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ボルボ「安全性に新たな基準」 新型EX90 年内に生産開始、7人乗りの高級SUV

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ボルボ「安全性に新たな基準」 新型EX90 年内に生産開始、7人乗りの高級SUV

ボルボ最大のモデル 7人乗りSUV

ボルボの新型の7人乗り電動SUV「EX90」は、今年の第4四半期に生産を開始することが明らかになった。

【画像】北欧流の次世代大型SUVの姿【新型ボルボEX90と現行のXC90を写真で比較する】 全42枚

ボルボのジム・ローワンCEOは会見で、EX90の2024年の販売開始に先立ち、当初はごく少数しか生産されないと述べた。昨年11月に発表されたEX90は「予約受注の目標を突破した」という。

また、近く導入が予定されている小型SUVのEX30(仮称)との関係については「ラインナップのトップとテール」と述べており、ブランド最小モデルがEX30、最大のモデルがEX90になるようだ。

ローワンCEOによると、EX90は「ボルボが今いる場所と、これから向かう場所を示すもの」であり、同社が自動車の衝突死亡事故ゼロを目指していることから、安全性に関する新基準を設定するとのことだ。

EX90は事実上、現行のボルボXC90に相当するEV専用車である。既存のXC40リチャージ、C40リチャージに続く3番目のEVだが、プラットフォームにはSPA2を初めて採用した。基本構造の大部分はボルボ傘下のポールスターの「3」と共有しているが、3列シートを備えている点が大きな違いである。

スタイリングとしては、昨年公開されたコンセプトモデル「リチャージ」をベースにしつつ、XC40リチャージに見られるパネル式グリルや直立型テールライトなど、見慣れたデザインを踏襲している。また、航続距離を伸ばすために空力効率にも磨きをかけ、空気抵抗係数はCd値0.29を謳う。

航続距離580km 安全性も重視

パワートレインはツインモーター/四輪駆動で、最高出力407ps、最大トルク78kg-mを発生させるが、パフォーマンスモデルは最高出力517ps、最大トルク92kg-mとなる。いずれも最高速度は180km/hに制限される。また、より低出力のシングルモーター仕様も導入予定である。

容量111kWhのバッテリーを搭載し、電力消費効率は1kWhあたり4.7km、1回の充電での航続距離は580~586kmとされる。最大250kWの充電に対応し、30分で10~80%の充電が可能だという。

ボディサイズは、全長5037mm、全幅1964mm、全高1747mm。現行のXC90より長さ、幅ともに大きいが、車高は若干低い。車両重量は2818kg。3列7人乗りでトランク容量は310L、3列目を畳んだ状態(5人乗車時)で665L、2列目も畳むと1915Lになる。足回りとしては、22インチのアルミホイールとエアサスペンションが標準装備となる。

EX90の最大の特徴は、安全性に関するソフトウェア、ハードウェアにある。注目すべきは、LiDARを標準装備(センサーをルーフ前端に搭載)し、他のセンサーやカメラを補完して運転支援能力を底上げしていることだ。

発売当初は、車線変更支援のステアリング・サポート機能が追加された運転支援システム「パイロット・アシスト」が搭載される予定だ。ボルボによると、将来的に特定の条件や場所で「監視なしの自動運転」を実現する機能をOTAサブスクリプション方式で提供するという。また、車内センサーでドライバーの目の集中力を測定し、注意散漫や居眠り運転を警告する。

こうした新しい安全機能とインフォテインメント・システム、バッテリー管理システムは、Nvidia DriveとクアルコムのSnapdragon Cockpitプラットフォームを使用したコアソフトウェアによって制御される。

内装材にはリサイクル素材を使用

ダッシュボードは、グーグルベースのインフォテインメント・システムを搭載した14.5インチのセンタータッチスクリーンを中心に構成されている。OTAアップデートに対応するため、5G接続機能を標準装備する。

発売当初に設定される上位グレードは、ドライバー監視システム、パノラミック・ガラスルーフ、25スピーカーのBowers & Wilkinsオーディオなどを装備する予定。

スマートフォンをキーとして使用できるほか、充電管理などのサービス用のアプリも開発中だ。双方向充電に対応しており、家庭の電力を賄うことができる(一部市場にのみ展開)。

インテリアは、ペットボトルやコルクなどのリサイクル素材を使用したテキスタイル「ノルディコ」で仕上げられる。

特徴の1つとして、天然素材や「責任ある調達先」の素材が多用されている点が挙げられる。ボルボによると、EX90にはリサイクル・スチールを15%、リサイクル・アルミニウムを25%、そして約48kgのリサイクル・プラスチックとバイオベース材料(車両全体のプラスチックの約15%)が使用されているという。

ボルボはEX90の生産を来年末から米国チャールストン工場で開始し、その後、中国成都でも生産を行う予定だ。ボルボは、EX90の生産開始までに、両工場における生産活動を気候に影響を与えないようにするとしている。納車開始は2024年初頭を予定している。

欧州では、標準モデルより装備が充実した初期限定モデルの価格目安が提示されている。まず、「EX90ツインモーター・ウルトラ」は9万6255ポンド(約1530万円)から、定額制のサブスクリプション・サービスCare by Volvoでは月額1599ポンド(約25万円)となる。上位の「EX90ツインモーター・パフォーマンス・ウルトラ」は10万555ポンド(約1600万円)から、サブスクリプションの場合は月額1699ポンド(約27万円)となる予定だ。

ボルボは2030年までにEV専用ブランドになる計画で、EX90以降は毎年新型EVを発売していく。EX90に続くモデルは未発表だが、エントリーモデルの小型SUVが開発中であることが知られており、現行のXC60のEV版も導入される可能性が高い。

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みんなのコメント

4件
  • かれこれボルボを3台乗り継いでいるボルボ乗りですが、このモデルから購入する層が変わるような気がします。
  • ボルボの親会社中国吉利汽車Geely Automobileの創業者李氏は、習近平総書記と親しい関係で有名だ。
    Wikiにもちゃんと記述がある

    吉利は欧米や日本メーカーが撤退したロシアに本格進出が
    決まり、新車を大量に供給し、躍進するだろう
    傘下のボルボもどうなることやら。

    こういう情報をきちんと知るエリート層とかは自分、家族にボルボ買うとかは躊躇してしまうのではないか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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