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CX-60よりマイルドな乗り心地 新型 マツダCX-80へ試乗 日常的な充足感 選ぶなら3.3D?

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CX-60よりマイルドな乗り心地 新型 マツダCX-80へ試乗 日常的な充足感 選ぶなら3.3D?

欧州は3.3 DマイルドHVか2.5 GプラグインHV

世界的な電動化の流れにあって、我が道を行く日本のマツダ。ディーゼルエンジンを積んだ7シーターSUV、CX-80が欧州へやってくる。

【画像】日常的な充足感 選ぶなら3.3D? 新型 マツダCX-80 欧州で競合する7シーターSUVたち 全134枚

マツダは、昔から少し変わったクルマを提供してきた。1960年代には、パスファインダーXV-1という、ランドローバー・シリーズ1を真似たオフローダーを作っていた。現在のミャンマーにあった工場で生産され、複数の政府へ納車されている。

パークウェイ26という、マイクロバスも考案された。定員25名、車重約3tある小型のバスを、ロータリーエンジンで走らせるという内容だった。パワーが足りず、エアコン用に1.0Lのピストンエンジンも搭載されていた。生産数は、44台に留まった。

独自路線を貫くブランドは今、石油依存からの脱却という変化を、どう受け止めているのだろう。マイルド・ハイブリッドとはいえ、今回試乗したCX-80のエンジンは、直列6気筒の3.3Lとかなりのサイズ。CX-60にも積まれるユニットだ。

最高出力は254ps。CO2の排出量は、148g/kmがうたわれる。

ただし、CX-80には17.8kWhの駆動用バッテリーと2.5Lガソリンエンジンが組み合わされた、プラグイン・ハイブリッドも用意される。こちらのCO2量は、カタログ上では36g/kmに抑えられている。

3列目でも余裕ある車内空間 上質な内装

CX-60は、リアサスペンションの影響か、乗り心地が褒めにくかった。しかし操縦性は素晴らしく、インテリアは上質。ディーゼルエンジンも好印象だった。排気量の割にパワーは低めながら、高効率で扱いやすかった。

CX-80は、それを拡大した兄弟モデルといっていい。走りの質感を改善するため、多くの改良が施されているという。その仕上がりを、公道で確かめてみよう。

まずは車内から。ホイールベースは2列シートのCX-60から250mm伸ばされ、3列目にも充分な空間が与えられている。広いとはいえないが、大人でも上下方向は問題ない。USB-Cポートもある。実はこのホイールベースは、BMW X7より長い。

欧州仕様では、2列目をベンチシートではなく、独立したキャプテンシートにすることも可能。前後へ120mmスライドし、後ろへ下げれば高身長な大人でもゆったり座れる。

内装は魅力的。欧州のトップグレード、タクミを指定すると、少し前のレクサスへ迫るような上質な仕立てになる。ダッシュボードはクロスで覆われ、落ち着いたトーンのメタルやウッドの化粧トリムが、優雅な雰囲気を生み出す。

エントリーグレードでも、カラーはダーク基調になるが、レザー内装が奢られる。それ以外の素材は、若干質が落ちるけれど。

運転席の人間工学は良好。実際に押せるハードボタンが多く残され、運転中でもエアコンの調整は簡単。一定以上の操作ならクルマを停めるべきだが、インフォテインメント・システムも同様だ。

CX-60よりマイルドな乗り心地 運転は楽しい

CX-80では、乗り心地と操縦性を安定させるため、CX-60には備わったアンチロールバーを省略。サスペンション・スプリングは、ストロークを伸ばしソフトになった。サブフレーム・ブッシュも改良されている。

同時に、フロント側のウイッシュボーンも設計変更。ステアリングの反応を、やや穏やかにしている。

果たして、その乗り心地は全体的にマイルド。CX-60より上下動は優しい一方で、ボディロールも良く抑えられている。とはいえ、同クラスのライバルを超える洗練度とはいえないだろう。

今回試乗した場所は、舗装の良いドイツ。普段使いを想定した条件でも、稀に強い入力をサスペンションが吸収しきれない場面があった。

反面、このクラスのSUVとして運転は楽しい。操縦性は驚くほど優れ、ステアリングホイールには路面からの情報だけでなく、サスペンションの負荷も伝わってくる。マツダらしく、日常的に充足感が得られると思う。

3.3Lディーゼルの燃費は、17.6km/Lが主張される。プラグイン・ハイブリッドの方は、駆動用バッテリーで59km走れ、燃費は62.5km/L。ただし、充電が切れるとエンジンが相応に頑張るため、走行距離が長い場合は3.3Lディーゼルとの差は縮まるはず。

最大牽引重量は2500kg。リアカメラが、トレーラーとの接続をしやすくしてくれる。

検討候補に加えたい7シーターSUV

マツダ最新の7シーターSUV、CX-80。改良されたサスペンションは、グレートブリテン島の荒れたアスファルトへどう対応するのだろうか。上陸次第、検証してみたい。

少なくとも、パワートレインはシンプルで燃費に優れる、マイルド・ハイブリッドのディーゼルターボが良いだろう。3列目の高さ方向の余裕も評価できる。検討候補に加えたい、ニューモデルになりそうだ。

◯:タクミ・グレードの上質なインテリア 実用的な3列シート・レイアウト 燃費がよく好印象な6気筒ディーゼルターボ
△:ドイツの滑らかな路面でも散見された鋭い揺れ

マツダCX-80 3.3 e-スカイアクティブD タクミ(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万3020ポンド(約1018万円)
全長:4990mm
全幅:1890mm
全高:1710mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:8.4秒
燃費:17.6km/L
CO2排出量:148g/km
車両重量:2061kg
パワートレイン:直列6気筒3283cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:254ps/3750rpm
最大トルク:56.0kg-m/1500-2400rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

29件
  • ********
    英国Autocarは、CX-60とMX-30REVの試乗では忖度なしのフルボッコだったけど、80はそこまでじゃないな。

    よい出来はいないが、とんでもない代物ではなくなったってことか。

    小手先だとここまでかな。
  • けったましーん
    欧州ではラージは完全に失敗。シェアが低下している欧州のマツダの売り上げを支えてるのはCX-5とCX-30、そしてマツダ2(ヤリス)。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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