「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ CL550だ。
メルセデス・ベンツ CL550(2010年:大幅改良)
2010年11月にメルセデス・ベンツのフラッグシップ・クーペ、CLクラスが大幅改良された。前後のデザインを一新し、新開発の4.7L V8直噴ツインターボを搭載した「CL550」が新たに設定された。まずは、このモデルにさっそく試乗してみることにしよう。
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このCL550、CLクラスとしてはエントリーグレードとなる。とはいえ、車両価格は1630万円ナリ。さすがに、車両価格も存在感もスペシャルな2ドアクーペモデルだ。
車名は550と従来型と変わらないが、搭載されるエンジンは5.5Lから4.7Lにダウンサイズされた。その代わりとして、ツインターボの装着やピエゾインジェクターによる精密直接噴射、マルチスパークイグニッションなどで、パワーと低燃費を両立させてきた。
パワースペックは、最高出力は従来型比+48psの435ps、最大トルクは同+70Nmの700Nmと大幅にパワーアップしながら、10・15モード燃費は8.0km/Lを達成し、CO2排出量は224g/kmと従来型の78%に抑え込んでいる。排気量はダウンしてもエンジンパフォーマンス的には5.5Lと変わらない(いや、それ以上)だから、車名は550のままとなったのだろう。
低速トルクは分厚く、乗り心地は重厚そのもの
出力特性は、最大トルクを1800~3500rpmで得ていることから想像できるように、V8ツインターボは1500rpmも回っていれば十分体感できるほど低速トルクが太い。7速ATとのマッチングも良く、一般道の走行ならほとんど2000rpm程度でこなしてしまう。もちろん、そのパフォーマンスを感じられるのは3000rpm以上。その気になれば、パドルシフトでパワーを余すところなく使いきって走る楽しさが味わえる。
足まわりは意外とソフトで、ロールもそれなりに出るのだが、操縦安定の特性がメルセデス流の弱アンダーを徹底的に維持する設定なので、恐怖感とは無縁だ。これにはステアリングホイールの操作なりに回頭していく素直な動きも貢献している。車両重量が2トンを超えることもあり、乗り心地は重厚そのもの。上下方向の動きもゆったりとした穏やかな収束を見せる。また加速中でもキャビンの静粛性は高く、ラグジュアリークーペらしい乗り心地が得られている。
エクステリアは、LEDを採用して先進性を訴求したヘッドランプや、ボンネット、バンパー、アルミホイールのデザインを一新して高級感を高めた。内装の質感も文句なしで、セミアニリンレザー張りのシートやダッシュに用いられたウッドトリムが、硬質になりがちな機能性に温かみを与えている。
また運転席にはスライドやハイト調整に加え、背もたれと座面のサポート調整機能(もちろん電動だ)が設定されていて、これにステアリングのチルト&テレスコピック調整を加えると、完璧なドライビングポジションが得られる。大柄なボディを意識させない取りまわしが可能なのも、完璧なドライビングポジションが取れるから、と言えるかもしれない。
■メルセデス・ベンツ CL550 主要諸元
●全長×全幅×全高:5100×1870×1420mm
●ホイールベース:2955mm
●車両重量:2060kg
●エンジン種類:V8 DOHCツインターボ
●排気量:4663cc
●最高出力:320kW<435ps>/5250rpm
●最大トルク:700Nm<71.4kgm>/1800-3500rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:8.0km/L
●タイヤ:255/45R18
●当時の車両価格(税込):1630万円
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