現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「まるでコタツに収まった家族のように会話が弾む」自動車ライターを満足させたのはフィアット「ムルティプラ」でした【忘れじの車】

ここから本文です

「まるでコタツに収まった家族のように会話が弾む」自動車ライターを満足させたのはフィアット「ムルティプラ」でした【忘れじの車】

掲載 4
「まるでコタツに収まった家族のように会話が弾む」自動車ライターを満足させたのはフィアット「ムルティプラ」でした【忘れじの車】

チャンスがあればもう一度運転したい

自動車メディアに長く携わっている業界関係者に、心に残っているクルマとの思い出を語ってもらいました。今回は、自動車ライター・西川 淳さんがフィアット「ムルティプラ」にまつわるストーリーをお送りします。

アバルト仕様のフィアット「ムルティプラ」発見!? 国産ミニバンから乗り換えて子どもたちにも大好評の理由とは

個性的でかっこいいイタリアンカー

イタリアのクルマは美しい。そういう思い込みがある。けれども本当に美しいスタイルのイタリアンカーって実は少ないと思う。その代わり実に個性的なカタチのモデルは多い。美人は三日で飽きるというけれど、イタリアンブランドのカーデザイナーはそれを知って確信犯的に“引っ掛かる”スタイルを世に送り出す。それゆえ多くの人には理解不能なデザインでも、熱狂的なファンが生まれる。それでいい。そうじゃなきゃ、これだけたくさんの自動車メーカーの存在する価値がないというものじゃないか。

私は今も「パンダクロス」と「ヌォーヴァチンク」を所有するフィアット好きだけれど、この2台にしたって決して美しいデザインではない。けれども個性的で実にかっこいい、と思って買った。そこが大事だ。人の評価なんて関係ない(おそらく筆者らヒョーロンカの意見も)。

20年前にイタリア旅行でレンタル

筆者にとって最も思い出深いイタリア車の1台、(新しい方の)フィアット「ムルティプラ」などはその最たるモデルだろう。前3人、後3人、今でもイタリアの田舎に行くとタクシーで見かけることがあるけれど、その機能性の高さはともかく、だからと言ってよくもまぁ、あれほどユニークなデザイン(内外装ともに!)にできたものだと、デビュー当時はかえって感心した。そのうえ、運転してみればルノー カングーも真っ青のドライバビリティを持ったクルマで、運転好きをもトリコにしたのだった。

運転して楽しいクルマであることがわかっていたので、イタリアでとあるドライブ旅行を企画した際、迷うことなくムルティプラをレンタルした。ちょうど20年前のことだった。

総勢6名でムルティプラを駆け巡る

そのドライブ旅行とは私たち夫婦のイタリア好きに感化されたのか、健在だった両親2組もイタリアへ行きたいとなり、イタリアグッズをネットで商っていた妻が企画し、私がドライバー役でイタリアの名所を巡るというプライベートツアーだった。総勢6名。ミニバンが必要だ。ムルティプラしかない!

というわけで新緑映える5月の北イタリアを1週間ほどムルティプラで駆け巡った。訪れた街は、ミラノ、ヴェローナ、ヴェネツィア、マントヴァ、ボローニャ、フィエーゾレ、フィレンツェ、キアンティ、シエナ、サンジミニャーノ、ピサ、ポルトヴェーネレ、チンクェテッレ、と、今思えばその後の20年でも好きでよく立ち寄った街ばかり。無意識に思い出を辿っていたのかもしれない。

それはともかく、ムルティプラに6人フル乗車のドライブは本当に楽しかった。3列ミニバンでは絶対に味わえない車内の一体感がある、とでも言おうか。2−2−2の配置で座ってしまうと、最前列と最後列とでは会話もままならないし、表情もよく見えない。それじゃせっかくの家族旅行は台無しだ。みんなが知らない道を走りながら、きれいな景色や街並み、珍しい物について話題を共有しながらドライブすることが最上のエンターテイメントなのだから。

3−3配置のムルティプラならそれが可能だ。まるでコタツに収まった家族のように会話が弾む。ドライバーの私は、中央に座った妻のナビを頼りに運転に集中していたけれど、自然と聞こえてくる会話を聞きながら楽しんでいた。クルマにはナビがついていたと思うけれど、アテにはならなかったと思う。何しろその前か後に同じムルティプラで友人を連れて旅をした時には、ローマの前で真っ白になってしまい泡食った。それをフィアットの友人に伝えると、「アフリカの地図は入ってないよ」と笑われたものだ。いい時代である。

今となってはネオクラシックモデル

いったい何キロ走ったんだろう。2000キロくらいだろうか。ムルティプラは疲れ知らずで、とてもよくできたグラントゥーリズモだという印象しか私にはない。マニュアルミッションだし、LPG併用で補給の仕方もよくわからなかったけれど、とにかく全行程のドライブを楽しんでいたのだ。高い位置に座ってのマニュアル操作はまさにクルマを運転しているという気分だった。幅が広いにもかかわらず、イタリアの細々とした街中でもスイスイといけたし、高速クルージングも得意で、なんならカントリーロードでは運転手を大いに喜ばせた。それでいてパッセンジャーからの苦情が少なかったようにも思う。そんなMPVは他にない。

今となってはネオクラシックモデル。日本で普段見かけることは、イタ車のイベントにでも行かない限りなくなった。けれどもチャンスがあればもう一度運転してみたいフィアットである。距離の少ない個体があれば欲しいくらいだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

パンダは、デザインの国、イタリアの国民車。最新グランデパンダは「未来と伝統」のミックス造形が素晴らしい!
パンダは、デザインの国、イタリアの国民車。最新グランデパンダは「未来と伝統」のミックス造形が素晴らしい!
カー・アンド・ドライバー
スズキ、スイフトスポーツ“ZC33S Final Edition”を限定発売。標準車は2025年2月に生産終了
スズキ、スイフトスポーツ“ZC33S Final Edition”を限定発売。標準車は2025年2月に生産終了
AUTOSPORT web
東京・池袋の電気バス「IKEBUS」、1日乗車券をデジタルチケット化
東京・池袋の電気バス「IKEBUS」、1日乗車券をデジタルチケット化
レスポンス
メルセデスベンツ、新型電動ミニバンを予告…2026年発売へ
メルセデスベンツ、新型電動ミニバンを予告…2026年発売へ
レスポンス
230万円からの「小さな高級車」ことホンダ「フィットリュクス」は何が凄い? 内装「ライトブラウン」がめちゃイケてる! 販売店に寄せられた声とは
230万円からの「小さな高級車」ことホンダ「フィットリュクス」は何が凄い? 内装「ライトブラウン」がめちゃイケてる! 販売店に寄せられた声とは
くるまのニュース
1000万円でフェラーリ泥沼生活!「365GT4 2+2」は覚悟がなければ手を出すべからず…とはいえV12跳ね馬オーナーへ最安値で実現できるクルマです
1000万円でフェラーリ泥沼生活!「365GT4 2+2」は覚悟がなければ手を出すべからず…とはいえV12跳ね馬オーナーへ最安値で実現できるクルマです
Auto Messe Web
【このキュートなシティ ターボIIなんぼ?】ホンダ好きにはたまらない永遠のアイドル しかもモトコンポ付き!「ホンダ シティ ターボII」販売中!
【このキュートなシティ ターボIIなんぼ?】ホンダ好きにはたまらない永遠のアイドル しかもモトコンポ付き!「ホンダ シティ ターボII」販売中!
AutoBild Japan
【殿堂入りレベルの完成度】オートカラーアウォード2024でマツダCX-80がグランプリを受賞
【殿堂入りレベルの完成度】オートカラーアウォード2024でマツダCX-80がグランプリを受賞
AUTOCAR JAPAN
2024年の一台は「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に決定! 第7回日本バイクオブザイヤー授賞式が開催
2024年の一台は「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に決定! 第7回日本バイクオブザイヤー授賞式が開催
バイクブロス
ヒョンデが『i20 Nラリー2』に新型“ステップ2”を投入。7つのジョーカーを活用/ERC
ヒョンデが『i20 Nラリー2』に新型“ステップ2”を投入。7つのジョーカーを活用/ERC
AUTOSPORT web
「ハイパーカーは乗り物以上の芸術」超高級車のブガッティが「究極のガレージ」発表
「ハイパーカーは乗り物以上の芸術」超高級車のブガッティが「究極のガレージ」発表
レスポンス
ホンダ新型プレリュード、2025年にアメリカで販売開始へ。将来的なレースベース車両になるかも?
ホンダ新型プレリュード、2025年にアメリカで販売開始へ。将来的なレースベース車両になるかも?
motorsport.com 日本版
レクサス新型「LX」がスゴイ! ”頑丈“すぎる新ハイブリッド搭載の「本格モデル」! “超タフ”な新仕様「オーバートレイル」もある「最上級“SUV”」が販売店でも話題に
レクサス新型「LX」がスゴイ! ”頑丈“すぎる新ハイブリッド搭載の「本格モデル」! “超タフ”な新仕様「オーバートレイル」もある「最上級“SUV”」が販売店でも話題に
くるまのニュース
国内外で活躍するBIRTH RACING PROJECTがドライバーデベロップメントプログラムを始動へ
国内外で活躍するBIRTH RACING PROJECTがドライバーデベロップメントプログラムを始動へ
AUTOSPORT web
【アメリカ】ホンダの大型SUV「プロローグ」に反響多し! 「100万円以上も安くなるのスゴイ」「あえてシンプルなデザインが素敵」の声! 日系車で「1番人気」を獲得!
【アメリカ】ホンダの大型SUV「プロローグ」に反響多し! 「100万円以上も安くなるのスゴイ」「あえてシンプルなデザインが素敵」の声! 日系車で「1番人気」を獲得!
くるまのニュース
デザインコンセプトは「ナチュラルユニーク」! スズキが軽乗用車「ワゴンR スマイル」の新型モデルを発売
デザインコンセプトは「ナチュラルユニーク」! スズキが軽乗用車「ワゴンR スマイル」の新型モデルを発売
バイクのニュース
クルマのエアコンフィルター交換、サボってない? 自分で点検・交換する方法を紹介!【カーマニア本田浩隆の愛車日常メンテナンス】
クルマのエアコンフィルター交換、サボってない? 自分で点検・交換する方法を紹介!【カーマニア本田浩隆の愛車日常メンテナンス】
くるくら
ゲイルスピードのアルミ鍛造ホイールに X350/X500/GSX-R1100用が登場!
ゲイルスピードのアルミ鍛造ホイールに X350/X500/GSX-R1100用が登場!
バイクブロス

みんなのコメント

4件
  • Nobody
    真剣に悩んだがオートマが無かったんだよね、今見ても素敵なお顔です(笑)
  • yam********
    この視点から見るといい車だな…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

262.4284.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0171.1万円

中古車を検索
ムルティプラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

262.4284.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0171.1万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村