元は強靱な4WD車だったが今はSUVの定義も広がった
日本では軽自動車、コンパクトカー、ミニバンと並ぶ人気のジャンル「SUV」。雪道や林道といった滑りやすく荒れた道に強く、荷物も詰めて、近年では乗用車に近い感覚で運転でき、着座位置が高く遠くが見渡せるので運転もしやすい。「普通とは違うクルマに乗っている」という気分にもなれるSUVは世界的にも人気が高まっており、世界中の自動車メーカーが力を入れるジャンルだ。
最近では車種も増え、SUVのなかでもいろいろなジャンルができているという状況。かつての「クロカン四駆みたいなクルマ」というイメージも変わりつつあることもあり、今一度SUVというクルマの歴史や成り立ちを細かく見直してみよう。
●そもそもSUVって何?
もともとSUVはアメリカで生まれたジャンル、車型で「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」の略である。訳すなら「路面状況が悪いところで行うことも多いスキーやキャンプ、サーフィンにも行ける機動力とスペースを持ったクルマ」といったところだろうか。
SUVが生まれた当時のクルマとしての定義は「強靭なラダー(はしご型)フレームを持つ、ピックアップの荷台にFRP製のシェルと呼ばれるハードトップをかぶせ、人や荷物が乗るようにしたクルマ」であった。
という観点で見ると、日本車では30年ほど前のトヨタハイラックスサーフや日産テラノがピッタリ合致する。そのためピックアップを持たなかったトヨタランドクルーザーや三菱ジープのようなクルマはクロカン(クロスカントリーの略)四駆と呼ばれていた。
しかしクロカン四駆に加え、トヨタRAV4が先駆けとなった「乗用車をベースに最低地上高を上げ、SUVやクロカン四駆のようなスタイルを持つクルマ」が年々増え、今では最低地上高が乗用車より高く、SUVと思えるスタイルをしていれば、SUVに分類されるという状況になっている。
●SUVにはどんな種類があるのか?
冒頭で書いた通りSUVのなかにもいくつかのジャンルがあり、代表的なものを挙げると
・クロカンSUV 強固なボディ、目安として200mm以上の最低地上高、副変速機を持つなど高いトラクションを備える4WDシステムを持つSUV。トヨタランドクルーザー、三菱パジェロ、レンジローバー、ジープラングラーなどが該当する。
・乗用車ベースのSUV SUVの主流となっているジャンルで、乗用車より高い最低地上高、主に雪道などに対応する4WDシステム(2WDがあることも多い)、それらしいスタイルを持つSUV。トヨタハリアー、ホンダヴェゼル、マツダCX-3、BMWのX系など多くのSUVが該当。
・クロスオーバーSUV ステーションワゴンなどの乗用車の最低地上高を上げ、乗用車ベースのSUVと同じく主に雪道などに対応する4WDを持つSUV。全体的に乗用車に近い感覚なのが特徴でスバルXV、スバルレガシィアウトバック、ボルボV40、V60のクロスカントリーなどが該当。
●SUVの選び方は?
クロカンSUVはオフロードでの性能は非常に高いが、重い、大きい、重さ大きさに伴い燃費や取り回しが悪い、といったデメリットも多い。そのためデメリットも頭に置き、強そうなイメージから来るカッコよさなどの表面的な理由だけで選ぶのは止めた方が無難だ。
乗用車ベースのSUV、クロスオーバーSUVに関しては、悪路走破性などほとんどの人にとって十分な性能を備えているので、ボディサイズさえ自分に合えば、イメージやスタイルなどで選んでもいいだろう。
ただし乗用車ベースやクロスオーバーSUVには、最低地上高が乗用車に毛が生えた程度しかない、4WD性能が弱いといったクルマもあるので、深い雪道を走るなどの使い方をしたいなら、カタログのスペックをよく確認するなどして自分に合った1台を選びたい。
(文:永田恵一)
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