8月17日(土)、アメリカ・イリノイ州のワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(WWTR)で2024年NTTインディカー・シリーズ第13戦の決勝が行われ、チーム・ペンスキーのジョセフ・ニューガーデンが優勝を飾った。
2024年シーズンは残り4大会となり、サマーブレイクを経て終盤戦に臨む各チームは、1.25マイルのオーバルコースであるWWTRへと集結。ハイブリッドシステム搭載のパワーユニットを使用しての5レース目を迎えた。
16日の予選では、今季オーバルで速さを見せているチーム・ペンスキーのスコット・マクラフランがポールポジションを獲得。2番手にはフェリックス・ローゼンクヴィスト、3番手にはデイビッド・マルーカスとメイヤー・シャンク・レーシングの2台が続いた。
しかし、ローゼンクヴィストを含む5台はエンジン交換による9グリッド降格ペナルティが課せられ、ランキング上位では首位アレックス・パロウと3位スコット・ディクソン(ともにチップ・ガナッシ・レーシング)も同様となり、パロウは16番手、ディクソンは19番手からのスタートとなった。さらに4位コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)も予選でのクラッシュにより25番手スタートとなり、ランキング上位3台が260周の決勝レースを後方から戦う。
迎えた決勝日、天候は快晴に恵まれ、気温31度、路面温度47度というコンディションのなか現地時間18時15分に幕が開けた。まずはクリーンなスタートを切ったポールシッターのマクラフランがレースをリードしていく。
序盤は、8周目にキャサリン・レッグ(デイル・コイン・レーシング)とエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)の接触、17周目にコナー・デイリー(フンコス・ホーリンガー・レーシング)とカイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)が接触するなど、2度のフルコースコーションが導入される荒れ模様の開幕となった。
リスタート後には、ポジションを上げたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とマルーカスが先頭争いを展開し、マクラフラン、ニューガーデンが続く。さらには選手権5位のパト・オワード(アロウ・マクラーレン)も5番手につけていたが、エンジントラブルに見舞われてガレージにマシンを収めてしまった。
その後は上位勢でのバトルが落ち着き、パワーとマルーカスがリードする集団は等間隔で周回を重ねていく。3番手のマクラフランには燃費走行の指示も飛ぶなか、60周目を過ぎたあたりには各車1度目のピットインを選択。76周目には全車がルーティン作業を済ませ、レースはふたたびパワーとマルーカスのリードに戻った。
86周目にはキッフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の単独クラッシュによる3度目のフルコースコーションを挟み、97周目の再開時にマクラフランが2番手にポジションを上げてペンスキーがワン・ツーとなる。その後、120周目あたりには上位集団が2度目のピットインへ向かい、順位キープで各車はレース折り返しとなる第3スティントへ向かった。
第3スティントも各車はペースをコントロールしながら周回を重ね、膠着状態で3度目のピットタイミングを迎えた。170周目ごろに各車3度目のピットインを終え、すぐにニューガーデンがマルーカスをパス。トップだったパワーはピットタイミングで遅れ、マクラフラン、ニューガーデン、パワーの順でチーム・ペンスキーがトップ3を締めて終盤へ突入する。
しかし、196周目にニューガーデンが周回遅れをパスする際に痛恨のハーフスピン。幸いにもウォールや他車に接触することはなく復帰したが、レースはここで4度目のフルコースコーションが導入され、ニューガーデンはマルーカスの背後となる4番手で復帰した。
コーション中にはファストレーンの清掃も行なわれ、200周目にマクラフラン、ニューガーデンらがピットインを選択する。ただここでパワーとマルーカスは、1度のピットストップでは残り周回数を走り切ることができないと読んだかピットインをせず。
206周目、残り54周でリスタートが切られた。残り43周のタイミングでは、パワーとマルーカスがルーティン作業のピットインを行うも、マクラフランとニューガーデンからは大きく遅れることになり、コーション中にピットインを済ませていたハータとパロウにもポジションを奪われてしまった。
レースは終盤に差し掛かるもまだ波乱は止まず。残り21周のタイミングでマルーカスがパワーにバトルを仕掛けるも、パワーが前を塞いだことでマルーカスは行き場を失い2台は接触、スピンモーションからクラッシュを喫してしまった。
これで5度目のフルコースコーションとなったレースは、残り9周でリスタート。しかしふたたび荒れ模様を迎え、今度は先頭集団の加減速の影響で出遅れたパワーにアレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)が追突。ジャック・ハーベイ(デイル・コイン・レーシング)も玉突きとなりレースは赤旗中断となってしまった。
マシン回収作業は約15分で完了し、レースは残り6周のスプリントで再開へ。先頭のニューガーデンがインを強く絞るライン取りでスタートを切り、そのままトップを守って今季2勝目を決めた。2位にはポールシッターのマクラフランが続き、3位にはラスト6周でパロウとハータをオーバーテイクしてみせたルーキーのリヌス・ルンドクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)がつける表彰台となった。
ドライバーズランキングでは5位フィニッシュのパロウが首位をキープし、続く2位には25番手から4位フィニッシュを成し遂げたハータが浮上。11位フィニッシュのディクソンがランキング3位をキープ、4位パワー、5位マクラフランという上位勢だ。
インディカーの次戦は、オレゴン州のポートランド・インターナショナル・レースウェイで実施される『ビットナイルドットコム・グランプリ・オブ・ポートランド』。第14戦は8月23日(金)から25日(日)にかけて行われる予定となっている。2024年インディカーは残すところあと4レースだ。なかでも今季はオーバルレースがラスト3連戦となるため、第14戦ポートランドがシーズンラストのロードレースとなる。得意とする選手権首位のパロウが好結果を残せるかどうかに注目が集まる。
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