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ホンダ「S-MX」の「走るラブホ」はホントだった!? ティッシュボックス以外にも間接照明でムード満点でした【カタログは語る】

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ホンダ「S-MX」の「走るラブホ」はホントだった!? ティッシュボックス以外にも間接照明でムード満点でした【カタログは語る】

ベンチシートとフルフラットアレンジを備えた「恋愛仕様」ミニバン

初代「オデッセイ」以降、ホンダが打ち出した「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」の第4弾として1996年11月に登場したのが「S-MX」。今風に言えばイケイケな感じで当時勢いに乗った(その代わりに以降ミニバンのメーカーのイメージが強まった)ホンダが、「ニュー・パッセンジャーカー」をサブテーマに登場させたクルマで、車名のSはStreet、MはMover、Xは未知のXを表わした。

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今、手元で当時の広報資料を見直していると「ステップ・バーン」なる愛称が付けられていたのを思い出したが、それは往年の「ステップバン」と掛けたダジャレでもあったが、「青春を燃やす情熱のバーン(Burn)という意味あいをこめてS-MXに与えた愛称」とも記されている。

ティッシュボックスもしっかり収納、あらゆる用途を想定していた

人(筆者)の頭はネットにもWi-Fiにも繋がっていないから、きわめて個人的な経験がベースのここだけの話はAIには書けないだろうしChatGPTにも答えられないはず。……と威張るほどでもないが、ともかくS-MXの実車を初めて屋外で目の当たりにした時のインパクトは、なかなかのものだった。それはGOLD CARトップの一冊まるごとS-MX特集本の事前取材で栃木のテストコースを訪ねたときのこと。僕の担当は試乗とデザイナーのインタビューだったが、今でも目に浮かぶのはLPL(ラージ・プロジェクト・リーダー/開発責任者)以下、開発メンバーが皆、「こんなクルマを作っちゃいました。どう? 面白そうでしょ?」と言わんばかりの笑顔だったということ。

そうなればコチラも眉間にシワを寄せてコーナリング時のアンダーステアが云々……などと書いている場合ではない。自分の試乗記をチラッと読み返してみても、文面にジューシィ・フルーツの「恋のベンチシート」だとかモノラル録音のPuffyの曲を流しながら……だとか、じつにカジュアルな書き方をしている。

もちろんデザイナーのインタビューも、想像されるようになごやかなものだった。記事を見返すと、インテリアのパートの書き出しは「まず人の気持ちに応えられることを重視した」などと記事上では意外にもカタいトーン。核心部分の(?)リアのサイドトレイの話も「シートポジションや姿勢で使い勝手、見え方が変わるため、フルフラット状態で検討するなどした。ドライブスルーの紙のトレイが置けるようにした」などの説明。

唯一、読み解けば「トレイの下にはケミカル用品などが収納可能なほか、夜間の使用性も考え、間接照明的にトレイ部を照らす専用ランプも備えた」の部分が、記事上ではもっとも核心に迫った言葉が引き出せた部分か。

記事上では……と書いたのは、たしか文字にしていないオフレコで、若さあふれるデザイナー諸氏とのやりとりの中でティッシュボックスが置けるようにした話などで盛り上がったはず。後にS-MXが「走るラブホ」などと言われたのは有名だが、あらゆる用途がじつは開発段階で織り込み済みだったのである。郷に入っては郷に従えで、筆者もクックックッ、ムフフなどと、言葉にならない相づちを打ちながら楽しくインタビューさせていただいたことを思い出す。

ユーティリティ以外にも開発陣のこだわり満載だった

ちなみに広告展開時のコピーは「恋愛仕様。True Love」。TV-CMにはエルトン・ジョン&キキ・ディーのデュエットによる同名のスローバラード曲が使われた。もちろん甘々なラブソングである。

ところでカタログも当然ながらふるっていた。初版の表紙はクルマのイメージカラーだったパッションオレンジ・メタリックのオレンジを全面に敷いたインパクトのあるもの。ところがページを開くと今度はモノクロ写真に、アクセント色を使って各パートごとのアピールポイントが書かれている。だが、それらは書き出すと、堂々仕様/快走仕様/信頼仕様/協奏仕様/空創仕様/光彩仕様……と、ややクセのある漢字4文字で表記。

たとえば協奏仕様とは、直径65mmの大径エクゾーストパイプを採用するなどして高速域での加速性能の向上と伸びやかでクリアな排気音を達成していることの説明なのだが、目次には「恋をすると、風も雨も波もモーツァルトになる」とあったりする。

じつはS-MXの開発メンバーは、後のホンダ車の開発上のキーマンとなる人物だらけで、平たく言うと濃い人ばかり。そうした人たちが、オレに言わせろ的に直訴しているのが目に浮かぶようだが、(開発者の顔ぶれを知っていると)そうした濃密なメッセージにあふれたカタログでもあった。

メーカー純正のローダウン仕様もラインナップ

なおデビュー当初からあった車高が15mm低められたローダウン仕様はカタログが別刷りとなっていて、コチラは黒地の表紙でページをめくるとテーマの「カフェレーサーになろう。」のフリーハンドの文字が現れる。

一方でホンダアクセスによる純正アクセサリーカタログも全34ページの厚口。アメリカン・カスタム、ネイチャー・トレックといったテーマごとのアイテムの紹介、さらに黒革調を始めとしたシートカバー、ギャザズ(Gathers)のオーディオ&ビジュアルなど充実したアイテムが載っている。

ちなみに本機のカタログは1997年9月のマイナーチェンジでは白地にオレンジのS-MXのロゴが配されたものに。さらに1998年5月版では地色がシルバー、S-MXのロゴはこのときの新色のルビーレッド・パールに。手元には1999年(標準車の定員が4名→5名に)、2000年(全体的にお買い得仕様に)のカタログまであるが、やはりデビュー当初の頃のほうが勢いがあったのは、今、カタログで振り返ってもわかる。

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みんなのコメント

28件
  • この記事で分かったのは筆者のスケベ心だなぁwww
  • Nボックスの兄貴分で復刻すればウケるんじゃね
    L(ラブ)勃クスとかでさ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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