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1周1秒のハンデ負うWECトヨタ、ライバルのル・マン“盤外戦術”に揺らいだ主催に苦言「声が大きい人の意見が通るのか」

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1周1秒のハンデ負うWECトヨタ、ライバルのル・マン“盤外戦術”に揺らいだ主催に苦言「声が大きい人の意見が通るのか」

 世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レースに先立ち、主催のFIAとフランス西部自動車クラブ(ACO)は突然の性能調整を実施。これについてTOYOTA GAZOO Racingのチーム・マネージャーであるロブ・ルーペンは、「大きな声を出せば変更される」とライバルの要求に揺らいだ運営サイドを暗に批判した。

 ル・マンの公式テストを前に実施された予定外の性能調整。トヨタ『GR010ハイブリッド』の最低重量がWEC過去2戦から37kg引き上げられた。またトヨタ以外も、フェラーリは24kg、キャデラックは11kg、ポルシェは3kg、それぞれ車重が引き上げられることになった。

■ル・マンの”ルールにない”性能調整。トヨタWEC代表の小林可夢偉は怒り心頭「これはBoPではないらしい」

 最も大きな打撃を受けるトヨタのチーム代表兼7号車のドライバーである小林可夢偉は、全長13,626mのサルト・サーキットでは1周あたり1.2秒相当のハンデを背負うことになると推測している。

 WECのスポーティングレギュレーションでは、BoPに関する決定を公然と批判することは許されていないものの、トヨタのルーペンの怒りの矛先は、FIAとACOによる”レギュレーションを無視した”調整の実施方法へ向けられている。

 フェラーリが“ハイパーポール”セッションでポールポジションを獲得する前、ルーペンはハイパーカークラスのライバル勢が主催者に「大きな声で叫ぶ」だけで有利に立ったと示唆している。

「ウェイト(そのもの)については話せないが、ゲームの途中で彼らがプロセスやシステムを変更したことについては話せる」

「我々の意見は、彼らがこれを行なうべきではなかったということだ。もしこうする必要があったのなら、今回のような方法ではいけなかった。我々は二度とこういった事が起こらないようにしたいと思う」

「もちろん、(主催者への)圧力はあったし、プログラムを始めた時に勝てないのは良いことではない」

「ただ、これについてはロジックがある。我々からすると、大声で叫んで何かを得ようというモノではない。我々が長い間努力してきたことが、多かれ少なかれ台無しになるというロジックだ」

「大きな声を出せば、何かしらが自分に有利になるよう変更されるというのが現状のようだ。我々は今回のプロセスに関して非常に不服だ」

 またルーペンは、2023年シーズン開始時にタイヤウォーマーを廃止しておきながら、特例としてル・マンでは使用が解禁されるという判断にも疑問を呈している。

「我々のような会社がこうしたことに取り組み対応する上では、気持ちの良いことではない」

「(タイヤウォーマー復活によって)良い気分にはなれないね」

 なお、TGRヨーロッパのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロン曰く、チームはタイヤウォーマーを2023年用タイヤに使用したことがないとのこと。ただ、冬季に行なわれたテストプログラムでは、極めて低温でタイヤの予熱を行なっていたという。

「状況に応じて、少し調整はしていた」とバセロンは言う。

「冬に路面温度4度という状況でも走行を行なった。タイヤを機能させるために、タイヤに少し熱を入れたことはある。でも、(ル・マンで)走るような想定はしていない」

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