6月8日、フランスのル・マンに位置するサルト・サーキット(ル・マン24時間サーキット)でWEC第4戦ル・マン24時間レースの最終予選“ハイパーポール”のセッションが行われ、フェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499Pのステアリングを握ったアントニオ・フォコがトップタイムをマーク、ル・マン100周年記念大会のポールポジションを獲得した。
2番手には50号車フェラーリ499P、3番手にはトヨタGAZOO Racingの8号車GR010ハイブリッドがつけている。
【順位結果】2023年WEC第4戦ル・マン24時間 ハイパーポール
前日に行われた予選で各クラストップ8に入った車両計24台が進出する30分間のハイパーポールは、20時にスタート。8号車トヨタGR010ハイブリッドのブレンドン・ハートレーを先頭に各車がコースインしていく。
5号車ポルシェ963、7号車ポルシェ963、21号車フェラーリ488 GTE Evoはコースインせず、しばらくの間ピットで戦況を見守った。
ミシュランからの情報によれば、ハイパーカークラスではほとんどの陣営がミディアムタイヤを選択した模様。最初のアタックでは8号車トヨタのハートレー、7号車トヨタの小林可夢偉が3分26秒台に入れるが、これを軽々と上回ったのがフェラーリ499Pの2台だった。
51号車のアレッサンドロ・ピエール・グイディが3分23秒台に入れ暫定首位、50号車のアントニオ・フォコがこれに続いた。
アタック2周目でトヨタ勢の2台はそれぞれの自己ベストタイムを縮め、可夢偉は3番手へと浮上。その背後には3号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)のセバスチャン・ブルデーがポジションアップし、トヨタ2台の間に割って入る形に。一方、50号車フェラーリのフォコは3分23秒905をマークしチームメイトに肉薄する。ピエール・グイディはこの周のアタック終盤でトヨタに追いついたこともあってか、ピットへとマシンを向けた。
ここでおよそ15分が経過し、各車は続々とピットへ戻り、2セット目のタイヤを装着。ポルシェの5号車と75号車はこの時点でもコースインしておらず、どうやら1アウティングのみのアタックを行うようだ。
残り14分で5号車ポルシェのフレデリック・マコウィッキがコースへ向かう。続いて75号車も残り10分というタイミングで、フェリペ・ナッセがピットアウトしていった。
セッション後半のアタックでは、まず51号車フェラーリのピエール・グイディが3分23秒478を記録するも、このラップはトラックリミット違反があったとして削除に。一方、ファーストアタックとなった5号車ポルシェのマコウィッキは4番手に入れてくる。
ここで50号車フェラーリのフォコは3分22秒982という驚異的なタイムを記録し、総合トップタイムを塗り替えた。さらに3号車キャデラックのブルデーも3分24秒908をマークし、フェラーリ2台に続く3番手に食い込んできた。
しかしこの直後、ミュルサンヌの第1シケイン(デイトナシケイン)でブルデーの3号車キャデラックから火の手が上がり、マシンはストップ。すぐさま赤旗が提示され、計時は残り5分15秒のところでストップした。この時点で75号車ポルシェのナッセのみがタイムを記録していない状態であった。
■小林可夢偉はトラックリミット違反に泣く
3号車の消火と撤去作業が行われた後、20時36分、セッションはグリーフラッグが振られて再開。なお、3号車がマークしたベストラップは、赤旗原因車両になったことで削除された。これにより、3号車は5番手にドロップしている。
フェラーリ2台がピットで待機するなか、トヨタ2台、2号車キャデラックのアール・バンバー、そしてタイムを記録してない75号車らは、1周のみのアタックへと向かう。
ポジションを上げるべく猛然とアタックするトヨタの2台。ハートレーは3分24秒451を記録し3番手へ。直後に可夢偉の7号車が3分24秒267と上回る。さらに2号車キャデラック、75号車ポルシェも自己ベストタイムを更新した。
しかし、可夢偉のタイムはセクター3でのトラックリミット違反があり、このベストラップは抹消に。7号車は5番手に順位を下げることとなった。
この結果、100周年記念大会のポールポジションは50号車フェラーリ499Pが獲得。2番手は51号車となり、フェラーリがフロントロウを独占し、10日のスタートを迎えることとなった。
3番手は8号車トヨタ。以下、75号車ポルシェ、7号車トヨタ、2号車キャデラック、5号車ポルシェ、3号車キャデラックというハイーパーカークラスのオーダーとなっている。
LMP2クラスでは、セッション前半のアタックでIDECスポール48号車オレカ07・ギブソンのポール・ループ・シャタンが暫定首位に立ち、終盤にもさらにタイムを更新。ここまで好調だったJOTA28号車を僅差で下し、クラスポールを獲得した。3番手にはルイ・デレトラズがアタックしたチームWRTの41号車が入っている。
規則によりブロンズドライバーがアタッカーを務めるLMGTEアマクラスでは、最初のアタックで33号車シボレー・コルベットC8.R駆るベン・キーティングが3分53秒905を記録し、暫定首位に。結局、これが最速タイムとなり、2番手にはORTバイ・TFの25号車アストンマーティン・バンテージAMRのアーメド・アルハーティ、3番手にはAFコルセ54号車のトマ・フローが入った。
日本勢ではケッセル・レーシング57号車フェラーリ488 GTE Evo木村武史が3分55秒台に入れ、クラス6位。同じくケッセルの74号車を駆ってル・マンに初挑戦している辻子依旦は3分59秒648でクラス8番手でハイパーポールを終えている。
このあと、22時からは最終プラクティスとなるFP4のセッションが60分間行われる。
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日本に不利になる判定が多いな
所詮ヨーロッパは差別的