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GRMN iQスーパーチャージャーは、ピリリとスパイスの効いたマイクロレーサーだった【10年ひと昔の新車】

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GRMN iQスーパーチャージャーは、ピリリとスパイスの効いたマイクロレーサーだった【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、GRMN iQスーパーチャージャー(プロトタイプ)だ。

GRMN iQスーパーチャージャー(2012年:プロトタイプ)
豊田章夫社長(編集部註:2012年当時)の肝いりでスタートしたGAZOOレーシングが開発した、スーパーチャージャーで武装したiQのコンプリートモデルが、今夏(編集部註:2012年)に100台限定で発売される。2009年に100台限定で発売され、1週間で完売したNAモデルに続く第2弾となる。発売開始に先駆けて、プロトタイプの試乗会が行われた。

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メーカーがコンプリートカーとして投入するだけに、その完成度の高さは既に確認済みだが、今回はさらにチューニングレベルを進化させており、内外装に加えて走りの本質ともいえるパワーユニットやトランスミッションにまで手を加えた。

ベースとなったのはMT仕様の1.3→(ゴー)で、これにスーパーチャージャーを装着。最高出力は130ps(ノーマルは94ps)、最大トルクは18.3kgm(同12.0kgm)へと大幅にアップしている。トランスミッションは同じ6速ながらファイナルレシオを変更して、従来の5速と6速がほぼ同じレンジとなる。パワーアップ+クロスレシオ+ローギアファイナルという三位一体のチューニングに、こだわりを感じさせる。

エクステリアも、低くて力強いフロントスポイラーからいっそうワイドにデザインされたブリスターフェンダーに流れるラインは、安定感とスピード感を強調する。ノーマルのiQにはサイコロのような可愛さがあったが、これにスポーツカーのような躍動感が与えられている。

期待どおりパンチのあるエンジンパワーが魅力
乗ってみると、スーパーチャージャーならではの下からスッと立ち上がってくるトルク感とレスポンスで、弾けるように速度を増す。タイヤは全体のグリップバランスを考えて、あえてインチアップせずにワイドにしたことで路面をつかむ感じも自然で、じっくりと加速方向に力を与えてくれる。6000rpmあたりでパワーは頭打ちになるのもスーパーチャージャーらしい。高回転まで回さなくとも、細かく刻んだ6速MTの2-3-4速の広いトルクバンドを使って走ることができるので、加減速はコントロールしやすい。

アクセルのON/OFFによる荷重のコントロールもしやすいので、スロットルオフだけでコーナーにターンインしても姿勢は作りやすく、出口での速度復帰も早い。ただしLSDは装着されていないから大きくインリフトさせてしまうとロスは出る。速いタイムを出すには大きな挙動変化は避けたほうが良さそうだ。

サスペンションも大きな挙動変化に可能な限り柔軟に追従するセッティングとされている。ストローク感をしっかりと保ちながら、その動きと速度を抑制することで、ボディは大きめに動くもののタイヤは路面を離すことなく、限界を高めてきている。だが限界は高めても頂点が幅広く穏やかなので、扱いやすくて速いのだ。

コンパクトで可愛いiQだが、GAZOOレーシングが手を加えることで走りに躍動感が出た。しかもそれが誰にでも手が届くところから楽しめるのが、何よりもうれしい。トヨタらしからぬ?スポーツモデルとなった、iQスーパーチャージャー。多くの市販車にも、こうしたチューンが施されたコンプリートカーが登場すれば、クルマ離れも少しは解消されていくのではないだろうか。

※編集部註:GRMN iQスーパーチャージャーは2012年7月に100台限定、車両価格は355万円で発売されました。

GRMN iQスーパーチャージャー 主要諸元


●全長×全幅×全高:3140×1705×1470mm
●ホイールベース:2000mm
●車両重量:990kg
●エンジン:直4 DOHC+スーパーチャージャー
●総排気量:1329cc
●最高出力:95kW(130ps)/5200rpm
●最大トルク:180Nm(18.3kgm)/4400rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・32L
●タイヤサイズ:195/55R16

[ アルバム : GRMN iQスーパーチャージャー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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