初代モデルは1982年に誕生、1990年代のRVブームをけん引し、一時は爆発的な人気を得たものの、2019年に販売終了となってしまった、三菱の本格オフローダー「パジェロ」。
本格オフローダーといえば、2021年にフルモデルチェンジとなった新型の300系ランドクルーザーは、納車まで数年待ち、スズキのJB64ジムニーも1年以上待ちと、異常な人気ぶりだ。この人気をみれば、一世を風靡した偉大なモデルである「パジェロ」も、復活があってもいいのでは!? と思えてくる。
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パジェロ復活の可能性について、考察してみよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:MITSUBISHI、ベストカー編集部
[gallink]
乗用車の常識を覆したパジェロ
当時、「ジープ」のライセンス生産を手掛けていた三菱。しかし、契約上輸出が許されなかったため、販売市場拡大できず、自社独自のオフローダー開発の機運が高まっていた。
そこで開発されたのが「パジェロ」だ。ラダーフレーム構造をもつパジェロは、本格的なオフロード性能を有しながらも、日常使いでも乗りやすいモデルとして登場。
初代パジェロが登場した1982年当時、オフローダーといえば、トヨタのランドクルーザーや日産のサファリがすでに活躍していたが、悪路で活躍する作業車、というイメージで、いまのように乗用車としては浸透しておらず、乗用車といえばセダンが当たり前の時代。そこへ、アウトドアレジャーで快適に、かつ気軽に乗れるオフローダーという、ありそうでなかったポイントをしっかり抑えて登場したのが、パジェロだった。
パジェロはさらに、1983年に参戦したパリ・ダカールラリーの市販車無改造クラスでデビュー・ウィンを果たし、その後もレースで活躍。パジェロの性能の高さを示すとともに、オフローダーの商用車イメージの脱却に大きく貢献した。
1990年代にはモダンに進化した2代目にスイッチ。空前のRVブームも手伝ってパジェロの販売は激増し、1992年に国内月販台数ランキングで1位を獲得するほど市場を席捲。オフローダーの代名詞的な存在にまでなった。某テレビ番組で、景品をダーツで決める際の「パジェロ!! パジェロ!!」という掛け声を覚えている方も多いだろう。セダンとオフローダーの溝を埋め、乗用車の常識を覆したパジェロの功績は大きく、現在のSUV人気の源流は、間違いなく、このパジェロだ。
1982年登場の初代パジェロ。ショートのメタルトップとキャンバストップの2種類があった
クロスオーバーSUV の登場で、需要が縮小
しかし、1990年代後半になると、トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」などの、モノコックボディのシティ派、いわゆる「クロスオーバーSUV」が登場。セダンやコンパクトカーから乗り換えても違和感のない快適さで、たちまち人気となり、パジェロ人気に陰りが見え始める。
日本ではほとんどの道路が舗装されており、雪国であっても除雪状況がある程度行き届いていることから、少し車高の高い4WDがあれば全く問題はない。週末に、ちょっとアウトドアレジャーに行くぐらいならクロスオーバーSUVでも十分だし、モノコックボディならデザインの自由度も高く、スタイリッシュにできる。需要の移り変わりは仕方のないことだった。
こうして、パジェロのような本格オフローダーはややマニアックなモデルで、本当に好きな人が選ぶクルマというイメージに変化していった。もちろんこれはパジェロに限らず、他社メーカーのオフローダーにも当てはまり、市場自体が縮小。
加えて、2000年代には三菱のリコール隠し問題の影響もあって国内販売が減少、三菱全体の業績が悪化するなかで、2016年には日産が三菱の筆頭株主となり、ルノー・日産アライアンスに参加、三菱の経営戦略が大きく変化することになった。この影響でパジェロは生産中止となり、40年近い歴史に幕を閉じることになってしまった。
1991年、すべてが進化した2代目パジェロがデビューした。フルタイム4WDとパートタイム4WDの両方の特長をあわせ持つ世界初のスーパーセレクト4WDを採用
「パジェロ」の魂は海外で生き続けている
パジェロは生産終了となってしまったが、「パジェロ」の名は今も海外で生きている。かつて日本で「チャレンジャー」という名前で販売されていたミドルクラスのオフロードSUVが、「パジェロスポーツ」として、東南アジアなどで現在も販売されているのだ。
チャレンジャーは、2001年にエアトレックに代わる形で国内販売を終了したのだが、その後、世界戦略車として新興国を中心に販売が続けられており、現行型は3代目となっている。
パジェロスポーツは後輪駆動ベースのオフロードSUVで、3列シート7人乗り。パジェロと同じスーパーセレクト4WD-IIというパッケージング&メカニズムをもち、ダイナミックシールドの洗練された顔つきでありながら、いかにもオフローダーと言わんばかりの骨太なフォルムが実にカッコいい。
三菱のお家事情を考えると、次期パジェロを新たに開発して投入という可能性はかなり低いだろうが、このパジェロスポーツを日本に導入するということはできなくもない。パワートレインを日本の環境規制に合わせて変更する等、いろいろハードルもあるだろうが、パジェロファンのためにもなんとか導入してほしいと思う。
2021年にインドネシアで発表された3代目の大幅改良モデル。8インチカラー液晶メーターやスマートフォンでも開閉できるエレクトリックテールゲートなど、最新モデルとして申し分のない仕様である
◆ ◆ ◆
現在のSUV人気は、クロスオーバーSUVが中心であり、当の三菱もアウトランダーPHEVが販売の主力車種だ。東京オートサロン2022の三菱ブースには新型アウトランダーPHEVのラリーアート仕様が参考出品として登場していた。
気候変動対策によって、各自動車メーカーが難しい舵取りを迫られる中ではあるが、乗用車の概念を大きく変えたパジェロの偉大な功績を考えると、ぜひともその名前は残していてほしい。
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みんなのコメント
RVタイプの車は大きくなり過ぎた。
パッケージを考えてカッコイイ新型を出してくれたら購入を考えるユーザーもいると思う。
あとRALLIARTもね。