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トヨタの人気セダン対決! 日本意識のクラウンと北米育ちカムリの違いとは

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トヨタの人気セダン対決! 日本意識のクラウンと北米育ちカムリの違いとは

 トヨタには、日本のセダンを代表する「クラウン」と、世界中で販売されているセダンの「カムリ」がラインナップされています。トヨタの2大セダンにはどのような違いがあるのでしょうか。

トヨタの2大セダン! クラウンとカムリ クラウンは、日本車のなかでもっとも伝統ある車種のひとつで、トヨタ車のなかでも「ランドクルーザー」などとともに長い歴史を持ったモデルです。

トヨタ クラウン史上最大の失敗作? 4代目クラウンは本当に駄作だったのか

 1955年に初代モデルが登場して、2020年に生誕65周年を迎えます。トヨタの最上級セダンとして伝統を継承し、歴史を刻んできました。

 クラウンは、高級セダンとして当然のように素直なハンドリングと運動性能、快適な乗り心地が得られやすい伝統のFR方式を採用。

 2018年6月に15代目モデルへと進化したクラウンのチーフエンジニア・秋山晃氏は、次のように語っています。

「初代クラウンが誕生した創業期の意志を継承し、『日本人の頭と腕』で、もう一度世界を驚かせたい。そんな気概で開発を進めてきました。デザインや走り、コネクティッド、すべての面でお客様にハッとしていただけるようなクルマに仕上がったと実感しています」

 クラウンの搭載するパワーユニットは、バリエーションに富んでいます。2リッター直列4気筒直噴ターボ、2.5リッター4気筒エンジン+電気モーター、そしてレクサス車が先行して採用した3.5リッターV型6気筒+モーターのマルチステージハイブリッドの3種となります。

 このうち、有段ギヤを組み合わせているマルチステージハイブリッドは、低速から力強い駆動力を生み出します。

 また、低速域から高速域までシステム効率の高い動作点を選択し、EV走行領域も拡大することで感動的な走りと燃費性能に優れた快適なクルージング走行を両立しています。

 組み合わせる10段変速制御のトランスミッションは、あらゆる走行シーンにおいて、エンジン回転数をドライバーの意図に対し忠実に変化させ、応答性の良いモーターアシストを可能とし、アクセル操作に連動したダイレクトな加速フィーリングを実現したといいます。

※ ※ ※

 一方のカムリは、1980年にセリカのセダンバージョンとして「セリカ・カムリ」の車名で登場します。この初代の後輪駆動(FR)セダンはカリーナの姉妹車でした。その後、1982年には、FFレイアウトを採用した現在の車名「カムリ」として一新し、グローバルに販売を開始しました。

 カムリはこれまで、「トヨタのグローバルミッドサイズセダン」として、米国で15年連続乗用車販売台数No.1をはじめ、100カ国以上の国や地域で販売され累計1800万台超えを達成しているモデルです。

 日本では、2017年7月に8代目として登場した現行型カムリは、トヨタの新プラットフォーム「TNGA」の採用や構成部品などすべてをゼロから開発することにより、「美しいデザイン、意のままの走り、上質な乗り味」を実現したといいます。

 トヨタはカムリの開発コンセプトを次のように説明しています。

「走りや乗り心地などクルマとしての基本性能を鍛えるとともに、先進技術・機能を通じ環境性能や安全性をさらに高めています。このふたつの要素を徹底的に追求することで、両者が相まって数値では表せない価値を生み、カムリをお客様の五感に訴えるクルマに昇華させることが8代目モデルのコンセプトです」

 日本市場において、米国仕様にあるガソリンエンジン車は設定されず、2.5リッター4気筒ガソリンエンジン+電気モーターのみをラインナップ。基本的には、クラウンの2.5リッターハイブリッド車と共通のユニットを搭載していますが、駆動方式が異なりFF方式のハイブリッド専用モデルです。

 新プラットフォームのTNGAにより全面刷新された新型トランスミッションである8速ATを採用。世界トップレベルの伝達効率を実現するとともに、多段化、ロックアップ領域の拡大により、ドライバーの意のままに反応する走りを実現しています。

日本市場では、「クラウンとカムリ」何が違う? 15代目となるクラウンは日本国内のユーザーを意識したボディサイズで、全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mm、ホイールベース2920mmとなっています。

 特徴は、国内外メーカーのセダンモデルが大型化するなかで、日本の狭い道路事情を考慮して全幅を1800mmに抑えたことです。それでも、長いホイールベースのおかげで、後席居住性は十分な余裕が感じられます。

 対するカムリは、米国市場をターゲットとするため、ボディサイズは全長4885mm×全幅1840mm×全高1445mm、ホイールベース2825mmとなっており、クラウンに比べて車幅があります。

 外観デザインは低重心を突き詰め、低く構えたボンネットフード、フェンダーから低いベルトラインで構成、ワイド&ローの姿となっており、FFならではのゆったりと広い室内は特徴的なポイントです。

 クラウンの価格(消費税込)は、3種類のパワートレインや標準仕様・RS仕様と装備が異なるため、460万6200円から718万7400円と幅広い価格帯となっています。

 対するカムリは、1種類のパワートレインと基本の仕様がひとつのため、329万8320円から434万1600円と、クラウンと比べると価格差は少ないです。

15代続くトヨタを代表するセダンモデルの「クラウン」 国産メーカー各社がモデルのグローバル化を進めていくなかで、クラウンはなぜ日本市場を意識し続けるのでしょうか。トヨタの販売店スタッフは次のように説明します。

「クラウンは日本における高級車の代名詞的存在です。グローバル化が進むなかで、日本に合わせた規格のままだと、販売が厳しい実情はあると思いますが、クラウンは日本をメインにして企画・開発されています。そのため、日本の道路事情に適したサイズを重要視するのです。

 また、クラウンは歴代モデルから乗り継がれているも多く、クラウンだから購入されるクルマでもありますので、先代・先々代モデルより大きく変更することはユーザー離れを起こすことも考えられます。

 一方で、同じセダンモデルのカムリは、主に北米を意識しているモデルです。そのため、日本の事情よりも北米市場で売れるモデルでなくてはならないため、ボディサイズは巨大化しています。日本市場では、スタイリッシュなデザインや2018年8月に追加された『WS』というスポーティなグレードが、20代から30代のユーザーから支持を得ています。

 そのため、クラウンとカムリは同じトヨタのセダンモデルでも、ユーザーの棲み分けができているのだと思います」

※ ※ ※

 日本を意識したクラウンと北米を意識したカムリ、コンセプトは違ってもトヨタが誇るセダンモデルという点では、魅力的な2台といえます。

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