■スポーティに走りたい大人のホットハッチとは
コロナ禍で自粛生活が長引く影響で、まだまだ景気は低迷しそうなこのご時世。クルマにあまりお金をかけられないという人も多いのではないでしょうか。そこで考えたいのが、クルマのダウンサイジングです。
さすがにエンジンがデカすぎでしょ!? 大排気量コンパクトカー5選
しかし単純にクラスや排気量、サイズが小さくなればいいということではありません。乗り換えるには、それなりに納得できる理由を求めたくなるものです。
そこで今回は、積極的にダウンサイジングしたくなる魅力的なモデルを5台ピックアップして紹介します。
●トヨタ「GRヤリス」
トヨタ「ヴィッツ」が2020年2月にフルモデルチェンジして、国内においても海外名だった「ヤリス」という車名に統一されました。
ノーマルのヤリスはコンパクトでスポーティな走りが魅力ですが、それでは少し物足りないと感じてしまう人にお勧めしたいのが「GRヤリス」です。
「GR」とはトヨタのモータースポーツ部門「GAZOO Racing」のことで、ノーマルモデルの良さはそのままに、メーカー自らが徹底してスポーツ性能を磨いた特別なモデルにのみ授けられる称号です。
そしてGRヤリスは、GAZOO RacingのWRC(世界ラリー選手権)チームが築き上げてきた技術力を投入し、モータースポーツ用車両を市販化したスペシャルなヤリスなのです。
ノーマルのヤリスをベースに、エンジンフードやバックドア、ドアパネルにアルミ素材、ルーフパネルはCFRP素材(炭素繊維強化プラスチック)を採用。
ボディサイズは、全長3995mm×全幅1805mm×全高1455mmとノーマルより110mmもワイド化されるとともに、3ドアハッチバックとなりました(ノーマルのヤリスは5ドア)。
GRヤリスは272馬力ものハイパワーを誇る1.6リッター直列3気筒インタークーラーターボエンジンを搭載。
この大パワーを伝えるためにトルセンLSD付きの前後デフを組み込んだ4WDを採用し、トランスミッションも6速MTと、WRCで主役になっているハイパワーな4WDコンパクトカーを市販車で実現しています。
ヴィッツにもスポーツグレードの「RS」やGRの称号が与えられたモデルもラインナップされていましたが、GRヤリスは最初からモータースポーツでの使用を前提として設計されているだけに本気度が違います。この本気度こそ大人が納得できる部分だといえます。
これだけの動力性能と走行性能を持つだけに、新車価格(消費税込、以下同様)も330万円から456万円と、コンパクトカーとは思えないスペシャル価格となっていますが、120馬力の1.5リッターエンジンにCVTを搭載したマイルドな2WD車、「RS」グレードも設定しています。
こちらは265万円からと手が出しやすい価格設定になっており、ルックス重視という人はこのRSグレードを狙うのもアリでしょう。
●スズキ「スイフトスポーツ」
軽自動車のイメージが強いスズキですが、ラリー系のモータースポーツで数々の実績を積み上げてきたメーカーでもあります。
そんなスズキのコンパクトカーとして安定した人気を誇る「スイフト」をベースに、よりスポーティな走行が楽しめるようにアップグレードされたモデルが「スイフトスポーツ」です。
スイフトスポーツがほかのコンパクトカーのスポーツグレードと一線を画す理由として、かつてJWRC(ジュニア世界ラリー選手権)で活躍したことがあげられます。
現行モデルは参戦していないものの、これまで何度もクラス優勝を果たした実力を歴代スイフトスポーツにフィードバック。レースで鍛えられた本格派としての実績と実力は、コンパクトカークラスでは有数といわれています。
それでいて、日常でも扱いやすいのがスイフトスポーツの魅力のひとつ。現行モデルのボディサイズは全長3890mm×全幅1735mm×全高1500mmと、全幅はシリーズ初の3ナンバーサイズですが、5ドアハッチベースのボディは実用性も良好です。
搭載される1.4リッター直列4気筒ターボエンジンの最高出力は140馬力と控えめながら、わずか2500回転で最大トルク23.4kgmを発揮するなどピックアップの良さが特徴のセッティングになっています。
トランスミッションは、現在では貴重な6速MTも設定されるのもスポーツグレードらしい配慮。ちなみに6速ATも用意されています。
さらに、ベースとなる4代目スイフトが2020年に一部改良されたことを受けて、スイフトスポーツでも従来はメーカーオプションだった「セーフティパッケージ」が標準装備化(非装着車も設定)されました。
また、安全装備を充実させたうえで車重970kg(6速MT)という軽量化を実現しており、数値以上の速さを体感できるモデルです。なお、軽さを追求するために、4WDではなくあえてFFを採用してえます。
スイフトスポーツは、前出のGRヤリスほど本気のスポーツモデルでないところもポイント。普段使いでは気軽に乗ることができ、ときにはキビキビした走りも楽しめる、いいとこどりのモデルだといえます。
スイフトスポーツの価格は187万4400円から214万1700円です。
■コンパクトでも上質感のある内外装が特徴のモデルとは
●日産「ノート e-POWER AUTECH」
日産のコンパクトカー「ノート」は、2代目モデルの後期に投入されたハイブリッド仕様「e-POWER」が人気を博し、同社の主力モデルへと成長。そして2020年12月にフルモデルチェンジし、3代目モデルはe-POWER専用車となりました。
新型ノートは鋭い顔つきのショートノーズ&ロングルーフで、コンパクトサイズでありながら居住空間も広い実用性の高さが魅力となっています。
質感も高めたノーマルの新型ノートでも十分かもしれませんが、大人が積極的にダウンサイジングするには、少しだけ物足りなさを感じてしまうのも事実。そこで選びたいのが「ノート e-POWER AUTECH」です。
「AUTECH(オーテック)」とは、日産の子会社であるオーテックジャパンが手掛ける「プレミアムスポーティ」をコンセプトとしたカスタムカーブランドです。
ノート e-POWER AUTECHは、フロントグリルやカラードドアミラー、LEDヘッドランプ(アダプティブLEDヘッドライトシステム)、16インチアルミホイールなど専用パーツを装備。
ブルーを基調としたレザーシートや本革巻ステアリングなど、インテリアの各所にブルーのステッチが施されるなど、通常仕様のノートとは一線を画す上質感あふれるスタイルを特徴としています。
全長4080mm×全幅1695mm×全高1520mmと5ナンバーサイズをキープしたボディに、WLTCモード燃費28.4km/L(X・2WD)という低燃費を誇る1.2リッターエンジンと組み合わせた第2世代の「e-POWER」搭載。
さらに「360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)」の標準化や、純正ナビと連動した「プロパイロット」も搭載。安全装備の充実も図られ、大人があえて選びたくなるプレミアムなコンパクトカーの代表格といえそうです。
ノート e-POWER AUTECHの価格は250万4700円から276万3200円です。
●マツダ「CX-3」
スタイリッシュなモデルが多いマツダのSUVラインナップのなかで、もっとも小さなモデルとして「CX-3」があります。
現在のマツダのアイデンティティとなっている「SKYACTIV」と「魂動デザイン」を組みわせ、スタイリッシュなコンパクトSUVとなっています。
CX-3は「マツダ2(旧デミオ)」をベースとし、全長4275mm×全幅1765mm×全高1550mmというサイズのボディで、コンパクトながら上質感を感じられるのがポイント。
居住性は劣りますが、ルックスは兄貴分である「CX-5」より完成度の高いデザインに仕上がっているといわれるほどです。
CX-3はリアシートの足元の狭さなどが不満点として指摘されますが、多人数乗車する機会が減ってダウンサイジングするのであれば、あまり気にならない部分でしょうし、インテリアの質感が高く評価されています。
また、最低地上高も高めに設定されているので、ロードクリアランスを意識しないで走れるクーペのような感覚で乗ることができます。
発売当初は1.5リッターディーゼルターボエンジンのみの設定でしたが、現在では1.5リッターと2リッターのガソリンエンジン、1.8リッターディーゼルターボエンジンと3種類のパワーユニットが選べるようになっています。
そのなかでもお勧めなのが、1.5リッターガソリン搭載モデルです。
2リッターや1.8リッターディーゼルに装着される18インチタイヤは、見た目はいいけれど乗り心地が硬く、むしろ1.5リッター仕様が履く16インチタイヤのほうがマイルドで乗りやすいでしょう。
同じクラスのライバル車としてトヨタ「ヤリスクロス」や日産「キックス」などもありますが、スタイリングがちょっと若者向け過ぎると思っている人にとって、欧州車のような雰囲気を感じさせるCX-3のほうがふさわしいのではないでしょうか。
CX-3の価格は189万2000円から316万2800円です。
●ホンダ新型「ヴェゼル」
せっかくダウンサイジングして新車に乗り換えるのであれば、やはり話題の新型車もチェックしておきたいところです。
そんな新しいモノが好きな人にお勧めしたいのが、2021年4月に発売される新型「ヴェゼル」です。
初代ヴェゼルは扱いやすいサイズと実用性の高さ、ホンダらしい都会的なデザインがミックスしたクロスオーバーSUVとして支持されました。
7年ぶりにフルモデルチェンジされる2代目モデルは、最新トレンドである薄目のヘッドライトや一文字に光るリアコンビネーションランプを採用し、1クラス上の高級感を演出しています。
搭載されるパワーユニットは、1.5リッターガソリンと1.5リッターハイブリッドの「e:HEV」の2機種。
このe:HEVは、通常走行はモーターで、高速巡航やパワフルさが必要なシーンではエンジンのパワーが加わるといった具合に、環境性能と走行性能を自動でコントロールする次世代ハイブリッドシステムです。
さらに先進運転支援機能がパッケージングされた「ホンダセンシング」も標準装備され、後方誤発進抑制機能や近距離衝突軽減ブレーキ、渋滞追従機能付きクルーズコントロールなど、嬉しい機能も充実しています。
また最新モデルらしく、コネクテッド技術も最新です。スマホがキー代わりになる「Hondaデジタルキー」や車内Wi-Fi、ドアロックの開閉だけでなくエアコンも操作できるリモート機能など、最新のデジタル装備も充実していて、ガジェット好きにも納得の機能を搭載しました。
※ ※ ※
これまでの「大きい=高級&装備充実」の時代はそろそろ終わりを迎えつつあるといえます。
サイズは小さくても上質感やスポーティさ、先進性が求められる昨今、大人が積極的にダウンサイジングして乗りたくなるコンパクトなクルマがトレンドになっているようです。
※記事初出時より、記事タイトルに誤字がありましたため訂正いたしました(21日午前9時50分)
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みんなのコメント
こんだけ見苦しい後付けコピーも珍しいなw 笑ってしまうわ