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ダイハツ不正問題「大変なご不便をおかけしているお客さまからの声を受け」プロボックス/ファミリアバン を2/12~生産再開

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ダイハツ不正問題「大変なご不便をおかけしているお客さまからの声を受け」プロボックス/ファミリアバン を2/12~生産再開

 昨年(2023年)12月20日、第三者委員会からの調査・報告により認証試験における不正が発覚し、国内4工場、全車種の生産(出荷)を停止していたダイハツ工業が、2024年2月12日より一部出荷(生産)を再開する、と発表した。以下、出荷(生産)再開に至る経緯と、今後の見通しについて報じます。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ダイハツ工業

ダイハツ不正問題「大変なご不便をおかけしているお客さまからの声を受け」プロボックス/ファミリアバン を2/12~生産再開

■「予算もあり、期限もあり、早く再開してほしい」という声が「お叱り」を超えている状況

 2024年1月31日、ダイハツ工業は一部車種(ダイハツが製造を担当するトヨタプロボックス/マツダファミリアバン)の生産・出荷を、2月12日から(生産済みの未出荷分は2月5日から)再開する、と発表した。

 不正問題が発覚した昨年末以来、ダイハツは国交省から立入検査を受けており、係官立ち合いのもと一車種ずつ再試験を実施している。

 その結果、2024年1月19日の時点で、トヨタプロボックス/マツダファミリア バン、ダイハツグランマックス カーゴ/トヨタタウンエース バン/マツダボンゴ バンの5車種については、道路運送車両法の基準に適合していることが確認されたことから、出荷停止の指示を解除する、と公表された。

ダイハツが公表した、出荷再開した一部車種リストと、今後のスケジュール(2024.1.31時点)

 そのうえで、ダイハツ工業および(親会社である)トヨタ自動車は、ダイハツ車の生産と販売再開について「国交省が許可を出したから再開する、というよりも、お客さまからもう売っていいよと言っていただけるかどうかが大事(≒生産と再開の判断は「現場」の声次第)」と言ってきた。

 こうした背景のなかで、このたびダイハツ工業は一部車種について2月12日から生産・販売の再開を決定した。

「本来であれば、国交省さまからいただいた是正命令に則って1カ月以内に再発防止策を出さなければならず、いまそれにダイハツ全社員一丸となって取り組み、しっかり準備をしております。

 いっぽうで、現場の販売店、業販店の皆さまから、当初は(今回の不正問題について)強くお叱りをいただいていたのですが、状況は日々変化しておりまして、いまは”お客さまから、一刻も早く販売を再開してほしい、納車のメドを立ててほしいと言われている、お叱りを受けるというレベルを超えて、早く納車日を教えてくれと言われている”という声が届いております。

 こうしたお客さまの気持ち、特に日々ビジネスにご利用いただいている商用車において、大変なご不便をおかけしている状況がございまして、この両方(「再発防止策を出し、社内の体制を抜本的に見直す」と「ご迷惑をおかけしているお客さまへ、必要なものを届ける」の2要素)を睨み合わせて、いま出荷再開をすべきだ、という判断をさせていただきました。

 もちろん是正命令にありました再発防止策に関しても、遅滞なくお届けしたいと考えております。」

 記者団に対して上記のように語ったのは、ダイハツ工業の武田裕介営業CS本部長(取締役)。

トヨタプロボックス、このクラスの商用バンで唯一のハイブリッド車両なので、替えが効かない。生産済みで未出荷の車両は2/5~、生産は2/12~再開する

 不正発覚後、ダイハツでは取り急ぎ(再発防止策を発表する前に)社内の開発部門と試験、評価部門をそれぞれ独立させ、認証試験を実施するのあたって開発スケジュールの影響を受けにくい体制へ改善したとのこと。

 もちろん上述のとおり、抜本的な改革は「これから」であり、時間をかけてしっかりと再発防止を実施していくという。

 今回出荷(生産)を再開したプロボックス/ファミリアバンは、このクラスの商用バンとして唯一、ハイブリッド仕様を用意している(ガソリン仕様であれば他社にライバル車が存在し、乗り換えもできるが、ハイブリッド仕様は存在しないため代替が難しい)。

 こうした事情もあって、ビジネスユースのユーザーから「予算の手続きが必要なので、早く再出荷の日取りを決めてほしい」という声が全国から強く寄せられているとのこと。

 ダイハツブランドの販売車種ではなくトヨタブランド、マツダブランドの車種であることも今回の再開決定に影響したと考えられる(同じく国交省から出荷停止指示が解除されたダイハツグランマックス カーゴ/トヨタタウンエース バン/マツダボンゴ バンは、ちょうどフルモデルチェンジの時期に当たっており、生産は次期型以降となっていて、再開の時期は未定となっている)。

 今後については、上述のとおり、まずダイハツ国内4工場のうち京都(大山崎)工場において2024年2月11日からトヨタプロボックス/マツダファミリアバンの生産を再開する。生産済みで未出荷の車両は2月5日から出荷され、早ければ同日~翌日には各販売店・業販店へ到着し、各ユーザーへ納車の手続きをとることになる。

 京都(大山崎)工場はこのほかの車種も生産・出荷しているが、上記2車種以外は、2024年3月1日まで稼働停止を延長することが決まっている。

 またダイハツ九州株式会社/大分(中津)第1工場/第2工場で生産・出荷している(上記車種に加えて、1月30日に国交省から出荷停止措置の解除を受けた)ダイハツミライース、ハイゼットトラック、ハイゼットカーゴ、アトレー(OEM車含む)に関しては、「2024年2月19日以降の稼働について調査中(お客様の声、仕入先の準備状況などを踏まえ、総合的に判断)」と発表した(上記以外の車種は2024年3月1日まで稼働停止延長)。

 今後ダイハツは、(再発防止策次第ではあるが)特に現場のお客様からの要望が強い車種から順番に、徐々に生産・出荷してゆくとみられる。

2024年1月30日の時点で国交省から「出荷停止指示」が解除された車種一覧

 こういうことを書くのは大変恐縮だし不遜だとも思うが、自動車情報専門メディアの社会的役割のため書いておくと、自動車の認証試験において不正が発覚すれば(停止命令が出て)工場の生産が止まり、生産が止まれば出荷が大幅に遅れることになって、おおぜいのユーザー、おおぜいの関係者にとんでもない迷惑をかけることは、問題発覚以前から分かっていたことだ。

 ダイハツに「取り替えの効かない車種」が多いことも分かっていたはず(そもそも簡単に取り替えれば済む車種などこの世に一車種も存在しないと信じてもいる)。

 認証試験における不正とは、「そういうこと」が起こる。だからこそ、決してやってはいけないことなのだ。

 それでも不正に手を染めざるをえない環境が、これまでのダイハツ工業にあったわけだ。

 そのうえで、どうやって反省し、これまでのお客様とこれからのお客様へ、どうやって向き合ってゆくかが、いまダイハツに問われている。

 認証不正問題の「禊(みそぎ)」はまったく終わっていない。むしろ再発防止策、再建計画、経営と業務内容、領域の見直しは、これから始まる。

 そうしたなかで、国交省からの出荷停止指示が解除された車種、法規に問題なく適合していると確認された車種については、まずは目の前の「待っているお客様」、「困っているユーザー」の要望を聞いて出荷を再開する、それが裏切ってしまったユーザーへの償いのひとつになる、という考えは、わかる。「仕方がない」という後ろ向きな妥協案というよりは、(今回の問題で、ないがしろにしてしまった)「ユーザーファースト」の一環と捉えたい。こうした事象をひとつずつ積み上げて、改善へ向かってほしい。

 こうした状況を見守りつつ、2月中旬にダイハツから出される再発防止策と業務改善計画を心して待ちたい。

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みんなのコメント

40件
  • 人生とはチ◯ポみたいなものである
    >大変なご不便をおかけしている状況がございまして、

    バレたら100%そうなることが分かってて数十年も不正してたんだよね?
  • pik********
    不正まみれのままね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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