現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【Gクラス史上初のBEV】メルセデス・ベンツの開発担当者がエンジン車との違いを解説!

ここから本文です

【Gクラス史上初のBEV】メルセデス・ベンツの開発担当者がエンジン車との違いを解説!

掲載 1
【Gクラス史上初のBEV】メルセデス・ベンツの開発担当者がエンジン車との違いを解説!

伝統が受け継がれているというメッセージ

メルセデス・ベンツが誇る世界屈指のオフローダー『Gクラス』の新メンバーとなった『G580 with EQテクノロジー』は、Gクラスの歴史上初となるBEVだ。その特徴やエンジン車との違いをGクラス・プロダクトマネージャーであるトニ・メンテルさんが解説する、ワークショップがメディア向けに開催された。

【画像】メルセデス・ベンツGクラス・プロダクトマネージャー、トニ・メンテルさんが解説するワークショップ 全8枚

メンテルさんは、2018年よりGクラスのセールスプランニング及びマーケットマネージメントのトップを担当。2021年からは現職となり、Gクラスの商品開発にも深く携わっている人物だ。

BEVとなるG580は、ディーゼルエンジン車G450dと比べても、外観上の差別は最小限に留められている。それはEVであっても、伝統の堅牢さや優れた悪路走破性などの魅力がしっかりと受け継がれていることを示すメッセージでもある。

もちろん差別化された部分もある。最も分かりやすいのがボンネット形状で、エンジン車よりも一段高くなった。これはエアロダイナミクス向上のためで、前方からの空気をボンネットからルーフへとよりきれいに流すのが役目だ。

さらにリアタイヤのフェンダーアーチに追加された専用エアカーテンも、タイヤまわりにおける空気の乱れの発生を抑えるもの。専用アンダーボディプロテクションも、車両下部の空気の流れをより整えることに貢献する。

これは静粛性向上のためでもあり、エンジンフード内部には、専用インシュレーターも追加。その結果、走行中の車内ノイズは、BEVの130km/h走行時とエンジン車の100km/hが同等と、より快適な高速巡行が可能となっている。

外観上のもうひとつ大きな特徴が、リアドアに装着されるデザインボックスだ。エンジン車ではカバー付きのスペアタイヤとなるが、BEVではキーロック連動式となる外部収納ボックスになった。これは普通充電用ケーブルやスノーチェーンなど、汚れたものを内部に持ち込まずに済むという配慮である。なお本国ではスペアタイヤ仕様も選べるが、日本では非設定だ。

また外観上の差別化アイテムとして、『コンセプトEQG』で話題となった光るフロントグリルは、日本でもオプションの『ブラックエクスエリアパッケージ』に含まれている。

渡河浸水性能はエンジン車を大きく上回る

メカニズムで最大の特徴である電動パワートレインは、4輪独立モーターと116kWhの大容量リチウムイオンバッテリーで構成される。それにもかかわらず、渡河浸水性能は、エンジン車の700mmを大きく上回る850mmを実現した。メンテルさんは、「それは走行時に、モーターとバッテリーが完全に水に浸かっていることを意味する」と自信たっぷりに語る。

その実現には、バッテリーパックに完全なシールを施し、浸水しない構造であることが必須となる。そのため、内部を50度に温めたバッテリーパックを0度の水に浸けるショックテストを実施。さらに川底の走行を再現するために、その状態でバッテリーパックを装着したフレームをねじるという専用試験を40回繰り返すことで、信頼性を確認したそうだ。

そのバッテリーを守るアンダーボディプロテクションは厚さ26mmで、カーボンファイバーを含む複合素材で作られ、50を超えるボルトで堅牢なラダーフレームに固定される。

メンテルさんによれば、「アンダーボディプロテクションの下から5cm角の台座で持ち上げても、全く問題ない。合計10tくらいの負荷が掛かっても耐えられる強度を誇る」と説明。さらにバッテリーパックとの間には約15mmの隙間があるため、衝撃でアンダーボディプロテクションが変形しても、バッテリーに干渉しないように設計されている。その上、軽量化のため重量も57kgにおさえた。

BEVには出来ないことはない?

オフロード走行時には、Gクラスの価値を高めるべく、フル電動化を活用した新機能が与えられている。その場での360度ターンを可能とする『Gターン』、後輪中心の旋回とすることで小回り性を高める『Gステアリング』、デフロック機能を4輪制御で可能とした『仮想ディファレンシャルロック』、強力な駆動力を得るための4輪独立のトランスミッションなどで、Gクラスの名に恥じないBEVオフローダーとして磨き上げられている。

最後に、メンテルさんに少し意地悪な質問をぶつけてみた。それは「Gクラスのエンジン車と比較して、BEVには出来ないことはないのか」というもの。

するとメンテルさんは、「答えはノーです」とにやり。むしろBEV化は、Gクラスの可能性を高めたとする。

「エンジン車のG450とBEVのG580で同じようにオフロードコースを駆け抜け、山頂まで到達することが出来ます。しかし運転のしやすさでいえば、断然、BEVのG580のほうが上です。エンジン車のメカニカルな機能は、走行中、必要な時に操作することが求められますが、BEVならば、そのほとんどをクルマ自身でコントロールしてくれます。また多くのシーンでは、オンロード走行が占めるので、電動パワートレインによる静粛性や走りやすさは、多くのユーザーにメリットを生むでしょう」と締めくくった。

見た目がそっくりなBEVのGクラスは、『G580 with EQテクノロジー』の名が示すように、ガソリン車のポジションを受け継ぐものとなるようだ。メンテルさんの解説を聞き、日常的にGクラスを愛用する多くのユーザーにとっては、電動化による悪路走行のしやすさや乗員の快適性能向上など、確かにメリットの方が大きく思えた。骨太なオフローダーと先進のBEV性能の融合が、どのような乗り味を提供してくれるのか、今からの楽しみだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 改良されたエンジンとシャシー 冷静からやや情熱的に
マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 改良されたエンジンとシャシー 冷静からやや情熱的に
AUTOCAR JAPAN
FFスポーツ実験は大成功! ホンダCR-X シビック 2台の「Si」(1) タイプR誕生前夜
FFスポーツ実験は大成功! ホンダCR-X シビック 2台の「Si」(1) タイプR誕生前夜
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
AUTOCAR JAPAN
ホンダCR-X シビック 2台の「Si」(2) 現代人へ理想的なデトックス 熱くなれる92ps!
ホンダCR-X シビック 2台の「Si」(2) 現代人へ理想的なデトックス 熱くなれる92ps!
AUTOCAR JAPAN
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
AutoBild Japan
海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編
海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編
AUTOCAR JAPAN
【ハイテク機能を搭載した帰国子女】ホンダCR-V e:FCEV試乗記
【ハイテク機能を搭載した帰国子女】ホンダCR-V e:FCEV試乗記
AUTOCAR JAPAN
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
AUTOCAR JAPAN
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
【AT限定でトラックに】日産「アトラス」にAT限定普通免許対応モデル 運送業界の課題解決へ
【AT限定でトラックに】日産「アトラス」にAT限定普通免許対応モデル 運送業界の課題解決へ
AUTOCAR JAPAN
【初のハイブリッド911登場!】クーペに加えコンバーチブルとタルガバージョンもフレッシュアップ!改良された新型ポルシェ911の全情報!
【初のハイブリッド911登場!】クーペに加えコンバーチブルとタルガバージョンもフレッシュアップ!改良された新型ポルシェ911の全情報!
AutoBild Japan
【魔改造?】メルセデスAMG SLをシューティングブレークに フルカーボンボディの1,000馬力2ドアクーペ ブラバス ロケットGTSとは?
【魔改造?】メルセデスAMG SLをシューティングブレークに フルカーボンボディの1,000馬力2ドアクーペ ブラバス ロケットGTSとは?
AutoBild Japan
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
なにもかもが凄い!──新型マクラーレンW1詳報
なにもかもが凄い!──新型マクラーレンW1詳報
GQ JAPAN
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
コンパクトでプレミアム! ヒョンデ・インスターへ試乗 コダワリ感じるインテリア
コンパクトでプレミアム! ヒョンデ・インスターへ試乗 コダワリ感じるインテリア
AUTOCAR JAPAN
どんなイベントでも大注目? パンサー・ソロ 2(2) チャンスを逃した驚くほどの動的能力
どんなイベントでも大注目? パンサー・ソロ 2(2) チャンスを逃した驚くほどの動的能力
AUTOCAR JAPAN
「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー
「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

1件
  • cam********
    まぁエンジンだろうが電動だろうが金持ってるヤツはGクラス行くよな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村