大幅改良を受けた三菱の「アウトランダーPHEV」を小川フミオがテストドライブ。公道での実力に迫る。
改良のポイント
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三菱自動車のSUV、アウトランダーPHEVは、2024年10月31日に発売以降、モーターで走行できて、かつ充電の心配もないプラグイン・ハイブリッドというトレンドにも乗り、販売好調という。12月中旬にテストドライブすると、確かに走りの気持ちいいクルマだった。
最新のアウトランダーPHEVは、21年2月に登場した3代目の改良版。ポイントは下記となる。
・EV走行距離を約20km伸長して100km超に
・乗り心地と走りのためサスペンションとタイヤを最適化
・内外装デザインを一部変更(たとえばフロントマスクをよりスムーズな造型に)
・インフォテインメントシステムのモニター大型化
・コネクテッド機能の拡充
・シートベンチレーション採用
・ヤマハと共同開発のオーディオ搭載
・最上級ブレード「Pエグゼクティブパッケージ」の新設
今、上級車市場において、プラグイン・ハイブリッドがトレンド化している。BEV(バッテリー駆動のピュアEV)を経験したファーストアダプターたちが、充電における利便性を求めて移ってきている、とは最近よく聞くこと。
三菱では、2013年に2代目において「アウトランダーPHEV」を発売して以降、着実にプラグイン・ハイブリッドの技術を磨いてきたメーカーで、「時代が追いついた気もします」と、同社の技術者が、今回の試乗会において、微笑んでいたのもよく分かる。
クルマの内容は、全長4720mmのボディに、2359ccの直列4気筒ガソリンエンジンと組み合わせたプラグイン・ハイブリッドシステムを搭載。エンジンは98kWの最高出力と195Nmの最大トルクを発生し、モーターは85kWと255Nmとなる。5人乗りと7人乗りが選べるボディには、モーターを使った4WDを採用した。
私が乗ったのは、折りたたみ式の3列目シートをそなえた7人乗りの「P」グレード。乗った印象は、大変好ましい。足まわりやステアリングフィ−ルの設定はややスポーティ。硬くはないが、車体のロールはしっかり抑えるし、ステアリングでは操舵力も中央に戻ろうとする復元力も意外に強め。
重ったるい感じはいっさいなく、ダイレクト感のある操縦感覚がよい。運転が好きな人なら、誰でも魅力的に感じるだろう。SUVの“S”はスポーツを意味していたことを、あらためて思い出したりした。ランサーエボリューションを手がけていただけある。
「(ターゲットは)ファミリー層が中心ではあるものの、運転も楽しみたいユーザーにも評価してもらいたい」と、開発者は話してくれた。バッテリーを従来のパウチタイプから冷却効率のよいボックスタイプへと変更するなど、大胆な改良を行ったことも奏功しているそうで、途切れないモーターの加速は大変気持ちよい。
オーディオへのこだわりメーカーによると、満充電状態から100km超走れるとのことだ。最初にバッテリーを使いきる設定のため、残量が気になる場合、センターコンソールのボタンで「チャージ」モードを選べばエンジンが始動し、充電を始める。
エンジンが回りはじめたのは、かすかなバイブレーションでわかる。総じて音はとても低く抑えられていて、「シートの座り心地改善のためにステッチの入れかたまで見直した」と、開発担当者が語るシートに身をあずけていると、大変心地よい。
エンジン音をはじめ外部からの侵入音は低く抑えられている。プレミアムマーケットにおいては重要なことだが、アウトランダーPHEVでは、オーディオの音をよりよく聞かせたい……というのも、室内の静粛性を上げたもうひとつの理由だ。
「いい音を作るには、オーディオメーカーと自動車メーカーがともに努力しなくてはなりません」と、オーディオ担当者が(熱く)語ってくれたように、車内で音楽を聴くたのしみを持っている人には、これもアウトランダーPHEVの魅力となるはず。
私が乗った「P」パッケージには8スピーカーの標準仕様「Dynamic Sound Yamaha Premium」が装着されていた。最上級グレード「Pエグゼクティブパッケージ」との違いは、後者では、ヤマハのオーディオがデュアルアンプと12スピーカー(サブウーファーつき)の「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」になることだ。
Dynamic Sound Yamaha Premiumの音も、悪くない。ロバート・グラスパーを聴いたら、ピアノの高音からベースの低音までバランスよく再生された。ただし、かつてDynamic Sound Yamaha UltimateとDynamic Sound Yamaha Premiumを聴き比べた経験からすると、Dynamic Sound Yamaha Ultimateは、更に良い。
せっかくアウトランダーPHEVに乗るなら、¥198,000の差額を払ってでもオプションのDynamic Sound Yamaha Ultimateを選ぶ“贅沢”もおおいにアリ! と、思った。
PとPエグゼクティブパッケージの価格差は、¥6,314,000(5人乗り)に対して¥6,594,500(同)と、¥285,000。後者にはセミアニリンレザーの表皮やベンチレーション機能をもったシートもそなわるので、どうせならいっそ……と、思わないでもないのだ。
なお、ボディの空力性能の見直しやPHEVシステムの効率化などで、燃費も向上。メーカー発表値をみるとPグレードではリッターあたり16.2kmから17.2kmへ伸びた。
文・小川フミオ 写真・田村翔 編集・稲垣邦康(GQ)
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