現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【星野一義】1960年代から70年代「下積み時代を乗り越え、フォーミュラの世界へ」【日本一速い男の半生記(2)】

ここから本文です

【星野一義】1960年代から70年代「下積み時代を乗り越え、フォーミュラの世界へ」【日本一速い男の半生記(2)】

掲載 更新
【星野一義】1960年代から70年代「下積み時代を乗り越え、フォーミュラの世界へ」【日本一速い男の半生記(2)】

「日本一速い男」と呼ばれ、かの元F1ドライバーE・アーバインをして「日本にはホシノがいる」と言わしめた「星野一義」。通算133勝、21の4輪タイトルを獲得した稀代のレーシングドライバーの50有余年に渡る闘魂の軌跡を追う。
(「星野一義 FANBOOK」より。文:小松信夫/写真:日産自動車、SAN’S、モーターマガジン社)

フォーミュラレースでデビューウインを飾る!
日産から離れることになった星野は、1974年は大森チームの先輩、鈴木誠一率いる東名自動車から、フォーミュラカーのFJ1300に出場することになる。

見た目は運転免許証に似ている「運転経歴証明書」って何?【くるま問答】

FJ1300は、ヨーロッパで開催されていたF3相当のシャシーに、市販1.6リッターエンジンを搭載して始まった日本独自のカテゴリーで、当時、国内最高峰のF2000(F2に相当)の下に位置した。

東名自動車がFJ1300用の日産Aエンジンのチューニングを手がけていたこともあり、その開発を兼ねての参戦だ。ただし、そのエンジンを搭載するシャシーの代金の半分、135万円を負担することが条件だったため、星野は母親から資金を借りて初めてのフォーミュラカーでのレースに挑んだ。

FJ1300マシンは車重も軽くフォーミュラらしくハンドリングはクイックで、しかもエンジンは東名チューンのパワフルなもの。しかし、前年まで星野が走らせていた乗りにくいチェリーで戦うことを思えば、天と地ほどの差があった。

5月に開催された最初のレース、鈴鹿フォーミュラの予選で、星野はそれまでのレコードを6秒あまり縮めるFJ1300クラスのトップタイムをマーク。F2000と混走の決勝レースでも、2位の長谷見昌弘を15秒も引き離す独走を見せ、FJ1300デビュー戦を優勝で飾る。

さらに8月の富士GCインター200マイルでは、決勝はリタイアしたものの予選3位。11月のJAF鈴鹿GPで旧型のサーティーズTS15・BDAを借り出して初参戦したF2000では予選5位・決勝3位と健闘する。

当時27歳の星野は国内トップカテゴリーを舞台に、強さを見せつけてトップドライバーとしての地位を瞬く間に確立した。

日本初開催のF1で世界にアピール
翌75年はFJ1300にマーチ733・日産、F2000には最新マシンのマーチ742・BMWでフルエントリー。FJ1300では2勝してシリーズ3位、そしてF2000でも2勝して何とチャンピオンを獲得。フォーミュラに乗り始めて2年、本格参戦1年で国内最高峰クラスを制するという快挙を達成する。

76年には名門・ヒーローズレーシングに移籍してF2000に参戦、5戦2勝するが残り3戦はリタイア、リタイア、DNS(スタートしたがゴールできず)でシリーズ4位に留まるも、引き続き東名からエントリーしたFJ1300では、やはり2勝してチャンピオンを獲得している。

その勢いに乗って、この年、日本で初めて富士スピードウェイで開催されたF1グランプリにもヒーローズレーシングから参戦する。当時はプライベートチームでもF1マシンを購入してスポット参戦が可能だったため、前年モデルのティレル007・DFVで出走したのだ。

予選こそ21位と振るわなかったが、決勝ではブリヂストンのレインタイヤの助けもあって、雨の中で鬼神のごとき激走を見せてJ・シェクターらF1トップドライバーたちをブチ抜き、一時は3位にまで浮上。世界への扉を開くかと思わせた。

しかし、無情にも雨は上がってしまう。タイヤ交換のためピットインするもスペアホイールがなく、無念のリタイアに終わる。

翌年の富士F1グランプリにも、国産マシンのKE009・DFVでエントリーしたが、マシンのセッテイングが出ず、予選・決勝とも11位。この時29歳、星野のF1グランプリはこれで終りを迎えることになった。(次回に続く)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
AUTOCAR JAPAN
勝田貴元選手は甘口派!! 好きなトッピングが衝撃!! モリゾウさんもカレー大好きだった件
勝田貴元選手は甘口派!! 好きなトッピングが衝撃!! モリゾウさんもカレー大好きだった件
ベストカーWeb
トヨタ新型「“4WD”スポーツカー」初公開! “現代版セリカ”な「2ドアクーペ」! 「旧車デザイン」&300馬力「ターボエンジン」採用の「GR86」米に登場
トヨタ新型「“4WD”スポーツカー」初公開! “現代版セリカ”な「2ドアクーペ」! 「旧車デザイン」&300馬力「ターボエンジン」採用の「GR86」米に登場
くるまのニュース
「金田のバイク」でおなじみのSFアニメ「AKIRA」 11月30日にトムス・エンタテインメントが無料配信
「金田のバイク」でおなじみのSFアニメ「AKIRA」 11月30日にトムス・エンタテインメントが無料配信
バイクのニュース
ジャガーが3年前に開発中止した大型SUV「Jペイス」 全長5m強のプロトタイプ、画像で明らかに
ジャガーが3年前に開発中止した大型SUV「Jペイス」 全長5m強のプロトタイプ、画像で明らかに
AUTOCAR JAPAN
寒風吹きすさぶ自動車各社、日産は北米の従業員6%が希望退職、フォードは欧州で4000人削減[新聞ウォッチ]
寒風吹きすさぶ自動車各社、日産は北米の従業員6%が希望退職、フォードは欧州で4000人削減[新聞ウォッチ]
レスポンス
子育てもひと段落したのでスズキ「ジムニー」にVWゴルフから乗り換え…「オープンカントリーR/T」をセットして趣味環境は整いました
子育てもひと段落したのでスズキ「ジムニー」にVWゴルフから乗り換え…「オープンカントリーR/T」をセットして趣味環境は整いました
Auto Messe Web
「最悪の出来事だ……」ヒョンデ、タイトル王手ヌービル苦しめたWRCラリージャパンでのトラブルを謝罪。ターボ関連の疑い
「最悪の出来事だ……」ヒョンデ、タイトル王手ヌービル苦しめたWRCラリージャパンでのトラブルを謝罪。ターボ関連の疑い
motorsport.com 日本版
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
くるまのニュース
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
レスポンス
「アルピーヌA110RGT」が初のヨーロッパラウンド以外となるラリージャパン2024に参戦!
「アルピーヌA110RGT」が初のヨーロッパラウンド以外となるラリージャパン2024に参戦!
LE VOLANT CARSMEET WEB
バイクニュース今週のダイジェスト(11/18~22)
バイクニュース今週のダイジェスト(11/18~22)
バイクブロス
超クラシック! ホンダが新型「ロードスポーツ」発表で反響多数! ロー&ワイドの「旧車デザイン」に「スタイル最高」の声! 女性にも人気らしい新型「GB350 C」が話題に
超クラシック! ホンダが新型「ロードスポーツ」発表で反響多数! ロー&ワイドの「旧車デザイン」に「スタイル最高」の声! 女性にも人気らしい新型「GB350 C」が話題に
くるまのニュース
上質な乗り心地が最高! 軽二輪クラスのスクーター5選
上質な乗り心地が最高! 軽二輪クラスのスクーター5選
バイクのニュース
タイヤに記された「謎の印」の意味とは? 気になる「赤と黄色マーク」の“重要な役割”ってなに? 気づけば消えるけど問題ないのか?
タイヤに記された「謎の印」の意味とは? 気になる「赤と黄色マーク」の“重要な役割”ってなに? 気づけば消えるけど問題ないのか?
くるまのニュース
メルセデス・ベンツの新世代4名乗りオープンカーのCLEカブリオレに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+カブリオレ」を設定
メルセデス・ベンツの新世代4名乗りオープンカーのCLEカブリオレに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+カブリオレ」を設定
カー・アンド・ドライバー
アキュラIMSA車両ドライブしたフェルスタッペン、デイトナ24時間は出ないの?「出るには十分な準備をしたいけど、今は不可能だ」
アキュラIMSA車両ドライブしたフェルスタッペン、デイトナ24時間は出ないの?「出るには十分な準備をしたいけど、今は不可能だ」
motorsport.com 日本版
約183万円! 三菱「新型“5ドア”軽SUV」発表に反響多数! 「走りがいい」「好き」の声!半丸目もカッコイイ「ミニ」が話題に
約183万円! 三菱「新型“5ドア”軽SUV」発表に反響多数! 「走りがいい」「好き」の声!半丸目もカッコイイ「ミニ」が話題に
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

593.0980.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

593.0980.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村