響は
クルマの要らない装備で「パワーシート」が上位に挙げられるのはなぜ? 超便利装備に「不要論」を唱える人の言い分とは
CX-5は8年でロードスターは10年! マツダ車のモデルライフが長いワケ
【中国】全長5.1m超え! レクサス新型「クーペセダン」発表に反響殺到!「日本導入うれしい!」「いや大きすぎでしょ…」と賛否両論も! めちゃ斬新デザインの「新型ES」世界初公開!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント