SUVが日本でも認知され人気となって長く経つ。売れるモデルに力を入れるのは常套手段で、世界中の自動車メーカーはSUVのラインナップを積極的に強化している。
そのなかで現在注目されているのがクーペルックのSUVで、パイオニアは2008年に登場したBMW X6だ。その後ランドローバー・レンジローバーイヴォークなどが続き、現在では日本車にも波及し始めている。日本車で先鞭をつけたのは日産ジュークだろう。
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その最新モデルとして、2019年10月にマイチェンしたトヨタC-HRとブランニューデビューを果たしたマツダCX-30について、アレコレ比較してどっちが魅力的なのかを検証していく。
写真:TOYOTA、MAZDA、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】もっと見たい!! マイチェンC-HR&ブランニューCX-30
どんなクルマなのか?
トヨタC-HRとマツダCX-30を比較するにあたり、まず両モデルがどんなクルマなのかを簡単にまとめる。
■CH-Rはこんなクルマ
現行プリウスに続くトヨタの新世代プラットフォームのTNGA採用第2弾として2016年12月にブランニューデビュー。デビュー後1カ月で約4万8000台を受注するなど一気に人気モデルとなった(2017年SUVでベストセラー)。
2016年12月にトヨタのブランニューSUVとしてデビューしたC-HRは瞬く間に超がつく人気モデルになった
マイチェン後のモデルはヘッドライトの変更、バンパーの開口部、エアインテークの拡大などによりさらにスポーティ感が増している
パワートレーンは1.8L+モーターのハイブリッドと1.2Lターボの2種類だ。
SUVながらニュルブルクリンク24時間レースにも投入されたように、スタイリッシュさにこだわっただけでなく、世界中の道で鍛えられた走りも大きなセールスポイントだ。
2019年10月に初のマイナーチェンジでリフレッシュ。
マイチェンのポイントは、エクステリアの進化、GRシリーズのGRスポーツを追加、安全装備の充実、ディスプレイオーディオを全車標準装備、1.2Lターボ車(FF)に6MTを追加など多岐にわたり、新たな魅力が与えられた。
マイチェンで待望のGRスポーツが追加された。足回りをGRが専用チューニングしているほか、フロントマスクもノーマルとは大きく差別化されている
■マツダCX-30はこんなクルマ
2019年3月のジュネージュショーで世界初公開され、日本では2019年9月に発表、10月24日から発売開始された(一部モデル除く)。マツダ最新のSUVで、ボディサイズはCX-3とCX-5の中間的サイズとなっている。
CX-30はCX-3とCX-5の中間的サイズで、クーペルックのSUVとして伸びやかなエクステリアデザインが与えれれている
ではなぜCX-4ではなくCX-30という車名なのか? マツダの新世代SUVということをアピールするためにふたケタ数字の30を使ったというのが一番大きな理由だ。
同時に日本では販売されていない中国専用SUVの CX-4というクルマが存在するため、CX-4にすることができなかったという事情もあったに違いない。
これがマツダ初のクーペSUVのCX-4でCX-5がベースとなっている。中国専売車種のため日本では発売されていないが、フォルムが美しい
サイズ
★ボディサイズ
■C-HR:全長4385×全幅1795×全高1540mm、ホイールベース:2640mm
■CX-30:全長4395×全幅1795×全高1540mm、ホイールベース:2655mm
両車のボディサイズは驚くほど酷似していて、CX-30が全長で10mm、ホイールベースで15mm長いだけということでほぼ同じと思っていい。
全幅はともに1795mmで3ナンバーサイズとなるが、両車とも全長が4400mmを切っているので住宅街などでも取り回しやすいサイズだ。
取り回し性の目安となる最小回転半径はC-HRが5.2mに対しCX-30が5.3mとなっていてわずかな差だが、C-HRに軍配。
偶然の産物とはいえ、C-HRとCX-30のボディサイズはほぼ同じ。ワイド&ショートのプロポーションのクーペSUVだ
C-HR、CX-30とも全幅は1795mmのため3ナンバーサイズなのだが、全長が440mmを切るショートボディなので扱いやすいのが魅力
★室内寸法
■C-HR:室内長1800×室内幅1455×室内高1210mm
■CX-30:室内長1830×室内幅1490×室内高1210mm
ほぼ同じボディサイズながら、室内寸法に関してはCX-30のほうが広く活用していることがわかる。リアシートに3人掛けする場合は、CX-30の40mm差は非常に重宝するだろうが、それ以外のシーンではほぼ差を感じられないかも。
ボディサイズ、室内寸法ともほぼ同じながら、室内幅でCX-30が40mm広いのはリアに3人乗車した時に恩恵があるハズ(写真はCX-30)
デザイン
デザインは趣味趣向が反映されるため正解はないが、C-HR、CX-30とも万人受けするデザインではなく好みがわかれると思われる。
C-HRはトヨタの推進するキーンルックを採用してスポーティ感、見た目の派手さをアピールするには最適。ボディにもいろいろなラインやエッジが配されていて街中でも埋没することはまずありえないほど目立つ存在だ。
マツダが推進している魂動デザインの最新モデルがCX-30で、光の当たり方でボディの面の表情が変わるのが特徴。クーペとSUVが見事に融合している
いっぽうCX-30は定評のあるマツダの魂動(こどう)デザインを採用した最新モデルでマツダでは『深化(しんか)した魂動デザイン』と表現し、クーペの伸びやかさとSUVの力強さを絶妙に融合させている。
同じクーペルックのSUVというジャンルでもC-HRとCX-30ではコンセプト、アプローチとも異なっている。これは設定されるボディカラーを見ても一目瞭然で、ヴィヴィッドカラー、ツートンカラーを積極採用するC-HRに対し、CX-30はあくまでもシック路線に徹したボディカラーとなっている。
C-HRの魅力としてカラーバリエーションが豊富かつツートンカラーも積極的に設定しているところ。写真はマイチェンで追加されたオレンジメタリックツートン
インテリア
マツダはインテリアデザイン、シートデザインにこだわり、CX-30でもクラスを超えた質感を実現していて満足度は高いはず
インテリアデザイン、色遣いなどに関しても、エクステリアの傾向がそのまま当てはまり、ここ数年内装の素材、質感にこだわりを見せるCX-30のインテリアはこのクラスのSUVとしては群を抜いたフィニッシュを見せる。
C-HRはスポーティすぎて所有するには少々気後れする、という年配ユーザーもいるというが、もともとシックなブラック内装もあるし、マイチェンでオーキッドブラウンという落ち着いた感じのオシャレ感満載の内装色を新設定したのに注目だ。
C-HRはマイチェンでインテリアの新カラーであるオーキッドブラウンを設定。スポーティ路線のC-HRでかなりオシャレな雰囲気を演出している
パワーユニット
■C-HR:1.8L+モーター&1.2Lターボの2種類
■CX-30:ガソリンエンジンのSKYACTIV-X 2.0(2020年1月から販売を開始)&SKYACTIV-G 2.0、クリーンディーゼルのSKYACTIV-G 1.8の3種類
CX-30のSKYACTIV-X 2.0は11月中旬の段階では詳細スペックは未定
ともにトヨタ、マツダが得意とするパワートユニットをラインナップ。2020年1月から販売を開始するSKYACTIV-X 2.0はマツダ初のマイルドハイブリッド仕様となるが、2019年11月中旬の時点ではスペックは未公表(未定)となっている。
それぞれのパワーユニットに組み合わされるトランスミッションは、C-HRはハイブリッドが電気式無段変速装置、1.2Lターボが6MT&CVT、CX-30はガソリンが6MT+6AT、ディーゼルが6ATとなっているとおり、MTを選ぶならパワーユニットは限定される。
GRが専用チューニングしたサスペンションのGRスポーツが追加されたが、TNGAによるしっかり感のある走りはノーマルモデルでも定評がある
マツダはSUVにも積極的に6MTを採用していて一定の需要があるが、トヨタがマイチェンでC-HRに待望の6MTを設定したのはMT派にとっては朗報と言えるだろう。販売台数は見込めないかもしれないが、トヨタの英断に拍手!!
ちなみにC-HRに新たに追加された6MTは、カローラスポーツ、カローラ/カローラツーリングの1.2Lターボに設定されているものと同じだ。
駆動方式は基本はFFで、C-HRは1.2Lターボにのみ4WDを設定、CX-30は全パワーユニットに4WDを設定している。
燃費についてはカタログスペックのWLTCモード燃費で面白い傾向が見られる。
C-HRの1.8L+モーターのハイブリッドは別格の燃費性能となっていて、C-HRの1.2Lターボ(6MT)とCX-30のSKYACTIV-G 2.0がほぼ同じ燃費性能、そしてその中間がCX-30のSKYACTIV-D 1.8という結果になっている。
安全装備
安全装備に関しては最近のクルマとして当然のように充実している。
C-HRは歩行者(昼)検知機能付き衝突回避支援タイプのプリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームがセットになったトヨタセーフティセンスを全車に標準。ブラインドスポットモニターもGRを除き標準(GRは5万7200円のオプション)となっている。
C-HRは性能で定評のあるトヨタセーフティセンスを採用し多くの安全装備が標準装備されている(写真はカローラスポーツの作動イメージ)
CX-30はスマートブレーキサポート、レーダークルーズコントロール、レーンキープアシストシステム、車線逸脱警報システム、ブラインドスポットモニタリングなどの安全装備を全車に標準装備。
6ATモデルにはAT誤発進抑制制御が標準装備されるほか、最廉価モデルの20Sを除き交通標識認識システム、前側方接近車両検知、アダプティブLEDヘッドライトまでも標準装備する。
CX-30はマツダが推進するスマートブレーキサポートを筆頭に、レーダークルーズコントロール、レーンキープアシストシステム、車線逸脱警報システム、ブラインドスポットモニタリングなど多くの安全装備が全車に標準装備される
安全装備でオプション設定されているのは360°ビューモニター、ドライバーモニタリングくらいのもので、セットで8万6880円となっている。
どちらも不満はないレベルだが、数多くの安全装備が標準装備されているのはCX-30だ。
価格
C-HRの価格は、1.2Lターボが236万7000~286万3000円、ハイブリッドが273万~309万5000円となっている。非常にわかりやすく、購入したいと思わせる絶妙の価格設定だ。
SKYACTIV-X 2.0を搭載したモデルはかなり高くなるが、プレミアム性のあるSUVながらそれほど高額ではない
いっぽうCX-30は、SKYACTIV-G 2.0が239万2500~303万500円、SKYACTIV-D 1.8が288万7500~330万5500円。
2020年1月から販売を開始するSKYACTIV-X 2.0は329万4500~371万3600円ということで、SKYACTIV-G 2.0に対し約70万円高、ディーゼルに対して約40万円高ということで別格に高額となっている。
排気量などが違うため両車を単純比較できないが、C-HRの1.2LターボとCX-30のSKYACTIV-G 2.0搭載モデルがほぼ同価格帯となっている。
いっぽうC-HRのハイブリッドとCX-30のSKYACTIV-D 1.8ではC-HRのハイブリッドのほうが全体的に価格設定が安く、優れた燃費性能を考えると割安感が強調される。
まとめ
価格設定はCX-30に比べて魅力的なC-HR。このデザインが気に入ったなら、あとはハイブリッドかターボかの選択となる
この2台は同じデザインコンシャスなクーペSUVだが、キャラクターがまったく違うので、何を優先するのかで好みを含めた優劣が決まってくる。デザインを最優先するなら、気に入ったほうを選べばいい。
ボディサイズ、室内寸法に関してはほぼ同じだから優劣はないと考えていい。
差がつくのはパワーユニット。1.2Lターボに6MTを新設したことでC-HRを魅力に感じて購入対象にピックアップする人も増えると思われる。排気量は小さいが、NAエンジンと違ってターボはトルクの盛り上がりが気持ちいいのも魅力的だ。
SKYACTIV-Xも当然燃費性能に優れたものになるが、まだ全貌が判明していない。燃費を重視するなら、コストとの兼ね合いを考えると50万~70万円安く購入できるC-HRのハイブリッドの買い得感は高い。
いっぽうディーゼルは高速道路での長距離移動を頻繁にする、年間の走行距離が1万kmを大幅に超える、という人ならディーゼルの価格上昇分も燃費性能で回収しやすくなるので選ぶ価値は高くなる。
最後に安全装備で選ぶなら、標準装備の多いCX-30のほうが魅力的に映る人は多いはずだ。
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