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毎日が冒険になる! 「10マイルアドベンチャー」をテーマに掲げる新型スペーシアギアの戦略

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毎日が冒険になる! 「10マイルアドベンチャー」をテーマに掲げる新型スペーシアギアの戦略

 この記事をまとめると

■スズキから新型のスペーシアギアが誕生した

【試乗】装備も走りも燃費も満足で「これが売れなきゃ何が売れる?」 スズキ新型スペーシアは魅力が渋滞してた

■コンセプトは「10マイルアドベンチャー」だ

■スペーシアギアが出たことによりライバルのN-BOXと販売台数を逆転する可能性がある

 スペーシアギアのコンセプトは「10マイルアドベンチャー」

 2023年11月、スズキ・スペーシアが現行型にフルモデルチェンジしたときから「SUVテイストの”ギア”はいつ出るんだろう」、「新しいスペーシアギアはどんな格好になるんだろう」といったファンからの期待は肌で感じるほどだった。クルマ業界にとって年明けの恒例イベント、東京オートサロンでスズキがお披露目した『SPACIA PAPA BOKU KITCHEN』なる新型スペーシアのカスタマイズ仕様を見たファンは「間違いなく新型スペーシアギアだ!  期待どおりのSUVらしいルックスじゃないか!」とポジティブにとらえていた印象もある。

 そして2024年9月20日、ついに新型スペーシアギアの発売がはじまった。マイルドハイブリッドのパワートレインやボディの基本設計といったハードウェア的には、すでに発売されているスペーシア/スペーシアカスタムと共通で、標準形スペーシアのボンネットやフロントフェンダーを活かしつつ、オリジナルデザインの丸目ヘッドライトやメッキをあしらったフロントグリルなどで”ギア”らしいルックスに仕上がっているのは見てのとおりだ。

 そんな新型スペーシアギアのデザインコンセプトは『10マイルアドベンチャー』となっている。1マイルは約1.6kmであるので10マイルというのは約16kmとなる。そのまま理解すると「近場で味わえる冒険」といったものになりそうだが、じつは10マイルという数字には深い意味があるのだという。

 日本自動車工業会による軽自動車の使用実態調査によると、スペーシアのようなスーパートール(スーパーハイトワゴン)型の軽自動車では、月間平均走行距離が384kmなのだという(2023年度の軽自動車全体の月間平均走行距離は398km)。

 軽自動車というのは、ほとんど毎日使うユーザーが全体の7割を占めている。上記の数字から計算すると、1日あたりの平均走行距離は10km以上15km以下というのが平均的なユーザー像といえる。つまりスペーシアギアの「10マイルアドベンチャー」というデザインコンセプトにおける『10マイル』というのは毎日の移動距離を示すものであり、日本語的に表現すると”毎日が冒険”というコンセプトを掲げていると理解すべきだろう。まさに軽自動車の使われ方を肌で理解しているからこそ『10マイル』という数字が導き出され、日常生活のなかでSUVテイストが楽しめるという狙いが導き出されたのだ。

 スペーシアギアは”ギア”としての需要がある

 新型スペーシアギアのSUVテイストは冒頭で記した丸いヘッドライトやメッキグリルだけではない。前後バンパーには悪路でのボディガードを想起させるスキッドプレートが与えられているし、サイドドアガーニッシュのGEARロゴやテールゲートの車名ロゴにはオレンジ色をあしらうことでキャンプ道具のような表現をしている。

 フロントバンパーではウインカーランプとフォグランプ、そして近距離用の超音波センサーをひとつのエリアに集約することで機能的なガジェット感を演出しているのもスペーシアギアの特徴だ。カーキグリーンのインテリアでオリジナルデザインのタグなどオレンジのアクセントが目立っているのも、道具感の表現として好ましい。

 そんなスペーシアギアはNAエンジンとターボエンジンのマイルドハイブリッドで、それぞれFFと4WDを用意しており、価格帯は195万2500円~215万7100円となっている。これはスペーシアカスタムの上級グレード(199万5400円~219万3400円)より少し安いくらいのものであり、ともすればスペーシアギアとスペーシアカスタムはユーザーを奪い合ってしまう、ということも考えられる。

 スペーシアといえば、2024年5月に軽自動車新車販売トップの座をホンダN-BOXから約2年ぶりに奪ったことで話題となった。つまり、スペーシアギアを追加せずとも、十分なセールスを誇っている。せっかくの勢いを、スペーシアギアとスペーシアカスタムでカニバ(共食い)ってしまうことで減速させてしまってはもったいない……とも思うが、それは杞憂となりそうだ。

 スペーシアの商品企画担当者に聞けば、従来モデルでの販売比率は「標準系4:カスタム4:ギア2」になっていたという。そして先代スペーシアギアも標準系とカスタムが販売されている途中で追加されたのだが、カニバることなく上乗せ的に売れていたそうだ。

 たしかに純粋にユーザーの気もちで新型スペーシアのラインアップを眺めたときに、価格が近しいからといってスペーシアギアとスペーシアカスタムで迷ってしまうユーザーが多数派になるとは考えづらい。スペーシアギアを選ぶというユーザーが現れ、そのまま販売台数を上乗せするという風に捉えるのが妥当だろう。

 ちなみに、直近(2024年8月)のスペーシア販売実績は1万1166台で、軽自動車2位となっていた。机上の空論となるが、従来モデルと同様に「標準系4:カスタム4:ギア2」という比率で売れ、スペーシアギアのぶんがまるまる上乗せされるとすれば、スペーシア全体の販売台数は約1万4000台となる。同じく直近のN-BOX販売台数が1万4441台なので、ギアの追加によってスペーシアが再び軽自動車販売トップに返り咲く可能性は非常に高そうだ。

 もっとも、絶対王者に君臨するN-BOXにおいてもSUVテイストの「N-BOXジョイ」が発表となっているのもご存じのとおり。2024年度後半は、軽スーパーハイトのSUVバリエーションによる熱い販売合戦が盛り上がりそうだ。

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みんなのコメント

1件
  • ******
    なんでこんな気持ちの悪い眼(ヘッドライト)にしたんだろう?狙って?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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