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贅沢は敵だ!? ロールス・ロイスが考えるラグジュアリーとは?

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贅沢は敵だ!? ロールス・ロイスが考えるラグジュアリーとは?

■ロールス・ロイス最大の成功車「ゴースト」が生まれ変わる!

 ロールス・ロイスから新型「ゴースト」がデビューすることが明らかにされたのは、2020年7月に同社の最高経営責任者、トルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏からの公開書簡が直接のきっかけだった。

【画像】アニメで見る新型「ゴースト」のヒミツをチラ見せ(6枚)

 ゴーストといえば、同社の116年に及ぶ歴史のなかでも、もっとも大きな成功を収めたモデル。そのフルモデルチェンジがいかに重要なプロジェクトであるのかは想像に難くない。それは単に先代のコンセプトを継承しただけではなく、これからのロールス・ロイスを象徴する、新しいコンセプトを反映したモデルでなければならないのだ。

 ロールス・ロイスはそのコンセプトを紹介するために、現在までに4本のアニメーションをインスタグラムのロールス・ロイス・アカウントで公開しているが、それによると新型ゴーストはよりシンプルで、かつ華美な装飾に頼らないモデルに進化を遂げるようだ。

 そのコンセプトを詳しく説明したのが、冒頭に触れたトルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏からの書簡。そこには新型ゴーストのコンセプトや成り立ちが分かりやすく説明されているので、あえてその全文を引用しよう。

●トルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏からの書簡

2020年7月27日 グッドウッド

 ロールス・ロイスからのニューモデルの誕生は、間違いなく歴史的な瞬間となるでしょう。しかし同時に、新型ゴーストの導入にはきわめて重大な責任が伴います。

 今秋デビューする新型ゴーストは、2009年の発売以来、当ブランドの116年の歴史においてもっとも成功したモデルとなった初代グッドウッド・ゴーストの後継モデルです。初代ゴーストは時代を超越した魅力を湛えたクルマで、10年以上に及ぶ長いライフスパンを享受し、素晴らしい成果を残してきました。

 その後を継ぐニューモデルの開発が最終段階にさしかかったとき、私たちは新型コロナウィルス感染症の世界的な大流行に直面しました。この目に見えない敵は、世界中の人々の暮らしや経済に深刻な影を落としました。

 ロールス・ロイスでは、そんな逆境のなかでも常に前向きなスピリットを維持してきました。

 グッドウッドにあるロールス・ロイス本社工場や世界各地で働く従業員の健康と幸福に最大限の重点を置いた上で、私たちは責任を持って慎重にこの素晴らしいクルマの最終的な仕上げ作業をシンプルに続けてきました。

 この経験が私たちに思い起こさせてくれたことがあります。「スピリット・オブ・エクスタシー」をシンボルに掲げるロールス・ロイスが、それはこれまでも、しなやかな強さとともに困難に耐え、大きな夢と努力の象徴としてカスタマーに支持されてきたということです。

 次の10年間にわたって、ゴーストの顧客の心に響く製品を創り出すために、私たちは顧客が何を求め、何を欲しているのか、その声にじっくりと耳を傾ける必要がありました。その結果わかったことは、顧客はゴーストの多様性と、キャラクターの幅広さにとりわけ大きな魅力を感じている、ということでした。

 ゴーストは、オーナーが自らステアリングを握ってドライビングを楽しめるクルマであると同時に、必要に応じてショーファー・ドリブン・カーとしての役目を果たすことも求められています。

 そして顧客は、その無駄をそぎ落したシンプルさに魅力を感じ、ゴーストを称して「ロールス・ロイスを所有するための、小柄で控えめな手段」と形容しています。

 さらに、これまで以上にミニマリズムを追求したデザインを強く望む声も聞かれました。この要望はウェスト・サセックス州グッドウッドのロールス・ロイス本社における、ラグジュアリー・インテリジェンス部門やデザイナーたちの研究結果とも共鳴するものでした。

■ラグジュアリーの新潮流「ポスト・オピュレンス」とは?

 ここ数年、ゴーストの顧客を含む特定の富裕層顧客の動向を調査研究してきた私たちは、この動向を「ポスト・オピュレンス」(贅沢からの脱却)と名付けました。

●無駄な装飾を一切廃するミニマル志向へ

 私たちは、こうした顧客がミニマルで抑制の効いたラグジュアリーを好む傾向にあることに気づきました。彼らは無駄な装飾を否定し、デザインの純粋性を好みます。

 このミニマリズムに加えて、ゴーストの顧客は革新的かつエフォートレスなテクノロジーと、現実的で確かなエンジニアリングも求めています。

 もちろん、努力と成功を象徴し、偉大さを感じさせ、圧倒的な存在感を放つ贅沢なアイテムや自動車の市場は今後も存在するでしょう。けれども、私たちロールス・ロイスは、グローバルな富裕層市場を構成する顧客層におけるニーズの変化に常に注意を払っているのです。

 その流れのなかで、私たちは5年前、新型ゴーストの開発に着手しました。そしてそれは、初代から引き継いだコンポーネントがスピリット・オブ・エクスタシーと傘だけという、完全な新開発モデルへと結びつきました。

 新型ゴーストは、英国ウェスト・サセックス州グッドウッドにあるグローバル・センター・オブ・ラグジュアリー・マニュファクチャリング・エクセレンスにおいて、ゼロからデザイン・開発・製作されました。これが「ポスト・オピュレンス」志向の顧客層の要望と期待に対する私たちの答えです。

 ゴーストは、ロールス・ロイスとして史上もっとも純粋な表現に徹したモデルです。これは、当ブランドの構成要素を再解釈して生み出された、美しくミニマルかつ複雑な製品で、ゴーストの顧客のニーズに完璧に調和しています。また、いま私たちが生きている時代にも完璧に同調しているモデルであると私は考えています。

 ロールス・ロイスは常に将来を見据えて歩み続けています。当社は、その時代の一時的な制約にとらわれたり縛られたりしない製品づくりを追求しています。

 私たちは積極性と希望を持って、より良い将来のために計画を立て、完璧を求めて努力し、偉業や大望を想起させる力強いシンボルを作り出していきます。

 このスピリットに則り、私たちは今後数か月をかけ、皆様に新型ゴーストを味わっていただく機会をご提供します。この歴史的な瞬間についての詳細な情報は、数週間のうちにお届けします。

 まずは、4つの美しいアニメーションによりゴーストの顧客層のライフスタイルと、かつてない崇高な表現で具現化された、このロールス・ロイスを支える高度な技術に関する詳細をご紹介します。

 こうした形での情報提供を経て、最終的に新型ゴーストはフルデジタルの環境で皆様に公開されます。その後、顧客向け、メディア向け、および一般向けのイベントを世界各地で開催する予定です。

 お体に気をつけて、ぜひ前向きなスピリットでお過ごしください。

* * *

 ロールス・ロイスがいかにシンプルで魅力的な造形のサルーンを生み出すのか。それを今から楽しみに待つ顧客は世界中に多く存在するだろう。

 最新の情報によれば、新型ゴーストの駆動方式は4WD。さらに後輪操舵も組み合わされるという。サスペンションには、これまで熟成が図られてきたマジック・コントロールがさらに性能を向上させて採用され、ドライバーとしてもパッセンジャーとしても、その動きには多いに満足できるに違いない。

 新型ゴーストのデビューまであとわずか。これまでと共通のパーツはフロントノーズに輝く「スプリット・オブ・エクスタシー」と、Bピラーに収納される傘のみというから、やはりその期待は大いに高まる。

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みんなのコメント

1件
  • 贅沢は敵といい、全身贅沢の塊・象徴であるロールス・ロイスって意味わからん!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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