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マツダの経営を大きく傾かせた元凶のクロノス、そのフォード版がテルスターだ!【ManiaxCars】

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マツダの経営を大きく傾かせた元凶のクロノス、そのフォード版がテルスターだ!【ManiaxCars】

開発コストがふんだんにかけられたバブリーな1台

2.0L V6エンジンはスポーティなフィーリング!

マツダの経営を大きく傾かせた元凶のクロノス、そのフォード版がテルスターだ!【ManiaxCars】

4ドアセダンはクロノス、5ドアハッチバックのTX-5はMS-6をベースとして1991年に登場したのが4代目GE系テルスター。数あるクロノスファミリーの中で、クロノスとの血縁関係が最も濃い1台だ。そのスタイリングを見れば一目瞭然、要はフォードのエンブレムを付けたクロノスそのものに他ならず、テルスターは兄弟モデルと考えるのが正しい。

見た目における2台の違いはヘッドライトやリヤコンビネーションランプ、フロントグリルにサイドウインカーの取り付け位置などに確認でき、前後バンパーのデザインによってテルスターはクロノスよりも全長が25mm短かったりする(4695→4670mm)。

エンジンはFFモデルに1.8L V6(140ps/16.0kgm)のK8-ZE型と2.0L V6(160ps/18.3kgm)のKF-ZE型、フルタイム4WDモデルに2.0L直4(125ps/17.6kgm)のFS-DE型が載り、ミッションにはそれぞれ5速MTと4速ATが用意された。

さらに93年のマイナーチェンジで、RF-CX型2.0L直4ディーゼル+プレッシャーウェーブスーパーチャージャー(82ps/18.5kgm)と、KL-ZE型2.5L V6(200ps/22.8kgm)を追加。ミッションが全グレード4速ATに一本化されたのもこの時だ。

取材車両20Viに載るのは2.0L V6のKF-ZE型。完全フロントオーバーハングに搭載されていることが写真からわかる。エアクリーナーボックスに導かれるインテークダクトのしっかりしたつくりに、ふんだんにコストをかけて設計されたバブル期ならではのクルマということを痛感する。これに5速MTを組み合わせた仕様もあったけど、買う人なんていたんだろうか?

室内に目を移すと、ダッシュボードの秀逸なデザインに驚く。ロワとアッパーで凝った上下2分割構造となっているところもそうだけど、助手席側ドアトリムからつながった弧を描いてるあたりの造形がたまらない。ステアリングホイールには控えめにFordのエンブレムが入る。メーターはスピードを中心に、左側にタコメーター、右側に水温計と燃料計が配置される。

運転席は前後スライドと座面高さ調整が電動、リクライニングは手動となる。ハーフシートカバーは脇に付いたタグからマツダ製ということが判明。

後席の背もたれはヘッドレスト一体型のハイバックタイプ。6:4分割で前倒しでき、トランクスルーとして機能する。

続いて、後席背もたれを前倒ししたトランクスルー状態を後ろから見てみる。バンパー直上からトランクパネルが開き、左右方向の間口も広く取られてるから、荷物の出し入れがしやすそうだ。トランクルーム自体は深さ、奥行きともに十分で、これなら容量的に困ることはないだろう。

クルマをひと通りチェックしたら試乗。変態度の高さで言えば断然5速MTだけど、そもそも探してもまず出てこないGEテルスター、4速ATでも感謝しなけりゃバチが当たるってもんだ。

数値的には決して大きくない18.3kgmの最大トルクを5500rpmで発生するというカタログスペックから、2.0Lの6発らしく上まで気持ちよく回ってくれるだろうけど、低中回転域はスカスカに違いない…と予想してた。

ところが、4速ATなのに下でのカッタるさはまるでナシ。アクセル操作に対するピックアップのよさにゴマカされてる気がしないでもないけど、2500rpmからトルク感を伴って気持ちよく加速する。吹け上がりも至ってスムーズ。タコメーターの針は易々と5000rpmを超え、6000rpmでもその動きに衰えを見せず、レッドゾーンが始まる7000rpmまで軽く回り切るのだ。

ただの変態セダンと思いきや、エンジンフィールだけ取ってもリッパなスポーツセダン(でも、変態には違いない)。4速ATでコレなんだから、5速MTなら、その思いが倍増するのは確実だ。

■SPECIFICATIONS

車両型式:GEEPF

全長×全幅×全高:4670×1770×1400mm

ホイールベース:2610mm

トレッド(F/R):1500/1500mm

車両重量:1220kg

エンジン型式:KF-ZE

エンジン形式:V6 DOHC

ボア×ストローク:φ78.0×69.6mm

排気量:1995cc 圧縮比:10.0:1

最高出力:160ps/6500rpm 最大トルク:18.3kgm/5500rpm

トランスミッション:4速AT

サスペンション形式(F/R):ストラット/ストラット

ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤサイズ:FR195/65R14

TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

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