10月28日、三菱自動車(以下、三菱)は、新型「アウトランダーPHEV」の日本仕様を発表した。
内外装のデザインを刷新
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新型アウトランダーPHEVは、プラグ・イン・ハイブリッドシステムを採用したミドルクラスサイズのSUVだ。海外市場ですでに発表済みのガソリン・モデルは導入されず、日本仕様はPHEVのみの展開である。
新型は、新しいスタイリング・コンセプトの「BOLD STRIDE(ボールド・ストライド)」に基づき、「堂々とした存在感のある佇まい、大地を踏みしめる力強さ、新しい 一歩を踏み出す頼もしさを全身で表現しています」とのことだ。
「DYNAMIC SHIELD(ダイナミック・シールド)」と呼ぶフロントまわりのデザインをさらに強調するとともに、飛行機の垂直尾翼をモチーフにしたDピラーの造形などによって、力強く軽快な走りを想起させるという。
リア・エンドには、ボディの左右両端にまで広がる水平基調のテールランプを採用した。
ボディカラーには、高輝度かつ鮮明なダイヤモンドカラーシリーズの「ホワイトダイヤモンド」、「レッドダイヤモンド」、そして新たに追加された「ブラックダイヤモンド」の3 色を中心とした全10色が用意されている。
水平基調のインパネまわりのデザインは、走行時の車体姿勢の変化をつかみやすくするためで、各所には、触感がよいソフトパッドを使い、それらにステッチもあしらうことでクオリティを高めた、とされる。「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に沿って、モニターやメーターは視認性を高め、セレクター、ダイアル、スイッチ類は操作時の“節度感”にこだわったという。
インフォテインメントシステムは、ドライバーの視線移動を少なくし、運転に必要な情報が見やすいよう工夫された。
12.3 インチのフル液晶ドライバーディスプレイや10.8 インチのウインドシールド投写型ヘッドアップディスプレイ、スマートフォン連携のナビゲーションシステムが採用された。
電気のみで87km走行出来る!
PHEVのパワーユニットは刷新された。EV 航続距離を延長し、EV らしい加速感を向上させたという。2359cc直列4気筒DOHCガソリン・エンジン(134ps/5000rpm、195Nm/4300rpm)にふたつのモーター(フロント85kW/255Nm、リア100kW/195Nm)を組み合わせる。
フロント及びリアモーターの出力を約40%高め、アクセルを強く踏み込むシーンでも極力エンジンを始動せずに EV 走行が維持できるようになった。駆動用バッテリーは総電力量20kWhで、EV走行可能距離は最大87km(WLTC モード)を実現した。また、ガソリンタンク容量を増やし、EV 走行とハイブリッド(エンジン+モーター)走行を組み合わせた総合航続可能距離も大幅に延びたという。
リアモーター形状の見直しによって、サードシート設置に必要なフロアスペースを確保し、歴代初の7 人乗りシートレイアウトを実現したこともニュースだ。
駆動方式は、前後それぞれに 1 基ずつモーターを搭載するツインモーター4WD 。横滑り防止装置とABSなどを統合制御する「S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)」システムには、新たに後輪側にも「ブレーキAYC機能」を追加し、左右輪のブレーキ制御を前後輪で出来るようになった。
路面状況や運転スタイルに応じて選択できる7つのドライブモードには、舗装路での通常走行に最適な「NORMAL(ノーマル)」を基本に、乾燥舗装路でキビキビと加速するアクセルレスポンスと高い旋回性を発揮する「TARMAC(ターマック)」、 未舗装路や濡れた舗装路での操縦性と走破性をバランスさせた「GRAVEL(グラベル)」、雪道などの滑りやすい路面で車両挙動を安定させる「SNOW (スノー)」、泥濘路や深雪路で車速に応じてタイヤのスリップ率を最適化し、高い走破性を実現してスタック時に優れた脱出性を発揮する「MUD(マッド)」、力強い加速が必要な場合の「POWER(パワー)」、そして環境に優しく経済的な「ECO(エコ)」のオプションがある。
運転支援装備は、新たに高速道路同一車線運転支援機能「MI-PILOT」を搭載した。レーダークルーズコントロールシステムとレーンキープアシストを統合したこの制御は、車間距離と車線中央をキープするようアシストするので、高速道路での長距離走行や渋滞にともなう疲労を低減する。さらに、速度標識を認識し設定速度を自動で切り替え、渋滞時では停車後、約 30 秒以内の自動発進を実現した。
グレードは、ベーシックな「M」(5人乗り)、20インチ・ホイールやコネクテッド機能などを充実した「G」(5人乗り/7人乗り)、BOSEプレミアムサウンドシステムなどを標準装備した上級仕様の「P」(7人乗り)の3つ。価格は462万1100円~532万円。
文・稲垣邦康(GQ)
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