■日産が経営計画「The Arc」を発表! 自動車評論家の分析はいかに
日産が突如、「The Arc」とネーミングされた経営計画を発表した。
目玉は344万台規模だった2023年から2026年までに100万台の販売増を目指すというもの。
「素晴らしい!」と評価すべきか「そんなことできっこないでしょ!」と腹を抱えて笑っていいのか迷うけれど、とりあえず真剣に日産の計画を分析&評価してみたいと思う。
まず100万台増の詳細など。稼ぎ頭となっている北米は2023年に123万台を売った。
ここから33万台増という目標。そのため、3年間で現行ラインナップの8割を刷新するそうな(7車種)。
さらにハイブリッドのニーズ急上昇を受け、eパワーも投入する。可能だろうか。
現状で言えば、日産はアメリカで伸び悩んでしまっている。「ローグ(日本名エクストレイル)」など大量の在庫を抱えてしまってます。
なぜかといえばトヨタ「RAV4」と比べ燃費悪いから。
だからこそeパワーの投入なんだろうけれど、アメリカの高速道路って驚くほど流れが速い。
空いていれば120km/h以上です。eパワー最大の弱点といえば高速燃費。
おそらくRAV4と比べられたら圧倒的な差が付くと思う。
さらにアメリカのユーチューブで日産の4WD評価はヒジョウに厳しい。悪路走破性能の低さが目立つ。
しかもアメリカ市場はトヨタやホンダ、マツダ、スバルが必死。
シェアを奪うどころか、日産の販売低迷にブレーキ掛けることさえ出来るんだろうか、と言われている。
ライバルメーカーのアメリカ担当によれば「今の日産のポテンシャルを考えたら33万台増ってどんだけ楽天的なんでしょうと思います」。
2023年は2022年比で26%伸びている。そのまんま2024年以降も伸びるということか。
中国の楽天的な目標も凄い。20万台伸ばして100万台にするという。
今や中国市場は日本勢の多くは撤退戦だ。電気自動車やPHVの低価格が進み、中国車の売れ行きが急速に伸びているためです。
2024年に入って中国勢のPHVが日本勢のハイブリッドと同じ価格になってしまい打つ手無し。
超楽観的な予想でも現状位置。20万台増やせるという根拠が全く理解出来ないです。
また、中国から10万台完成車を輸出するというけれど、西側の国は中国車など入れない。
中国に良い顔をしたい新興国は新車輸出を受け入れると思うが、その場合、日産車(中国ブランドのヴェヌーシアを含む)よりBYDや長城汽車に代表される中国民族系のメーカーのほうが圧倒的に価格競争力ある。
どこの国に10万台も輸出しようとしているのか大いなる謎です。
日本は2023年から9万台上乗せし年間60万台を売る計画(軽自動車含む)。
新型車は5モデル出す。日本市場は完全に伸び悩んでいるし、トヨタの生産台数が伸び来て以後、日産車のバックオーダーは急速に減少。
今や大半の車種が即納に近い状況にある。加えて日産のブランドイメージ低下は深刻な状況。
多くの日産関係者が「収益率は上がったけれど全体の台数で見たら下がる一方」と言う。
これまたトヨタを始めとした国内メーカーが国内販売台数を死守しようとしている中、日産だけ15%も販売台数を伸ばせるとは考えにくい。
そもそもディーラーだって減ってしまっており、販売力の低下も著しい。
次期型「サクラ」はリン酸鉄リチウム電池を採用するということも含まれているものの、このジャンルだってダイハツやズズキ、ホンダが黙っているとは思えない。
さらに「凄いね!」なのが欧州やインド。何と30万台の販売増を目標にしている。
インドはダットサンで大失敗したばかり。なのにインド工場から10万台の輸出をすると言う。
ホンダ「WR-V」のヒットを見て「イケる!」と考えたか。
インドはスズキやダイハツも狙っている。日産が存在感を出すのは相当厳しいんじゃなかろうか。トヨタすらインドで失敗してます。
おそらく多くのメディアは日産の発表を鵜呑みにして良い記事を書くと思う。
発表された資料の中に丸4灯テールのクルマもあるので「GT-Rだ!」みたいなことになるかもしれない。
冷静になって評価すると、全て「エビデンスないですね!」。
「この人は仕事出来る」という10人ほどの自動車メーカー関係者に聞いたのだけれど、1人もポジティブな評価はありませんでした。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダが「新型SUV」発表! トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」が「カッコイイ」と早くも評判に! 「e:NS2」中国で予約受付開始へ
「三種の神器」は衰退か、自動車プラモデルは老舗が奮闘…第62回 静岡ホビーショー
トヨタ新型「ランクル300」登場か? 24年夏に登場のウワサ…真相は? デビューから3年、進展はあるの?
え、軽なのにセルシオ並のシートってマジ!? 超絶斬新だった[ソニカ]が鳴かず飛ばずに終わったワケ
ホンダの新型「“丸目”軽バン」発表! 上質”ブラウン内装”&6MT設定アリ! オシャレすぎる進化遂げた「N-VAN」の豊かなカラーリングとは
みんなのコメント
2015(ゴーン): 149万台、フリート比率18%
2019(西川):135万台、フリート比率30%
2022(内田):73万台、フリート率25%
そしてコロナ禍の生産不足がようやく解消されつつある今、北米日産のフリート比率は44%で自動車一台あたり800ドル(12万円)という低利益率。以前より台数も利益率も減っているのに、2026年までに利益率6%以上という目標数値。
記事にある通り中国もインドも厳しいし、ラインナップを刷新しても現状維持できるかどうかの状況。大言壮語は日産の悪い癖だけれど、それにしてもね。