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ゴージャスに謳歌する ジャガーFタイプ P450 コンバーチブルへ試乗 5.0L V8 SC

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ゴージャスに謳歌する ジャガーFタイプ P450 コンバーチブルへ試乗 5.0L V8 SC

大排気量V8 SCにソフトトップ

ジャガーFタイプの発売は、実は2013年にまでさかのぼる。ポルシェが997型を交代させ、991型の911へ置き換えた2年後だった。

【画像】ジャガーFタイプ P450 コンバーチブル 欧州で競合するオープンモデルと比較 全112枚

数年前にFタイプは本格的なフェイスリフトを受けているものの、ディーラーに並んでから間もなく10年を迎えようとしている。その間に、ポルシェは911を992型へ進化させた。2023年には、その992型にも更なる改良が加えられる予定だ。

一方のジャガーは、X152型Fタイプの後継モデルを計画していない様子。あと数年後に純EVメーカーへなったとしても、スポーツモデルは継承されて欲しいものだ。

今回試乗したのは、大排気量のガソリンエンジンを搭載した、P450のコンバーチブル。AUTOCARでは2020年に、フェイスリフト後の直列4気筒とV型8気筒を搭載したクーペへ試乗している。だがソフトトップを評価するのは、これが初めて。

Fタイプは、英国市場では唯一10万ポンド(約1550万円)を切る、本格的な上級スポーツモデルだといえる。伝統あるブランドが、寿命を伸ばすべくどのように進化させたのか、改めて確かめる機会となった。

果たして、その仕上がりは相当にイイ。ただし、気になる点もゼロではない。

個性的なエンジンと高バランスのシャシー

Fタイプ P450が搭載するのは、P575と同じ5.0LのV型8気筒エンジン。最高出力が571psから450psへ、デチューンされていることが明確な違い。近年はターボチャージャーが主流となっているが、ジャガーらしくスーパーチャージャーで加給される。

その吹け上がりは爽快なまでに軽快。透明感すら感じられる。

深いアクセルペダルのストロークを使い切れば、一気呵成に吹け上がり、肉食動物的に獰猛なパワーを解き放つ。同時につま先で優しく傾ければ、上品な猫のように、慎ましやかに人通りの多い道を流すこともできる。

アストン マーティン・ヴァンテージが搭載する、メルセデスAMG由来の4.0L V8ツインターボも素晴らしいユニットだと思う。だが、ジャガーの個性を上回ることはできない。このエンジンを味わうなら、ルーフは開いて走りたい。

ステアリングの感触は軽く、弾力性のある手応えが心地良い。シャシーの優れたバランスを発揮させ、運転を楽しむことを許してくれる。

ロードホールディング性は、濡れた路面でも気にしないで済むほど、高いわけではない。チャレンジングなルートでは、ポルシェ911やアストン マーティン・ヴァンテージでは感じられない、ボディの動きの重さが顔を出す。

挙動の変化も、常に漸進的というわけではない。限定的ではあるが。

オールドファッションな魅力

クーペなら、そんな特性はドライビング体験を曇らせる原因になり得る。だがソフトトップなら、それほど気にならないで済む。自然を楽しみながらおおらかに走る、グランドツアラーとして扱われるべきクルマだからだ。

P450 コンバーチブルは、間違いなくFタイプのベストに据えるべきモデルだといえる。充分以上のパワーを発揮するFRモデルであり、ゴージャスなエグゾーストノートに包まれながら、オープン・ツーリングを謳歌できる。ゆったりと、安楽に。

しかも、英国では価格もお手頃。同等の馬力を発揮するポルシェ911 カレラS カブリオレが約11万ポンド(約1705万円)するのに対し、このFタイプなら7万4015ポンド(約1147万円)でガレージに納められる。

パフォーマンスを比べれば、劣る部分もなくはない。それでも、英国流のオールドファッションな魅力はジャガーFタイプならでは。2022年でも、満ち足りた気持ちで楽しめるコンバーチブルだと思う。

ジャガーFタイプ P450 コンバーチブル(英国仕様)のスペック

英国価格:7万4015ポンド(約1147万円)
全長:4470mm
全幅:1923mm
全高:1307mm
最高速度:284km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:9.3km/L
CO2排出量:243g/km
車両重量:1718kg
パワートレイン:V型8気筒5000ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps/6000rpm
最大トルク:59.0kg-m/2500-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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