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かつて天下を奪ったが今は…それでも薦めたい便利で流麗ステーションワゴン特筆15選

掲載 更新 22
かつて天下を奪ったが今は…それでも薦めたい便利で流麗ステーションワゴン特筆15選

「猫も杓子も……」という言葉がぴったりなのが、昨今のSUVというジャンル。

 SUVが悪いとはもちろん思わない。だがここまで雨後のタケノコのように乱発されると、さすがに「お腹いっぱい」にもなるものだ。「ハッキリ言って食傷気味です!」と感じている人も多いはず。

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 であるならば……「ステーションワゴン」に注目してみるのはどうだろうか?

 現行型・先代型、中古・新車等々を織り交ぜ、流麗なるステーションワゴンの世界にご招待!

※本稿は2021年5月のものです
文/伊達軍曹 写真/ベストカー編集部 ほか 中古車価格調査協力/萩原文博
初出:『ベストカー』 2021年6月10日号

【画像ギャラリー】スタイリッシュは正義! 流麗なるステーションワゴン14台をギャラリーでチェック!!!

■自由と責任の双方を持つ大人に最適な分野

 SUVには食傷気味うんぬんといきなり申し上げたが、むしろ筆者は「SUV好き」だ。最近までスバルXVというクロスオーバーSUVに乗っており、それは大層すばらしい一台だと感じていた。運転しやすく便利で、スタイリッシュだった。

 だがその後、新型レヴォーグというステーションワゴンに乗り換えてみると……、車格がやや違うため単純比較はできないのだが、利便性はXVとほぼ同等で、しかし車高や重心がSUVより低いことによるメリットというか、走行時の快楽はXVの100倍ほどは上であることがわかってしまったのだ。

スバル レヴォーグ(現行型)…フルインナーフレーム構造となったスバルグローバルプラットフォームと新開発の1.8Lターボエンジン、そして最新世代アイサイトにより抜群のGT性能を誇る。最高速度や0-100km/h加速ではなく「平均巡航速度が高い」というタイプだ(新車価格:310.2万~409.2万円/中古車相場:300万~420万円)

スバル レガシィ TOURING WAGON(BP)…自動車デザイン界の鬼才、エンリコ・フミアの筆による造形は(特に整形前の前期型)は、デビューから18年が経過した今もなお、ジャンルトップクラスの美しさを感じさせる。低回転域から利くターボも◎(中古車相場:10万~300万円)

 つまりステーションワゴンとは、運転の快楽を追求したいと同時に、家庭人としてのさまざまな責任も追っている「たいていの大人の男」には、かなり最適なジャンルなのである。もちろんSUVもぜんぜん悪くはないのだが、ステーションワゴンはさらにいいぞ! という話である。

 こんなにも素晴らしいジャンルがなぜ日本では廃れてしまったのかサッパリ理由がわからないが、同じ国産車でも「中古車」にも目を向けてみれば、あるいは「輸入車」にも目を向けてみれば、今なおステーションワゴンが選び放題であることに気づく。

 ということで、再び始めようではないか。便利だけど超気持ちいい「ステーションワゴンがある生活」を!

■現行世代の国産車では1台しか該当しないが

 まず現行世代の国産ステーションワゴンのなかからスタイリッシュなものを挙げるとしたら、「その筆頭はマツダ6ワゴンである!」ということでほぼ異論はないはずだ。

マツダ MAZDA6 ワゴン…ステーションワゴンのイケメン選手権を開催するとしたら間違いなく日本代表に選ばれ、世界の競合とも互角の戦いができる一台。2.2Lディーゼルエンジン、SKYACTIV-Dの極太トルクも魅力(新車価格:289.3万~431.75万円/中古車相場:240万~360万円)

 そして、マツダ6ワゴンに続くスタイリッシュな現行国産ワゴンといえば……存在しないので、この話は以上とする。さようなら!

 ……というわけにもいかないため、話を続けよう。

 1990年代に巻き起こったステーションワゴンブームが終焉して以来、国産ワゴンは受難の時代というか「ほとんどない」という時代が続いているわけだが、何も世の中全体からステーションワゴンが消滅してしまったわけではない。

 国産新車がないならば「国産中古車を探す」という手はあるし、また、欧州車には今なお多種多様なステーションワゴンが存在しているので、そのスタイリッシュな新車を探す、もしくは「欧州新車は高くてちょっと……」というのであれば、その中古車を探せばいいだけのことである。

 そういった観点でいくと、鉄板であるマツダ6新車のほかに、それとほぼ変わらないデザインとなるマツダ アテンザワゴンの中古車、BMW3シリーズツーリングの新車……は高いので、顔つき等はあんまり変わらない先代3シリーズツーリングの中古車など、スタイリッシュ系ステーションワゴンの選択肢はまあまあ豊富であることがわかる。

BMW 3シリーズ TOURING(先代)…総合力は当然ながら現行型が上だが、先代の3シリーズツーリングでも走行性能と積載力、ステイタス性はいまだ充分以上のものがある。狙い目中古車の相場は約150万円前後だ(中古車相場:90万~410万円)

BMW 3シリーズ TOURING(現行型)…お金に余裕があるならイチオシ。M340i xDrive ツーリングは1000万円オーバーだが、318iツーリングなら530万円で、値引きも(たぶん)そこそこある。中古車の流通量はまだ少なめだ(新車価格:530万~1025万円/中古車相場:440万~570万円)

 メルセデスベンツCクラス ステーションワゴンも、2018年のビッグマイナーチェンジ後の新車を買うに越したことはないのは事実だが、マイチェン前の現行前期型中古車でも普通に乗るぶんには充分であり、人気車だけあってお買い得な物件は市場にゴロゴロ転がっている。

メルセデスベンツ Cクラス STATIONWAGON(現行型前期)…Cクラスワゴン現行型を狙うならビッグマイチェン前の中古車でもある意味充分。200万円ちょいで、レーダーセーフティパッケージ付き低走行物件が探せる(中古車相場:150万~400万円)

メルセデスベンツCクラス STATIONWAGON(現行型)…大幅に進化した現行型後期のCクラスワゴンはもちろんいいクルマだが、本国で次期型がすでに発表されている今、タイミングは微妙。値引きが大きいなら買いだが(新車価格:514万~668万円/中古車相場:320万~580万円)

「中古車」というものに不安を感じる人もいるかもしれないが、近頃の中古車は(ツボを押さえて探せば)かなりいい感じである場合も多い。

 中古車を毛嫌いするのは平成までの古くさい常識であり、令和の今は、SDGsの観点から中古車にも注目するのが正しい。

「ツボの押さえ方」については「番外コラム」をご覧いただきたい!

アウディ A4 AVANT(先代後期)…ワゴン界のおしゃれ番長アウディA4アバントは、先代でもまだまだスタイリッシュ。ただし前期型はもはや古くさいので、買うなら2012年4月以降の後期型を(中古車相場:90万~240万円)

アウディ A4 AVANT(現行型)…お金に余裕があれば、マイルドハイブリッドを採用したうえで外観も小変更した現行型新車が当然ステキ。だが200万円前後の現行前期型中古車でも充分スタイリッシュだ(新車価格:567万~614万円/中古車相場:180万~550万円)

■大穴・アメリカンワゴンにも注目してみたい!

 文字数が少ないため端的にいこう。

 このなかでもっともスタイリッシュと思えるのは現行型ボルボV90だが、ハッキリ言って新車も中古車も高い。

ボルボ V90(現行型)…V60よりひと回り大きい、威風堂々としたスタイリッシュさを感じさせる一台。ただし新車は高く、中古車も安くはない(新車価格:714万~1014万円/中古車相場:330万~850万円)

ボルボ V60(現行型)…内装を含めて考えればBMW 3シリーズ以上にスタイリッシュな北欧ミドルワゴン。2020年10月以降は全車電動パワートレーンに。狙い目はガソリンの中古か(新車価格:499万~684万円/中古車相場:360万~640万円)

 そしてシトロエンやアルファロメオのステーションワゴンはおしゃれだが、絶版車ゆえ、慣れていない人は中古車選びの段階でハズすリスクもある。

シトロエン C5 TOURER(絶版)…雲上感ある足回りと、シトロエン特有の「ちょっと変なスタイリッシュ感」が魅力。中古車は190万円前後が狙い目(中古車相場:80万~290万円)

アルファロメオ 159 SPORT WAGON(絶版)…アルファロメオがGMと提携していた時代の作ゆえ、車台とエンジン腰下はGM製。それゆえ全体的に重い。だが、そのビジュアルはきわめてスタイリッシュだ(中古車相場:40万~200万円)

 ということで、ここでの最注目株はズバリ「キャデラックCTSスポーツワゴン」。

 ちょっと正体不明な感じのデザインと、街中であまり見かけない希少性がステキじゃないか!

キャデラック CTS SPORT WAGON(絶版)…エッジの利いたデザインと720Lのラゲッジ容量を両立させたワゴンで、日本仕様のエンジンは3Lまたは3.6L V6。中古車流通量=少なめゆえに目立つ(中古車相場:80万~220万円)

ジャガー XF SPORTBRAKE…2017年11月発売の美しき英国製ワゴン。マイルドハイブリッドの最新ディーゼルは高額だが、初期ガソリン車の中古車相場は意外と手頃だ(新車価格:722万~858万円/中古車相場:360万~690万円)

【番外コラム】ところで中古の、しかも輸入車って大丈夫なのか?

 主に国産新車の情報を扱うベストカーだが、この特集では輸入車も、しかもその中古車も積極的に取り扱っている。となると、「そんなモン、危なっかしくて絶対に買えないよ!」的に感じる人も多いのではないかと推測する。

 ……その気持ちはわかるし、実際、中古の輸入車は故障が発生しがちであることを否定もしない。だが、ツボを押さえた探し方と選び方を行えば、中古のガイシャであってもそう簡単にぶっ壊れるものではないのだ。ならば、何をどう選べばいいのか? 当ページと次ページにわたって"極意"の一端をご紹介しよう。

●中古車選びの基本3箇条

1. 安すぎるモノは買わない……「高いモノなら絶対安心」とは言い切れないのが難しいところではあるが、中古車というのはたいてい「値段なり」である。平均相場よりあまりにも安い個体は、97%の確率でハズレだ

2. 内外装の「痕跡」をよく見る……中古車は内外装の「化粧直し」をしたうえで展示されるが、それでも手荒く扱われてきた個体には“痕跡”が見られる場合が多い。室内がクサいものや小キズの跡が多いものはパスしたい

3. 記録簿の「質」を重視する……「整備記録簿」が残っているといっても、その内容は千差万別。正規ディーラーで点検整備を受け、さらに定期点検以外の明細書もきっちり保管されているような個体にアタリが多い

●中古ステーションワゴンの選び方

 前項で述べたことはあくまで「基本」で、実際に輸入中古車選びを成功させるには「上級編」の知識も必要となる。この限られた紙幅でその上級テクをお伝えするとすれば、「中古車はタイヤに注目せよ」ということになるだろうか。

 ダメな感じの中古ガイシャは多くの場合、山がほぼ残っていないツルツルのタイヤを履いている。前オーナーがテキトーかつクルマにお金と愛をかけない人で、さらに販売店も、売り物の品質管理に気を使っていないことの、ひとつの証拠だ。

ダメな中古ガイシャのタイヤはこの写真以上にツルツルで、なおかつ4輪のブランドが統一されていなかったりもする

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みんなのコメント

22件
  • SUVもこうなる
  • クロカンブームが終わってステーションワゴンブームの頃も「雨後のタケノコ」状態でしたよ、大概の人がブームの車を買うのは仕方ない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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