現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「D1GPマシン名車列伝10連発」時代を切り開いたスーパーチューンド達

ここから本文です

「D1GPマシン名車列伝10連発」時代を切り開いたスーパーチューンド達

掲載 更新
「D1GPマシン名車列伝10連発」時代を切り開いたスーパーチューンド達

D1マシンの歴史を辿ればチューニングの進化も見えてくる!

画期的なメイキングで大きな影響を与えたマシンを特集!

「D1GPマシン名車列伝10連発」時代を切り開いたスーパーチューンド達

今年で20年目を迎えるD1GPだが、不変の主力車種と言えばシルビア系とツアラー系だ。しかし、この間には様々な個性派マシンが登場し、注目を集め、新機構を流行らせ、時代を切り拓いてきた。今回はそんなD1マシンメイキングに大きな影響を与えたマシンを10台紹介。時代ごとのトレンドとその進化を見ていこう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2003年:HKS ハイパーシルビアRS-2(S15)

ドライバー:谷口信輝

まだD1マシンが“ストリートチューニングカー”の延長線上だった時代に、完全なるドリフト競技専用仕様として登場し、衝撃を与えた1台。フロントのタイヤハウスはストロークを確保するためにサイクルフェンダー化され、インタークーラーは接触時にダメージを受けにくいよう後退させて搭載する“中置き”を採用。

さらにリヤシート部分のフロアはトンネル形状とし、オイルクーラーを設置するなどのメイキングも。このシルビアの登場以降、各チームは“ドリフト競技専用”のマシンメイクを開始する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2004年:UP GARAGE スプリンタートレノ(AE86)

ドライバー:前田謙

200馬力に満たないNAのハチロクが多かった2004年当時に投入され、大きな話題を読んだのがこのアップガレージスプリンタートレノだ。

エンジンは4A-Gのままターボ化し、NOSまで組み合わせた300馬力仕様。さらに制御はモーテックという先進的なものだった。軽量ボディにハイパワーなユニットというパッケージは強力で、ハチロクを超えた迫力の走りを披露。ただし先進的すぎたのか、当時このパッケージが他のハチロクに波及することはなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2005年:YUKE’S CUSCO with ADVANインプレッサ(GDB)

ドライバー:熊久保信重

現行車種で戦いたいという意欲と、ラリーカーが好きだったからという理由で熊久保が選んだベース車種。車両製作はインプレッサのノウハウが豊富なJUNオートメカニックが担当し、2006年にチャンピオンを獲得した。

エンジンはフォレスターのEJ25ベースの550馬力仕様だが、排気量が大きいこともあって同程度のパワーのシルビアよりフラットトルクだったという。ミッションはホリンジャー6速シーケンシャル、デフはスカイラインGT-Rのものを流用。ラジエターはクラッシュ対策でリヤにマウントされ、これが後のトレンドとなった事は言うまでもない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2006年:DRoo-P スプリンタートレノ(AE86)

ドライバー:吉岡稔記ほか

NAの4A-Gへの拘りから生み出された異色のドリフトスペック。この前の車両からNOSは使っていたが、このマシンで究極のレベルに達した。

この時期、低回転域でトルクをカバーするためにNOSを使っていた車両は多かったが、このAE86は純粋なパワーアップのためにほぼ回転全域でNOSを噴射し、その使用量はハンパではなかった。軽量ボディとも合間って、スタート直後の加速はターボ車をも凌駕するほどだったのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2007年:TEAM TOYO with River Side(PS13)

ドライバー:黒井敦史

D1初期からRB26を搭載したワンビアで参戦していたが、しばらくはタイヤのグリップが追いつかず、パワーを生かせなかった。それがR1Rのサイズ設定が拡大されたことで、走りは異次元レベルに到達した。

そして2007年に低回転のトルクを求めて1JZを投入。シーズン中に2JZの腰下を組み合わせた1.5JZ仕様を経て2JZ仕様に進化。現在では超定番のシルビア+2JZというパッケージの先駆けとなったマシンだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2007年:YUKE’S クスコ チームオレンジランサー with ORC(CT9A)

ドライバー:熊久保信重

インプレッサの次に熊久保が投入したラリーカーベース第2弾。こちらも製作はJUNオートメカニックが担当した。

エンジン横置きのままでは駆動系が大パワーに耐えられないため、4G63を縦置きに変更するという大改造を敢行。異例のマシンメイクだったが、優勝も果たすなどトップレベルのポテンシャルを見せた。この後、熊久保は2009年にもエンジンを縦置きにしたエボXを投入するが、この手法を真似するチームは現れなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2007年:TEAM22 FNATZ MARKII(JZX100)

ドライバー斎藤太吾

斎藤太吾と2JZエンジンをドリフト界に知らしめた1台。この前のJZX90からスピードで注目されていた斎藤だが、2007年に投入したJZX100はボディを徹底的に軽量化し、大パワーを出す2JZエンジンを載せた。

斎藤は特に加速区間後半の伸びで圧倒的な強さを発揮し、2008年にはチャンピオンを獲得。これ以降、斎藤に対抗するためにとにかくパワーを求めるチームが増え、その結果、現在の2JZ全盛をもたらしたのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2012年:DRIVE M7 ADVAN MAX ORIDO RACING 86(ZN6)

ドライバー:織戸学

海外のレース事情に精通しているMAX織戸が、レーサーとしての知見を活かして製作したスーパーチューンドがこのトヨタ86だ。

V8エンジンを搭載している他、デフにクイックチェンジを採用したり、リヤサスペンションにワイズファブを使うなど、その後のD1車両の流行をいち早く採用。さらに、スクートスポーツのライドハイトシステム(左右のオイル室を連結したダンパー)もテストするなど、貪欲に新技術を求め続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2014年:GReddy 35 RX Spec-D(R35)

ドライバー:川畑真人

D1GPでは初のR35GT-R。完全FR駆動に変更し、トランスミッションも前寄りに搭載したドリフト専用車両だ。当初は制御の面で少々苦労し、電装系トラブルに悩まされたりもしたが、完成度を高めて2015年にシリーズチャンピオンを獲得した。

数値的には同程度のパワーの2JZ車両もあるが、VR38は明らかに加速力で上回っており、ボディが重いためにコーナーでは奥まで突っ込めないにも関わらず、高い進入速度をマークしてその性能を証明した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●2019年:Team TOYO TIRES DRIFT GR Supra(2019年)

ドライバー:川畑真人

2JZ搭載でデビューしたマシンだが、最終戦を前にエンジンをトヨタの3UZに変更。4.3LのV8ターボとなった。川畑が大排気量のVR38エンジンに乗り慣れていたこと、GRスープラはトラクションに優れることもあり、さらなるパワーとトルクを求めた形だ。

7月23~24日に無観客で行われた開幕戦(奥伊吹ラウンド)では盤石の走りで優勝を獲得。GRスープラ勢で初のチャンピオンに輝き、その戦闘力の高さを証明して見せたのだ。

こんな記事も読まれています

【ミシュランマンも太田勤務?】日本ミシュランが移転一周年・新社屋お披露目
【ミシュランマンも太田勤務?】日本ミシュランが移転一周年・新社屋お披露目
AUTOCAR JAPAN
キザシ覆面パトカー1台105万円って安すぎんか………?? 入札価格のフシギを追う[復刻・2013年の話題]
キザシ覆面パトカー1台105万円って安すぎんか………?? 入札価格のフシギを追う[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
偶然「M3スポエボ」をゲット! 直6の325iから乗り換えて変わったこととは? イベントなどでBMWオーナーが優しく接してくれる理由は希少性ゆえ!?
偶然「M3スポエボ」をゲット! 直6の325iから乗り換えて変わったこととは? イベントなどでBMWオーナーが優しく接してくれる理由は希少性ゆえ!?
Auto Messe Web
すでに逮捕者も出ている! 他人事じゃない自転車の「酒気帯び」「ながら」運転の罰則強化
すでに逮捕者も出ている! 他人事じゃない自転車の「酒気帯び」「ながら」運転の罰則強化
WEB CARTOP
2024年10月の欧州新車販売、3カ月ぶりプラス HV依然好調 EVもプラス確保
2024年10月の欧州新車販売、3カ月ぶりプラス HV依然好調 EVもプラス確保
日刊自動車新聞
[15秒でわかる]光岡『M55 Zero Edition』…創業55周年の限定モデル登場
[15秒でわかる]光岡『M55 Zero Edition』…創業55周年の限定モデル登場
レスポンス
エアロ重視で航続距離750km DSが新型ファストバック「DS 8」のプロトタイプ初公開
エアロ重視で航続距離750km DSが新型ファストバック「DS 8」のプロトタイプ初公開
AUTOCAR JAPAN
ゼネラルモーターズ、11番目のF1チームに。キャデラックブランドで2026年からの参戦で基本合意
ゼネラルモーターズ、11番目のF1チームに。キャデラックブランドで2026年からの参戦で基本合意
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「ランクルオープン」初公開に大反響! FJ風な“旧車デザイン”&斬新「スケスケドア」採用! “TOYOTA”ロゴの「ROX」米国で披露!
トヨタ新型「ランクルオープン」初公開に大反響! FJ風な“旧車デザイン”&斬新「スケスケドア」採用! “TOYOTA”ロゴの「ROX」米国で披露!
くるまのニュース
どんな役割を持っているか知ってる? 最近のバイクに必須の「三元触媒」を徹底解説
どんな役割を持っているか知ってる? 最近のバイクに必須の「三元触媒」を徹底解説
バイクのニュース
ロータスがEV化計画を修正、ハイブリッド車導入へ 消費者需要や関税に対応
ロータスがEV化計画を修正、ハイブリッド車導入へ 消費者需要や関税に対応
AUTOCAR JAPAN
義父から受け継いだ日産「バイオレット」はオリジナルをキープ!「当時の状態で後世に残すこと」に共感して20年…現状維持が課題です
義父から受け継いだ日産「バイオレット」はオリジナルをキープ!「当時の状態で後世に残すこと」に共感して20年…現状維持が課題です
Auto Messe Web
ブリヂストン、国内3工場に投資し能力増強 高インチタイヤ生産強化 2028年までに日産3000本増
ブリヂストン、国内3工場に投資し能力増強 高インチタイヤ生産強化 2028年までに日産3000本増
日刊自動車新聞
ホンダ 新型「アドベンチャーモデル」発表に反響多数! 「デイキャン余裕です」「ロボット顔が好き」の声!鮮烈レッドボディに高性能「eSP+エンジン」搭載の「ADV160」どんなモデル?
ホンダ 新型「アドベンチャーモデル」発表に反響多数! 「デイキャン余裕です」「ロボット顔が好き」の声!鮮烈レッドボディに高性能「eSP+エンジン」搭載の「ADV160」どんなモデル?
くるまのニュース
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定【CES2025予習&復習セミナー】前回CESのトレンドを踏まえて次回の見どころをチェックする
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定【CES2025予習&復習セミナー】前回CESのトレンドを踏まえて次回の見どころをチェックする
レスポンス
独ボッシュでも最大5500人削減、欧州車メーカーの業績悪化が影響[新聞ウォッチ]
独ボッシュでも最大5500人削減、欧州車メーカーの業績悪化が影響[新聞ウォッチ]
レスポンス
新基準原付で125ccも原付扱いに!? 125ccのバイクには一体何がある?
新基準原付で125ccも原付扱いに!? 125ccのバイクには一体何がある?
バイクのニュース
クルマのメーター内に「光るカメ」出現! 「青いイカ」や「コーヒーカップ」も!? 点灯したらマズい? 新種の「警告灯」どんな意味?
クルマのメーター内に「光るカメ」出現! 「青いイカ」や「コーヒーカップ」も!? 点灯したらマズい? 新種の「警告灯」どんな意味?
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

177.0271.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

156.0908.0万円

中古車を検索
シルビアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

177.0271.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

156.0908.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村