現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アルファードの顔から専用エンブレム消滅はなぜ!? トヨタマーク統一でさらならブランド力強化なるか!!

ここから本文です

アルファードの顔から専用エンブレム消滅はなぜ!? トヨタマーク統一でさらならブランド力強化なるか!!

掲載 31
アルファードの顔から専用エンブレム消滅はなぜ!? トヨタマーク統一でさらならブランド力強化なるか!!

 トヨタといえば車種別に専用エンブレムを付けている印象が強かった。しかし、ここ数年出てくるクルマには、見慣れたトヨタマークが付けられ、専用エンブレムを付けたクルマが激減している。トヨタがエンブレムを統一し始めた理由は何なのか。エンブレムがクルマやメーカーに及ぼす影響を考えていきたい。

文/佐々木亘、写真/TOYOTA

アルファードの顔から専用エンブレム消滅はなぜ!? トヨタマーク統一でさらならブランド力強化なるか!!

■アルファードも専用エンブレム廃止! 共通エンブレムを広める理由とは

新型アルファードのエンブレムがトヨタマークに変更になった。いままでは、「α」モチーフのものが使用されていた

 2020年5月にトヨタのチャネル別専売が無くなり、全チャネルで共通の車種を販売する形へ切り替えた。以降、車種専用エンブレムは姿を消していく。

 ネッツ店専売車に取り付けられていた「N」マークは不要となり廃止。ノア・ヴォクシーもフルモデルチェンジで専用エンブレムから共通のトヨタマークへ変わった。

 ハリアーのチュウヒをモチーフにしたデザインや、アルファードの「α」モチーフのエンブレムも、トヨタマークに変わっている。

 車種専用エンブレムは、センチュリー・クラウン・カローラーシリーズという、トヨタの歴史を作り上げてきた車種だけに残り、HEVモデルの青色トヨタマークは「HEV」のエンブレムを取り付ける方向へと変わった。

 こうした変更は、トヨタが日本でのイメージを大きく変えるためにとった戦略の一つだと筆者は考える。

■専用エンブレムがトヨタを置き去りにしていくのか

クラウン、センチュリー、カローラシリーズの3車種が、各車専用エンブレムをつけている。専用エンブレムにより、個々のネームバリューを高めた

 専用エンブレムを長く続けてきた結果、トヨタのクルマは個別にネームバリューを高めることができた。クラウン・ハリアー・アルファードなどは、クルマ好きでなくとも、なんとなく良いクルマだなというイメージが沸くはずだ。

 こうした専用エンブレムのクルマに乗るオーナーたちに、「乗っているクルマは?」と尋ねると「クラウン」「ハリアー」「アルファード」という車名だけが出てくる。しかし、車名に「トヨタの〇〇」という修飾がない。

 車種別に知名度と高級感を高めた結果として、トヨタマークを付けているクルマはベーシックなものとユーザー思っていることを、筆者が販売現場で感じる時期もあった。大きくなりすぎた商品がメーカーの存在を食い始めたのだ。

 トヨタのように大きなメーカーが、社内に小さなブランドを複数作り上げるのはよくある話。しかし、結果として各車のブランドが育ちすぎ、トヨタの存在が小さくなってしまったのだ。

■ブランド力をさらにアップ!? 車名じゃなくて「トヨタ」に乗っていると言って欲しい!

ハリアーは、以前つけていたチュウヒのマークからトヨタマークに変更になった。トヨタマークに統一することで、車種単体ではなくメーカー全体のブランドイメージを確立しようとしている

 クルマに詳しくない人でも、話し相手が「BMWに乗っている」「(メルセデス)ベンツに乗っている」と言えば、「おぉ」と思ってしまうだろう。

しかし、これが「トヨタに乗っている」と言っても、少なからず日本国内では、BMWやベンツのような盛り上がりを見せない。

 ただ「クラウンに乗っている」「アルファードに乗っている」となると「おぉ」となる。

このようにメーカー同士で比べられると、どうしても国内勢は海外メーカーよりも下のイメージを持たれてしまう。ブランドがもつ大衆的・普通というイメージを払しょくできないのだ。

 しかし今後は、ハリアーやアルファードが共通エンブレムを付けることで、トヨタのブランドイメージは、強く新しいものへと刷新されていくだろう。

 エンブレムを付けるということは、メーカーを背負うということと同義。専用エンブレムで独立していたトヨタのスター軍団が、そろってトヨタを背負う存在となったのだ。

各車の育てたブランドイメージが、トヨタという存在に集約されれば、今後はトヨタ全体のブランドイメージが大きく変わってくる。

■エンブレムにも意味があることを知ってる? 

メルセデスベンツのエンブレム「スリーポインテッドスター」には、「陸・海・空」を指す。それぞれの世界でのモビリティの発展を意味するものとなっている

 エンブレムは「観念」を表すものである。例えば、メルセデスベンツのスリーポインテッドスターには「陸・海・空」という、それぞれの世界でのモビリティの発展を意味する。

BMWやアウディのエンブレムにも、重要な観念が存在し、オーナーはその意味を理解しながら、メーカーと一緒にカーライフを楽しんでいるのだ。

 トヨタマークを構成する3つの楕円にも、しっかりとした意味がある。楕円の持つ二つの中心点がお客様の心とトヨタの心を示し、楕円の輪郭で二つの心をつなぐ世界が表現される。

 二つの楕円はトヨタの「T」を表現するとともに、ステアリングホイールを示し自動車そのものも意味しているのだ。

 さらにマーク背後の空間は、トヨタがお客様に伝えるべき5つの価値の無限の広がりを示す。

 こうした意味があるにもかかわらず、国産メーカーのエンブレムは「観念」ではなく「象徴」としての存在が強い。これはエンブレムではなくシンボルだ。エンブレムは、観念を伝える存在であってほしい。

 メーカーの掲げる観念が、エンブレムを通してユーザー伝わり、メーカーの考えがユーザーに伝わることで、国内の自動車市場はさらに盛り上がりを見せるはず。今後は歴史を紡いできた国内メーカーが、エンブレムを使って何を仕掛けるかに注目していきたい。

[articlelink]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
くるまのニュース
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
VAGUE
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
motorsport.com 日本版
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
ベストカーWeb
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
WEB CARTOP
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
くるまのニュース
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
AUTOSPORT web
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
バイクのニュース
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
くるまのニュース
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
乗りものニュース
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
くるまのニュース
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
くるまのニュース
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
motorsport.com 日本版
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
レスポンス
【タイ】全長4.6m! 三菱「“新”SUVミニバン」発表! 黒すぎ「ダイナミック顔」×画期的MIVECハイブリッド採用! タフ仕様もある7人乗り「エクスパンダーPLAY」特別仕様車登場
【タイ】全長4.6m! 三菱「“新”SUVミニバン」発表! 黒すぎ「ダイナミック顔」×画期的MIVECハイブリッド採用! タフ仕様もある7人乗り「エクスパンダーPLAY」特別仕様車登場
くるまのニュース
[70スープラ]がカッコよすぎてすぐ惚れちまうぜ! バブルを彩った[デートカー]たち
[70スープラ]がカッコよすぎてすぐ惚れちまうぜ! バブルを彩った[デートカー]たち
ベストカーWeb
テスラが嫌いならキャデラックを買えばいいじゃない! 初の電動SUV「リリック」が上陸【新車ニュース】
テスラが嫌いならキャデラックを買えばいいじゃない! 初の電動SUV「リリック」が上陸【新車ニュース】
くるくら
すべてが異次元な雰囲気なのに居心地がいい。 ル・ボラン編集部が選ぶ!「EVアワード」テスラ・モデル3
すべてが異次元な雰囲気なのに居心地がいい。 ル・ボラン編集部が選ぶ!「EVアワード」テスラ・モデル3
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

31件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

510 . 0万円 1480 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 8万円 1899 . 0万円

中古車を検索
トヨタ アルファードの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

510 . 0万円 1480 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 8万円 1899 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村