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日産「シルビア」は異端児!? デートからドリフトまで幅広く支持される理由とは

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日産「シルビア」は異端児!?  デートからドリフトまで幅広く支持される理由とは

■シルビアは世代や性別を超えて愛される? その理由はナニ?

 かつてはデートカーとして若者を中心に絶大な支持を得ていた日産「シルビア」は、近年はドリフトカーとしても高い人気を誇っています。長年愛される理由は、どこにあるのでしょうか。

日産「シルビア」e-POWER搭載で復活か! 新世代スポーツの可能性

 シルビアは、1964年の初代モデルから2002年の7代目モデルまで、およそ40年に渡って販売されたモデルです。

 なかでも、最大のヒットモデルといわれるのは1988年に発売された5代目モデルのS13型です。

 同時期に登場したホンダ「プレリュード」とともに、若者を中心に「デートカー」として絶大な人気を誇りました。

 その後は1993年に6代目モデルのS14型、1999年に7代目モデルのS15型を販売。S13型以降は歴代モデルのなかでも「走り」にこだわったスポーツ仕様に路線変更しています。

 しかし、スポーツカーの販売が低迷するとともに「排出ガス規制」の影響などを受け、2002年におよそ40年の歴史に幕を閉じました。

 しかし、生産終了から20年近く経過した現在でも、ドリフト競技を中心にあらゆるカスタムのベース車としてシルビアは絶大な人気を誇っています。

 なぜ、シルビアはデートカーからドリフトマシンと幅広い人気を獲得しているのでしょうか。

 歴代シルビアでもっとも売れたとされるS13型は、当時としては先進的なデザインであった点が人気で、1988年にグッドデザイン大賞を受賞しています。

 さらに、当時すでに減少しつつあったFRレイアウトを採用していることから、デートカーとしてだけでなく手軽なスポーツカーとしても人気を集めました。

 シルビア人気について、首都圏の中古車販売店スタッフは以下のように話します。

「かつてはデートカーとして一般的な人気がありましたが、最近はドリフトカーなど『走る』ための用途として需要が高いです。

 状態が良くカスタムしていない個体はなかなか出会うことがありません。また、出回ったとしても200万円以上の価格がつくことはザラですし、それでもあっという間に売れてしまいます。

 また、中古車市場においてカスタム済みのクルマは好みが分かれるため、人気車でも売れ残ることはあります。

 しかし、シルビアは一癖ある程度ではなかなか売れ残りません。状態さえ良ければカスタム済みでも100万円台後半で取引されることは多いです。

 これは、もちろん国内での人気もありますが、漫画『頭文字D』の影響もあってなのか、海外での人気が高いことも関係しています。

 海外からのバイヤーとは定期的に連絡を取っていますが、現地では1年以上シルビアを待っているお客さまもいるとのことです」

※ ※ ※

 かつてはデートカーとして一世を風靡していたシルビアは、現在はドリフトカーとして人気を博しているようでした。

 また、生産を終了してから、S13型は27年、S14型は21年、S15型は18年経過しています。一般的に、これだけの年数が経てば、価格は100万円を切ることがほとんどですが、シルビアは国内だけでなく海外でも人気が高いため、相場は高いままのようです。

■もはや日本人だけじゃない…世界中で人気のシルビアのいま

 今後シルビアは、さらに希少価値が高いクルマとなっていくと予想されています。その理由は、「パーツ不足」と「25年ルール」の影響によるものです。

 まず、パーツ不足について、前出の中古車販売店スタッフは以下のように話します。

「純正パーツは廃盤になっているものも多く、手に入れるのは難しいでしょう。インターネットオークションなどでも時々見かけますが、シルビアなどの人気車種のものはかなり高値で取引されています」

 たしかに、オークションサイトをみると、シルビアの純正パーツの出品数は限られているうえに、出品されていればほぼ高値が付いている状態です。

 例えば、純正ヘッドライトは6万から7万円ほどで取引されています。これは、同時期にデートカーとして人気だったプレリュードの同パーツ相場の2倍から3倍ほどの価格となっています。

 また、前出の中古車販売店スタッフは、「海外のバイヤーは、中古パーツにも常に目を光らせている」と話しており、国内外で争奪戦となっていることがうかがえます。

 加えて、アメリカに限っては「25年ルール」という輸入規制も存在します。

 25年ルールとは、生産から25年以上経過しているクルマについて、「米国NHTSA(米・高速道路交通安全局)」がヴィンテージ品としての価値を認めて、並行輸入車に対する試験を免除するという規則です。

 クルマの通行区分が右側通行の米国を含む北米では、右ハンドル車の走行は危険だということで、輸入は認められていません。

 しかし、北米で一般ユーザーが乗れないはずの右ハンドル車が、25年ルールによる緩和措置で輸入され、1980年から1990年代に登録された日本の高性能スポーツカーを中心に、流通が増えているのです。

 そのため、S13型とS14型は25年ルールによって続々と海外に流れており、S15型も2024年には25年を迎えます。

 米国での日本車人気は根強く、「JDM(Japanese Domestic Market)」と称される日本国内仕様などを好む独自の文化や市場が急速に伸びています。

 また、カナダでは米国の25年ルールよりも短い「15年ルール」となっており、すでにシルビアを始めとした国産スポーツカーが出回っています。

 さらに、北米以外でも東南アジアやロシアではかねてから日本発祥のドリフト競技が盛んとなっており、すでに多くの車体やパーツが流出しているのです。

※ ※ ※

 かつてはデートカーとして日本の街を颯爽と駆けたシルビアですが、現在では北米やアジア、ロシアなど世界中で争奪戦となっているのです。

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