8月の日本車 販売台数クイズ
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)Q:8月の新車販売は、「登録車」と「軽自動車」ともにプラス。これって、消費税率アップ前の駆け込み需要?
A:駆け込み需要ではない模様。
業界団体関係者やメーカーのセールス部門の話をまとめると、「8月の新車販売がプラスを記録したのは、新型車効果が主要因」「前年同月比で30%近いプラスを記録した2014年の消費税率アップ前の駆け込み需要と比べると、今回は大きなうねりは起きていない」と指摘。
その理由については、「政府の増税対策による平準化の効果はあるだろうが、それよりも市場のクルマの購買意欲が弱い」「増税に対して消費を引き締め、今後に向けて貯蓄に回す人も多い傾向」と示唆する。「そのぶん、増税後の反動減は少なくて済みそう」との意見もあった。
8月の新車販売 2か月連続プラス
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2019年8月の全体での国内新車販売台数(速報値)は、前年同月比6.7%増の38万8600台と2か月連続で前年実績を上回った。
カテゴリー別では、
・登録車:同4.0%増の24万2718台(2か月連続のプラス)
・軽自動車:同11.5%増の14万5882台(3か月ぶりのプラス)
となった。
8月の登録車のブランド別新車販売台数では、新型RAV4などの販売が好調なトヨタ自動車が前年同月比4.1%増(10万9273台)、一部改良を行ったシャトルなどのセールスが堅調なホンダが同14.5%増(2万6777台)、NXやRC F、RXのマイナーチェンジを行ったレクサスが同52.1%増(4593台)とプラスを達成。
一方、日産自動車が同16.3%減(2万5116台)、マツダが同3.9%減(1万1399台)、SUBARUが同3.8%減(8170台)、スズキが同5.7%減(8121台)、三菱自動車が同7.1%減(3046台)、ダイハツが同21.3%減(2111台)とマイナスに落ち込んだ。
軽自動車の8月のブランド別新車販売台数は、新型タントを発売したダイハツが前年同月比16.5%増(4万7680台)を成し遂げて5か月連続でのシェアトップにつく。
最大のライバルのスズキは生産体制の見直しもあって同7.1%減(3万8244台)と低迷し、前月と同様に第2位に位置。また、NボックスやNバンに加えて新型Nワゴンの受注が好調なホンダは同25.9%増(3万598台)、デイズを新型に切り替えた日産自動車は同30.0%増(1万6637台)、eKシリーズを新型に切り替えた三菱自動車は同31.1%増(4719台)とプラスを達成した。
8月の市場動向を分析
8月の市場動向に関して業界団体の関係者は、「8月期は新型車や特別仕様車を積極的に発売したブランドが販売台数を大きく伸ばした。登録車は新型車、とくに普通車の販売が好調で、2か月連続でのプラスを達成。軽自動車は、同市場で高いシェアを占めるスズキが大規模リコールの影響でマイナスに落ち込んだものの、その他の主要ブランドがすべてプラスを達成し、3か月ぶりの前年実績超えを記録した」
「消費税アップ前の駆け込み需要に関しては、登録車の多くのブランドがマイナスを記録したことからも分かるように、大きなうねりにはなっていない。政府の増税対策による平準化の効果はあるかもしれないが、それよりも市場のクルマの購買意欲が弱い傾向にある」と解説する。
今後の見通しについては、「受注状況としては新型車を中心に底堅く、また9月以降も新型車や特別仕様車が数多くリリースされる見込みなので、これらがどれくらい販売台数を伸ばすかが今後の成績の鍵を握りそう」
「消費税増税前の駆け込み需要が寸前の9月になって本格化するのかも気になるところだが、販売の現場からは“駆け込み需要は大きく起きそうにもない”という声も聞かれる。駆け込み需要が小さい分、反動減は少なくて済みそうだが、消費全体の冷え込みがどれくらいの規模になるのかは注視する必要があるだろう。悪い数字が出始めた昨今の景況感、出口が見えない米中貿易問題やブレグジット問題なども不安要因」と示唆した。
ホンダNボックス 24か月連続トップ
8月の乗用車の車名別ランキングは、久しくなかったトップ争いが展開された。
首位に立ったのは一昨年9月に全面改良を行ったホンダNボックスで、前年同月比17.9%増の1万8282台を記録して24か月連続でのトップにつく。
これを猛追したのが7月にフル・モデルチェンジを行ったダイハツ・タントで、同73.3%増の1万6838台を成し遂げて1ランクアップの第2位に入った。その差は1444台。
ここ最近はホンダNボックスが第2位と1万台あまりの大差をつけて盤石の首位固めをしていただけに、ダイハツ・タントの健闘ぶりは久々の快挙だ。ちなみに、ダイハツ・タントは発売1か月で月販目標の約3倍となる約3万7000台の受注を記録しているので、今後も首位争いから目が離せないところである。
トップ2に続いて第3位に入ったのは3月に新型に切り替わった日産デイズで、同34.4%増の1万3432台を記録したものの、ダイハツ・タントに押し出されて1ランクダウンとなる。この結果、12か月連続でトップ3を軽自動車が占有した。
さらに、第4位には同2.7%減の1万674台でスズキ・スペーシア、第5位には同10.5%増の8802台でダイハツ・ムーヴと、軽自動車が続く。
シエンタ、RAV4好調
以降は登録車がずらりと並び、第6位には同57.9%増の8745台でトヨタ・シエンタが、第7位には同9.4%増の8176台でトヨタ・プリウスが、第8位には同21.3%増の7714台で日産セレナが、第9位には同27.6%減の7709台で日産ノートが、第10位には同17.3%減の7484台でトヨタ・アクアが入った。
トップ10を一覧すると、登録車が5車種で、残り5車種が軽自動車。この比率になるのは、3か月連続である。
話題のニューモデルの販売成績を見ていこう。4月にフル・モデルチェンジしたトヨタRAV4は月販目標の3000台を大きく上回る6277台を販売して第17位に、5月にアクセラから実質的な移行を果たしたマツダ3は3916台の販売を記録して第25位に、3月に新型へと移行した三菱eKは前年同月比39.3%増の3822台で第26位につけた。
5月にマイナーチェンジを図ったホンダ・シャトルは同278.4%増の3016台で第34位に、7月末に特別仕様車のVSシリーズを追加したダイハツ・キャストは同20.1%増の2756台で第38位に位置。
また、生産体制を再構築中の新型スズキ・ジムニーは同1.2%増(1916台)とプラスに転じて第46位に、2月に大がかりな商品改良を行った三菱デリカD:5は同37.7%増(1115台)で第58位に、6月に改良モデルを発売したスバルWRXは同72.7%増の663台で第65位にランクインする。
なお、3月に一部改良を実施したトヨタ・ジャパンタクシーは同13.3%増の692台、昨年7月にデビューした新型軽バンのホンダNバンは月販計画3000台を上回る3154台の販売台数を達成した。
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