ついに日本に上陸した2024年モデルの「ボルボC40/XC40リチャージ」。見た目の印象は変わらないが、その中身は大きく変わっていた。
常識を超えた年次改良
ボルボ、「C40」と「XC40」シングルモーター仕様を後輪駆動に刷新……デイリーEVヘッドライン[2023.01.17]
ご存じのとおり、スウェーデンの自動車ブランドであるボルボは、2030年までにEV専業メーカーになることを目指している。直近の目標としては2025年までに販売台数の半数(日本は45%)をEVとしたい考えで、その第一歩として市場に投入されたが、コンパクトSUVのXC40をEVに仕立てた「C40リチャージ」と「XC40リチャージ」である。
XC40シリーズの日本での販売は好調で、ボルボ・カー・ジャパンによれば、2023年上半期のプレミアムSUVセグメントにおける販売台数はXC40が2位、C40が13位。一方、プレミアムEVセグメントではXC40リチャージが「テスラY」「テスラ3」に次ぐ3位。C40リチャージも9位と、ともにベスト10入りを果たす勢いである。
そんなC40/XC40リチャージの2024年モデルが日本に上陸。ヨーロッパやアメリカの自動車ブランドでは、いわゆるフルモデルチェンジやマイナーチェンジ以外のタイミングでも、年ごとに改良を加える“モデルイヤー制”を採用することが多く、ボルボも例外ではない。このC40/XC40リチャージの2024年モデルもあくまで年次改良版という位置づけなのだが、その変貌ぶりは耳を疑うレベルだ。なんと、2024年モデルではFWDがRWDに変更! エンジン車では、到底ありえない話だ。
ボルボからの正式なコメントはないというが……
これまで、C40/XC40リチャージには2モーターで4WDの「リチャージ・ツインモーター」と1モーターでFWDの「リチャージ・シングルモーター」の2タイプが用意されていた。このうち、2024年モデルで大変貌を遂げたのが後者のリチャージ・シングルモーターで、モーターがフロントからリアに移され、それにともない駆動方式もFWDからRWDに変わったのだ。
こう書くと大改造のように思えるが、もともとあった2モーターのリチャージ・ツインモーターからフロントモーターを取り去ったと考えれば、今回の変更があまりに無茶なやり方ではないことがわかる。EVのC40/XC40リチャージだからこそ実現できたというのも確かだ。
今回のRWD化について、ボルボ本社からは正式なコメントがないというが、その理由は容易に想像できる。発進から大トルクを発揮する電気モーターを搭載するEVの場合、FWDでは急発進時に前輪がホイールスピンしたり、ステアリングが取られたりすることがある。その点、RWDは加速時のトラクションが高く、大トルクのEVでも挙動が安定するのが有利なところ。それだけに、モーターのさらなる大トルク化にも対応しやすく、RWDへの変更はC40/XC40リチャージの商品力向上には欠かせなかったのだろう。
Volvo C40 Recharge Ultimate Single Motor
全長:4,440mm 全幅:1,875mm 全高:1,595mm ホイールベース:2,700mm 車両重量:2,010kg 前後重量配分:前980kg、後1,030kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:143Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:590km(WLTCモード) 最高出力:175kW(238ps)/4,000-5,000rpm 最大トルク:418Nm(42.6kgm)/1,000rpm バッテリー総電力量:73kWh モーター数:後1基 トランスミッション:1速固定式 駆動方式:RWD フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ディスク リアブレーキ:ディスク タイヤサイズ:前235/45R20、後255/405R20 最小回転半径:5.7m 荷室容量:413L 車体本体価格:7,390,000円
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みんなのコメント
車体的にリア残しの方が良かったと言うことでしょうね
EVは電池が床下になるから重心が後方よりになる
FFが無くなってしまうと欧州だと地域によっては四駆を選ぶしか無くなるってことも出てきそう
地域ごとに販売体制を変えるのかな?
自由度が広がるなぁ