高出力エンジンと4WDを組み合わせたハイパフォーマンスモデル
「“Golf”史上最もパワフルなハイパフォーマンスモデル」とプレスリリースにある。8代目の現行ゴルフにフラッグシップモデルとなる新型ゴルフ R、ゴルフ R ヴァリアントが追加された。
Rの名がつくのは、レーシングの意味をもつ「Rライン」と呼ばれるフォルクスワーゲンのハイパフォーマンスモデルの証し。現行ではT-Rocとティグアンにも設定されている。
ゴルフ Rとは端的に言えば、高出力エンジンと4WDを組み合わせたハイパフォーマンスモデルのことだ。そのルーツは3代目に設定された2.8L V6エンジンを搭載したVR6にある。4代目で初めてRラインとして、R32が登場。それは3.2L V6を搭載しマニュアルトランスミッションを組み合わせた硬派なモデルだった。5代目にもR32は設定された。6代目の頃には、ダウンサイジングターボが主流となり、エンジンが2Lの直列4気筒になり、車名はシンプルにゴルフRとなった。7代目ではバリエーションとして、初めてヴァリアント(ステーションワゴン)が登場。そして、本国から数年遅れて2021年に導入が始まった8代目ゴルフは、このRの追加をもって現行ゴルフのラインナップが完成したという。 エクステリアにはR専用デザインのバンパーを採用。フロントグリルにはRのイメージカラーであるブルーのラインが左右幅いっぱいにあしらわれ、右前にさり気なくRのエンブレムが配置されている。サイドミラーは上半分がマットクロームとなり、サイドシルはボディカラーと同色に。リアは、グロスブラックのリアディフューザーと4本出しのエグゾーストパイプが他のグレードとは一線を画すスポーティな雰囲気を醸し出している。
インテリアは、フラットボトム形状のマルチファンクションステアリングをはじめ、カーボン調のデコラティブパネル、そしてブルーのロゴをあしらったR専用のスポーツシートを採用。表皮はファブリックとマイクロフリースを組み合わせており、肌触りがよく座り心地のいいものだ。ステアリング奥のメーターは、10.25インチTFT液晶ディスプレイ“Digital Cockpit Pro”で、通常のメーター表示やナビゲーションマップなど、好みに応じて表示を切り替え可能。スポーツモードとレースモード選択時には、R専用表示となる。ダッシュボードのセンターには10インチのタッチスクリーン式のインフォテインメントシステムが配置される。
エンジンは、2L直列4気筒ターボで最高出力320ps、最大トルク420N・mを発生。これは先代比で10ps/20N・mのアップとなる。それでいながら、排出ガスの低減や燃費性能の向上を果たしている。エンジン出力を高めたことに合わせて、先代に比べてブレーキサイズを1インチ拡大し18インチとしている。高速度域からのブレーキ性能を高めるとともに、ブレーキポッドなどにアルミニウムを採用することにより大幅な軽量化を実現する。 何よりも驚くのはそのダイナミクス性能だ。従来のフルタイム四輪駆動システム4MOTIONは、走行状況を瞬時に分析して、前後輪のトルク配分を100:0~50:50の範囲で調整し、発進時の加速性能や高速走行時の安定性を高めていた。新型では、後輪左右のトルク配分を変化させる「Rパフォーマンストルクベクタリング」という機能を追加した。これはリアアクスルに配置された2つの多板クラッチが左右後輪のトルク配分を適切にコントロールする。後輪左右の駆動力が可変式となり直進時は左右均等に、例えば左カーブなら右後輪にトルクを多く配分し、コーナリング性能を高めるというものだ。
これに加えて、定評のある電子制御式ディファレンシャルロックXDSや電子制御式ダンパー、アダプティブシャシーコントロールDCCなどを統合制御する「ビークルダイナミクスマネージャー」を採用することで、ドライビングダイナミクスの最大化と快適性の向上を果たしている。
タイヤは標準サイズが18インチ。試乗車はオプションの19インチ(ブリヂストン ポテンザS005、タイヤサイズ235/35R19)を装着していた。ドライブモードは、コンフォート、スポーツ、レース、カスタムの4種類。市街地ではコンフォートにしておけば驚くほど乗り心地がいい。電子制御ダンパーをはじめブレーキの軽量化によるバネ下重量の低減も利いているのだろう。
ワインディングにさしかかり、スポーツモードに切り替えてみる。エクゾーストノートが高まり、シャシー全体が引き締まった印象に変わる。近年、欧州や日本では騒音規制が厳しくなっており車外へ大きな音は出せない。そこで各社は室内に向けてスピーカーから増幅した音を出すなどの工夫をしているが、どうやらゴルフRでもそれが行われているようだ。もちろん爆音ではなく、気持ちが高揚するレベルに調整されている。コーナーに進入し、立ち上がりで少し早めにアクセルペダルを踏み込んでもアンダーステアが顔を出すことはない。Rパフォーマンストルクベクタリングの恩恵が大きいのだろう、まるで後輪駆動かと思うくらいグイグイと後ろから押されるようにコーナーを曲がっていく。
ADAS(先進運転支援システム)もフル装備する。高速道路では、アダプティブクルーズコントロール“ACC”とレーンキープアシストシステム“Lane Assist”の複合機能である同一車線内全車速運転支援システム “Travel Assist”を起動しておけば、ステアリングを軽く握っているだけで渋滞から高速走行までほぼ自動運転感覚が味わえる。いまやロングドライブには欠かせない装備だ。
GTIがFFのホットハッチであるのに対して、Rは4WDのグランドツーリングという位置づけはこれまでと変わらない。しかし、Rの意味はRacingよりは、Relianceの方がふさわしいかもしれない。より速く、より快適に、より安全に、万能のゴルフというべき存在だ。 文/藤野太一 写真/井上誠、フォルクスワーゲン ジャパン
先代のフォルクスワーゲン ゴルフ R/ゴルフ R ヴァリアントの中古車市場は?
2013年フランクフルトショーで発表された、MQBと呼ばれる横置きエンジン用モジュールを採用した先代ゴルフの「最強モデル」。ヴァリアントでは初となるRモデルが2015年に登場している。最高出力280ps/最大トルク380N・mの2L直4ターボに、ゴルフで唯一の4WDを組み合わせている。「スポーツカーの高性能さと日常での使いやすさを高次元で両立させた」モデルとして人気を博した。2017年にマイナーチェンジを実施、最高出力を310psに向上させ、ミッションは7速DSGへと変更された。
2023年1月現在、ハッチバックは130台前後、ヴァリアントは40台前後が流通している。ハッチバックには現行モデルにない6速MT仕様があるので、いまや貴重なMTのホットハッチを探している人はチェックしてみてはいかがだろうか。 フォルクスワーゲン ゴルフ R(先代)の中古車を探す▼検索条件フォルクスワーゲン ゴルフ R(先代)× 全国フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント(先代)の中古車を探す▼検索条件フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント(先代)× 全国文/編集部、写真/フォルクスワーゲン ジャパン【試乗車 諸元・スペック表】●フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント R 4WD型式3BA-CDDNFV最小回転半径5.1m駆動方式4WD全長×全幅×全高4.65m×1.79m×1.49mドア数5ホイールベース2.67mミッション7AT前トレッド/後トレッド1.54m/1.52mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1600kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量-kgミッション位置フロア最低地上高-mマニュアルモード◯ 標準色ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクトオプション色ラピスブルーメタリック掲載コメント-型式3BA-CDDNFV駆動方式4WDドア数5ミッション7ATAI-SHIFT-4WS-標準色ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクトオプション色ラピスブルーメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5.1m全長×全幅×全高4.65m×1.79m×1.49mホイールベース2.67m前トレッド/後トレッド1.54m/1.52m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1600kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高-m掲載用コメント-エンジン型式DNF環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量56リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量1984cc燃費(WLTCモード)12.2km/L└市街地:8.6km/L└郊外:12.3km/L└高速:14.9km/L燃費基準達成-最高出力320ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm420(42.8)/5350エンジン型式DNF種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1984cc最高出力320ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm420(42.8)/5350環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量56リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)12.2km/L└市街地:8.6km/L└郊外: 12.3km/L└高速: 14.9km/L燃費基準達成-
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