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燃費なんて気にしない!? ハイパワーを追求した男気あふれるクルマ5選

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燃費なんて気にしない!? ハイパワーを追求した男気あふれるクルマ5選

■ミニバン・SUVブーム以前はスポーツカーが輝いていた時代だった

 現在は、SUVやミニバンが人気ですが、かつては高性能でハイパワーなスポーツカーが全盛でした。

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 とくに、1980年代後半から1992年のいわゆるバブル期に登場したクルマは、当時の自主規制枠「280馬力」の呪縛に苦しめられながらも、世界のスポーツカーに引けを取らないような高性能なモデルが登場しました。

 燃費を捨ててまでパワーを手に入れるという割り切りは、じつに「男らしい」といえるでしょう。数十年たったいまでも輝きを放つ、「男気のあるクルマ」を5台紹介します。

●マツダ「RX-7(FD3S型)」

 現在のマツダは、「魂動デザイン」による美しいスタイリングや、スカイアクティブ技術などが特徴ですが、かつては「ロータリーエンジン」こそマツダの存在意義という時代がありました。

 1978年にデビューした「サバンナRX-7(SA22C)」は、自慢のロータリーエンジンを搭載した流麗なスポーツクーペで、1985年に2代目(FC3S)へ進化して一部から熱狂的な人気を獲得。当時としては珍しいカブリオレ(オープン)モデルもありました。

 そして1991年、コンパクトなキャビンにワイド&ローの空力ボディをまとった3代目(FD3S)が登場。近未来的でレーシーなスタイリングは、注目を集めました。

 なお、当時は「アンフィニ」という海外ブランドを国内でも展開していた関係で、最初は「アンフィニRX-7」と名付けられ、「サバンナ」の名称が外されました。

 レーシングカーを彷彿させる低くワイドなボディと、流れる気流を考慮したダブルバブルルーフなどその斬新な外観は、いまも美しさと速さを具現化した魅力を放っています。

 搭載されるロータリーエンジンは、255馬力から段階的に引き上げられ、1999年には280馬力へと到達。その反面「目で分かるほど減っていく燃料計」といわれるほど、燃費は期待できなかった部分もあり2002年に生産が終了しました。

 RX-7は、いまでも復活を熱望する声が多い名車のひとつです。

●日産「スカイラインGT-R(R32型)」

 1989年、日産の技術を結集して、モンスターマシンが開発されました。当時開催されていた「全日本ツーリングカー選手権」で勝つために開発され、実際に29連勝を記録した伝説的なモデルが、「スカイラインGT-R(BNR32型)」です。

 自主規制枠で280馬力に抑えられてはいるものの、ポテンシャルの高い2.6リッターツインターボエンジン(RB26DETT)を搭載。当時の最新技術である可変式4WD「アテーサE-TS」や「スーパーハイキャス」などを採用し、「ポルシェに負けない国産スポーツカー」として、絶大な人気を誇りました。

 当時は、カスタム全盛期だったこともあり、このR32型 GT-Rをベースに、1000馬力オーバーまでチューニングを施したバケモノマシンも造られたほどです。パワーのために、燃費が5km/Lを下回ってもだれも気にしませんでした。

 現在の「GT-R」はスカイラインの名称こそ外れましたが、このR32型 GT-Rから続くハイパワー4WDの系譜を受け継いでいることからもわかるように、「世界に誇れる伝説的な男気マシン」と呼べるクルマです。

●スバル「インプレッサWRX STi ver.3」

 1980年代、倒産の危機にまで直面したスバル(当時は富士重工業)は、「レガシィ」の登場によって業績がV字回復しました。そのときの高収益を背景に、Cセグメントのセダン/ワゴンとして「インプレッサ」が1992年にデビュー。

 そして、世界ラリー選手権に参戦するために開発されたのが、インプレッサをベースにした「インプレッサWRX」です。

 コンパクトなボディに、当時としては強力な240馬力を誇る2リッターターボエンジン(EJ20型)を搭載。さらにスポーツ性能に磨きをかけるべく、スバルのモータースポーツ部門である「STi(スバルテクニカインターナショナル)」が手がけたコンプリートカー「WRX STi」が1994年に登場します。

 当時は型式認証を受けておらず、現車を陸運局で「改造車」として登録するほどスペシャルなマシンでした。この「STi」シリーズはイヤーモデル的な存在となり、翌年にはver.2へ進化。正式な型式認証を受けたのは、1996年に登場したver.3からでした。

 インプレッサWRX STi ver.3は、カタログモデルでありながら、2リッターの排気量で280馬力ものハイパワーを誇るモンスターマシンとして、ラリーでも大活躍しました。

「インプレッサ=メチャクチャ速いコンパクト4WD」というイメージは、今でも色褪せない魅力を放っています。

■個性と迫力こそすべて! そこが魅力の男気グルマ

●三菱 GTO

 SUVではなく「RV」と呼ばれた時代、三菱は王者「パジェロ」を有してイケイケ状態でした。そんななか、RV以外のジャンルでも他メーカーに負けじと開発されたモンスターマシンが、1990年にデビューした「GTO」です。

 アメリカンマッスルカーを彷彿とさせるコークボトルなスタリングと、当時としては随一の1840mmもの全幅を誇る大型クーペは迫力満点でした。

 なによりすごかったのは、搭載される3リッターV型6気筒ツインターボエンジンです。パワーこそ自主規制枠いっぱいの280馬力でしたが、43.5kgmもの大トルクで、1.7tのボディを一気に加速させる動力性能が自慢。

 スカイラインGT-Rと同じ「ツインターボ+4WD」でありながら、本国アメリカでドラッグレースにも使用されたことからもわかるように、直線番長的な性能が特徴でした。

 またバブル期に登場したクルマらしく、アルミ製4ポットブレーキやドイツのゲトラグ社製ミッション、スイッチひとつで排気音を切り替えるエグゾーストシステム、可変リアスポイラーにアクティブエアロといった贅沢装備を盛り込んだ男気溢れるモデルでした。

●トヨタ「ランドクルーザー80」

 クロスカントリーモデルにも、立派な「男気グルマ」は存在しています。それがトヨタ「ランドクルーザー80」です。このランドクルーザーという名称は1954年から受け継がれており、日本で一番長い歴史を持っています。

 もともとランクルは、警察予備隊(現在の陸上自衛隊)への納入目的で開発されたトヨタ製ジープからスタートしました。高い悪路走破性を誇る本格的なクロスカントリーモデルとして、20系→40系→60系→70系へと大型化してきた歴史があります。

 そして1989年にデビューした80系は、現在の高級SUVへとつながる内外装の質感と装備を充実させたラグジュアリーモデルとして、一気に人気になりました。

 荷物と人を快適に運びつつ、よりオンロード性能の向上を図るべくフルタイム式4WDを採用(バンにはパートタイム4WDを設定)。さらにエアコンやオーディオを充実させ、フルトリム化された内装や上質なファブリック(または本革)シートなどを装備することで、「クロカンの大型ワゴンモデル」というポジションを確立したのです。

 その存在感は当時としては規格外で、全長約5m×全幅1.9mオーバーの大型ボディや4リッター直列6気筒エンジン搭載など、ほかのクルマとは一線を画したビッグサイズです。いまのSUV市場でも、その魅力は色褪せていません。

※ ※ ※

 燃費を捨ててまで、速さや力強さを目指したクルマが存在した時代がありました。男らしさに満ちた「男気グルマ」は、いまでも乗ってみたいと思わせる魅力に溢れています。

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