MFカジャー号に代わって我が編集部にやってきた新しい長期レポート車はルノー・メガーヌGTである。これから編集部員の取材の足として、機材車として、大活躍してもらうことになる。第一回目の今回は、メガーヌGTを選んだ理由と、慣らし運転がてらゴールデンウィークの観光地へとドライブしてきた印象を報告しよう。レポート日:2019年5月1日オドメーター:855kmTEXT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
自動車専門メディアの編集部には取材&機材車が必須だ。自動車の取材現場は、公共の交通機関のアクセスが悪いところが多く、さらには撮影機材もかさばる。
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そんなわけでこれまで、ルノー・カジャーに取材&機材車、そして長期レポート車として活躍してもらったのだが、先月初旬をもって退役となった。その後継機として白羽の矢が立ったのが、ルノー・メガーヌGTである。
なぜメガーヌGTを選んだのか? 我々の取材&機材車に求められる要件を高い次元で備えていると思われたからだ。
まず、我々の取材は長距離移動が多い。だから高い快適性は必須だ。メガーヌのブ厚い極上シートの疲労度の少なさは、すでにこれまでの試乗で確認済みである。
長年の経験から、ただひたすら快適なだけのクルマは、ある一定の運転時間、もしくは走行距離を超えると退屈すぎて運転が苦痛になってくる。快適さのみを追求するなら新幹線や飛行機に乗ればいい。一日1000kmを走破するような場合、「運転という行為にいかに前向きにあり続けられるか」が重要になってくる。ルノー・スポールが開発を担ったメガーヌGTであれば、ドライビング・プレジャーという面でも申し分ない。
とはいえ取材&機材車の場合、クルマに出しゃばられ過ぎても困る。あくまで取材の「足」なのだから、移動の段階で体力気力を使い果たすわけにもいかない。ルノー・スポールが手がけたメガーヌでも、R.S.ではなくGTを選んだのはそういった理由からだ。
そしてもちろん、大人4名とカメラ機材がしっかり積めるスペースを備えていることも求められた。
これらの要件を満たした最善の選択肢がメガーヌGTである……というのが、現時点での我々の判断だ。今後、その判断が正しかったのかどうかを順次レポートしていく予定だ。
中古車だった先代レポート車のMFカジャー号と違い、今度のMFメガーヌGT号の納車された時点でのオドメーターは200kmほどで、つまりまっさらの新車である。
そんなわけで、ひとまず慣らし運転をやろうと考えた。最初の500kmは3000rpm、次の500kmは4000rpmを目安に、急加速をしない走りを心がけるというものだ。
実はこのレポートに先駆け、MFメガーヌGT号は4月14日に富士スピードウェイで開催された大試乗会に供されたため、すでにオドメーターは500kmに達している。
その後、「世界の自動車オールアルバム2019(4月30日発売)」の編集作業に追われたためにMFメガーヌGT号に乗る時間がなく、ようやくゴールデンウィークを迎えて慣らし運転を再開できたというわけだ。
大渋滞確定の特大10連休にドライブに出掛けるのはかなりの覚悟が必要だったが、これもいいネタになると思い、4月28日(日)、東京から伊豆半島を目指して東名高速に突入!
だがしかし、結果的には横浜町田あたりから厚木までの、いつもの渋滞とさして変わらず、肩透かしを喰らった感じだ。
とはいえ我々の取材は比較的空いている平日に行うことが通例のため、より多くの読者のみなさまに近いクルマの使い方をしてみる意味はあっただろう。
東名高速から小田原厚木道路、箱根新道、伊豆スカイラインを経て天城高原へ。城ヶ崎から海岸線沿いに湯河原まで北上し、そこから椿ラインを経て大観山から箱根ターンパイクで小田原へ。あとは往路の折り返しで東京へ帰着した。
復路も厚木から横浜町田あたりまでは恒例の渋滞に見舞われた。まぁ、いつもどおりの道路状況である。
慣らし運転とはいえ、とくに我慢を強いられるような運転とはならず、椿ラインではそれなりのペースでハンドリングを楽しむことができた。
結局、一日で350kmほどを走ったが、身体の疲れや痛みは皆無であった。平均速度は44km/hで、平均燃費は13.7km/Lだった。まだおろしたての新車だったことと、予想ほどではなかったとはいえそれなりの渋滞に見舞われたことを考えればまずまずの結果と言えそうだ。
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