新型「GRカローラ」は、なぜ市場に投入されたのか? 今尾直樹が考えた!
スーパー・カローラあらわる!
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4月1日にトヨタがアメリカ・カリフォルニア州のロング・ビーチで突如発表したGRカローラ。ごく簡単にいえば、カローラの5ドア・ハッチバック・ボディにGRヤリスのパワー・トレインを移植した、ホット・ハッチと呼ぶにはホットすぎる、プロテインを飲み過ぎたスーパー・カローラである。
1.6リッターの3気筒ターボはGRヤリスの最高出力272psから304psにアップ、370Nmの最大トルクの数値自体は同じながら、その発生回転数は3000~4600rpmから3000~5550rpmに広がっている。駆動方式は電制御の4WDで、前後トルク配分を後輪駆動寄りに変えることもできる。ドリフトしやすいように、パーキング・ブレーキのレバーを「手引き式」にしているというからエンスーだ。
ギアボックスは、GRヤリス同様、6速マニュアルの一択だけれど、フラット・トルクでとても扱いやすいことが想像できる。
ただし、ボディがひとまわり大きい分、GRヤリスより、ちょっとおとなの味付けになっているにちがいない。
カローラのホイールベースは、2640mmで、ヤリスの2560mmより80mm長い。おかげでスタビリティはより高いだろうし、車重はGRヤリスの1280kgに対して、GRカローラは1475kg。200kgほど重い。現役の力士でいちばん重い逸ノ城が206kgで、春場所で優勝を飾った若隆景は130kg。ドライバーが逸ノ城か若隆景かで、だいぶ違いそうな気がしますけれど、それはまた別の話ですね……。
ようするに、ちょっとボディが大きい分、GRヤリスよりも居住空間が広くて荷物が載せられる。GRカローラは、高性能と実用性のバランスを求める向きなのである。
待ち遠しい1台
北米市場で発表されたのは、そもそもヤリスがヨーロッパの戦略車だから、なのだろう。GRヤリスは3ドアだし、広いアメリカ大陸ではちっちゃすぎる。GRカローラは、世界最大のスポーツカー市場の北米でも通用するサイズで、しかも、せっかくつくったGRヤリスの1.6リッター3気筒ターボと4WD機構をさらに生かすこともできる。ということなのだろう。
同時に、ここにきて、トヨタがカローラ・ブランドの復権というか復活というか、に注力していることをあらためて思う。
2020年に登場した現行カローラの試乗会で、筆者は開発担当の方に「こんなにカッコイイのだから、カローラではなくて、新しい、別の名前にしてもよかったのでは?」と、訊ねた記憶がある。
「いえ、“カローラ”にわれわれはこだわっていきます。これは社長の豊田章男の思いでもあります」と、大意そういうお返事をいただいた。
1966年に発売された初代カローラは、信頼性と快適装備に富んだ小型車として国内でも人気を博し、輸出されるや世界の国々のひとびとをも魅了した。いまや年間販売台数ナンバー1で、2021年7月には同一車名のモデルとして、グローバルの累計販売台数が5000万台に到達している。トヨタの計算によると、じつに34秒に1台のペースで売れている。「大五郎、3分間待つのだぞ」とかいって待っている間に、5台も売れちゃうのだ。
そのカローラも国内では、バブルがはじけた1990年代から2010年代まで、ミニバンやSUVブームもあって、販売台数に陰りが生じていた。「お客様を虜にするカローラを取り戻したい!」というのが豊田社長の強い思いだというのである。
考えてみたら、フォルクスワーゲン「ゴルフ」にはGTIがあり、Rがある。日本では販売していないけれど、フォード「フォーカス」にはSTがある。いずれも300ps前後の高性能モデルで、自動車ビジネスの王道なのである、このようなパフォーマンス・バージョンをポピュラー・カーに設定するというのは。
GRカローラは、長らく空き状態だったカローラ・シリーズのスポーツ・モデルを復活させ、お客様を虜にするカローラを取り戻すための意欲作なのだ。国内発売は2022年後半。待ち遠しいなぁ。
ただ、個人的には、名前も復活させて欲しかった。やっぱり、レビンでしょう。
文・今尾直樹
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