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竹岡圭 K&コンパクトカー「ヒットの真相」トヨタGRヤリス「希少なスポーツカー。乗り心地は十分快適(2024年10月号)」

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竹岡圭 K&コンパクトカー「ヒットの真相」トヨタGRヤリス「希少なスポーツカー。乗り心地は十分快適(2024年10月号)」

トヨタGRヤリス「希少なスポーツカー。乗り心地は十分快適

 スポーツモデルといえばGR。すっかり定着してきましたよね。ひと昔前まではRとかRSとかタイプRとかエボリューションとか……。

竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】 日産ノート「コンパクトカーでトップレベルの広い室内!」(2024年9月号)

 そんな記号が躍っていたような気もしますが、徐々にそれらが鳴りを潜めてしまったこともあり、いまやGRがかなり幅を広げつつあるような気がします。

 もっとも、最近ではそういったいわゆる「ガチのスポーツモデル」を世に送り出しにくい情勢になってしまっているわけで、そんな中、GRやNISMO(ニスモ)と名のついたさまざまなスポーツモデルのバリエーションを送り出し続けてくれていることは、本当にありがたいことだと頭が下がります。

 モータースポーツって、クルマ文化のひとつだと思うので、そういった場面で戦えるマシンのベースにできるようなクルマだったり、またそのフィロソフィーや性能を盛り込んで、普通に購入できるクルマだったりが存在することは、本当に大切だと思うのです。モータースポーツは自動車開発の実験現場でもありますからね。

 そういった世界を牽引していく記号性としても「GR」はすっかり世の中に浸透している……というのはやや大げさかもしれませんが、少なくともクルマに興味がある方に浸透しているのは間違いないことだと思います。

 そのGRモデルの中でもいちばん手に取りやすく、同時にいちばん有名なのがGRヤリスです。その名を知らしめたのは、やはりWRCやTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジといった、ラリーの影響が大きいのかなと、ラリーをやっている私はついつい思ってしまいます。ラリーは公道も走るので、みなさまの目に触れる機会が多いと思うんです。とくに世界選手権は話題性も高いですから。

 先日行われたWRCのラリー・フィンランドでも、GRヤリスが14台もエントリーしていたというニュースを見ましたし、私が参戦している全日本ラリー選手権でもGRヤリス以外の普通のハイブリッドモデルのヤリスも含めれば、ものすごい台数のヤリスが活躍しています。

 でも、やっぱり花形はGRヤリス。WRCのマシンや、全日本ラリー選手権でもJN1で戦っているヤリスは別物ですが、普通に市販されているGRヤリスも十分に華やかさを持っていますからね。

 とはいえ、どデカイリアウイングが付いているというのでもないため、見た目的には気負わずにどんなところでも乗っていける雰囲気なのがGRヤリスのいいところでもあります。つまり、日常使いがしやすいんですよね。

 GRヤリスはリアの足回りあたりは、ひとクラス上のカローラのパーツなども上手に使われているため、リアの踏ん張り感が、いわゆる通常のヤリスとは違いますし、やはり走らせると「これはスポーツモデルだな」という感覚が瞬時に伝わってきます。かといってガチガチすぎて普段は乗りにくい、というまでのフィーリングではない。落としどころが上手いんですよね。

 このモデルは普通のヤリスとは異なり3ドアモデルなので、リアシートに子供を乗せるとか、3人以上で乗ることが多い、という使い方をするのならば、他のモデルをお勧めしたくなったりはしますが、ヤリスはパーソナルカーとして使われる方が多いと思うので、そのあたりは割り切っていいのかなと思います。

 それよりも、イマドキだな~と思ったのがi-MTというシステムです。MTモデルがあるクルマが少なくなりましたが、GRヤリスには6速MTモデルが設定されていまして、ファンにはうれしいラインアップだと思うのですが、アクセルとブレーキのペダルの間隔と段差の関係で23cmの私の足ではヒール&トゥをしようにも届きにくいんですよね。

 この感じ、これまでだったらスポーツ走行するには致命的になりかねなかったのですが、このi-MTというスイッチひとつで、自動的にいい具合に自動的にブリッピングしエンジンの回転数を合わせてシフトダウンさせてくれちゃうんです。しかも、悲しいかな、いや本当にありがたいわけなんですが、自分で操作するよりもよほど上手でミスがないわけで、ありがたいんですよ。このおかげで、カバーできる体格が広がっているのは間違いないと思います。

 そしてもちろんATモデルもありまして、こちらはGR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)という新開発の8速ATが搭載されています。2ペダル全盛の世の中に、モータースポーツで使えるレベルの新しいメカニズムをラインアップしてくるというのがまたスゴイですよね。

 他にも4WDの特性を生かして、前後の駆動力バランスを変えてさまざまなモードを楽しむことができたり、エンジントルクを400Nmへ30Nmアップさせるなど、その進化は素晴らしいのひと言です。

 シチュエーションに合わせて本格的に遊べる、という感じで、完璧なまでのスポーツモデルなわけです。この本気具合が、ヒットの真相なのではないでしょうか。

GRヤリス「ヒットの真相」

1)スポーツカーが少なくなった昨今、GRのようなスポーツカー展開はクルマ好きにはうれしい存在。中でもGRヤリスは入りやすい

2)ベースモデルとは一線を画す高い動力性能を持ちながら、街乗りレベルでも必要十分な乗り心地を確保しており扱いやすい

3)iMTはブリッピング機能がスムーズな変速をアシスト。さらにATはGR-DATに進化して世界トップレベルの変速スピードを実現

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みんなのコメント

2件
  • ハンセン
    竹内さんも3ナンバー?
  • わんこ
    後席の足元は意外と広いけど頭が窮屈
    映えや記録を優先し実用性や快適性を犠牲にした車は近年のトヨタ車の悪癖
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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